89分の悲劇 こぼれ落ちた勝ち星
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2007年04月05日 03:38 visibility52
約300人のサポーターが駆けつけた、今節のアウェイ草津戦。
電車組の湘南サポーターが新前橋のシャトルバスを図らずも占拠、
バスジャック状態で乗り込むという珍現象もあり、なかなかいい雰囲気の中、試合開始。
得点力不足に悩むFW陣は、石原と原の2トップ。柿本は前節の不発でベンチ入り。
石原は前節のこともあり、相当な覚悟でこの試合に臨んだようだ。
試合は湘南にとって厳しい展開から始まる。
序盤は似たようなシステムが鏡のように向き合っていたため、中盤でなかなかボールの出しどころが無く、ゴール前までボールをなかなか運べない時間帯が続く。特にアジエルは前節の縦への仕掛けを警戒されてか、いい形でボールを持たれる前に草津のディフェンスに囲まれてしまう。前線へのパスの供給元であるアジエルが機能しないため、2トップも下がって受けざるを得ない状態に。
そんな中、右SB財津は何度もサイドから飛び出す動きを見せていた。今節も好調のようだ。
しかし彼のパフォーマンスの良さが攻撃に結びつかない。今の湘南の得点力不足を象徴するシーンのひとつだ。
結局、前半は両者拮抗した展開で、0-0で終了。
後半も攻め手を欠いた状態が続き両者拮抗した試合展開が続く。
しかし、ここまでもちこたえれば、今期の湘南の試合運びからいって
最悪でも勝ち点1は持ち帰れるはず。そう思っていたが、サッカーというのは時に非情な結果を用意するものだという事を忘れていた。
終了間際にゴール前での混戦からのシュートを金がファンプル、そのこぼれ球を決められてしまった。
今期初めての流れの中からの失点。言葉を失った。
そして、2失点目。
まるで去年の負けパターンの再現を見ているかのようで、唖然とした。
残り時間が1分あるか無いかの状態で、同点に追いつかなくてはという焦りもあってか、
相手ペナルティエリア内に10人が殺到、しかし1点取るしかないという選択肢が他にない状況に追い込まれて、前がかりにならざるを得ないこと、サイドからのクロスでジャーンの高さが必要のは分かるが、自陣にDFが一人もいないというのは明らかにバランスを欠いていた。
せめてセンターサークルに一人とペナルティエリア内に一人置いておけば、不用意なカウンターを食らったとしても、たった一人の80m近いドリブル突破でのゴールなどそう簡単には決まらないと思うのだが。
個人的には今期の行く末を占う試合だと思っていたので、本当にショックな敗戦だった。
ただし流れの中から決められてしまったとはいえ、今節も守備の堅さは健在。
最終ラインではね返すだけでなく、ボランチのボール奪取、前からのディフェンスと選手全員の守備意識が共有されていて、
今期の湘南は去年とは変わりつつある事は確か。
去年と違い、今年はこの堅守があるのだから、
ゴールを決めて波に乗りさえすれば、今年の湘南はきっと去年とは違う光景を見せてくれるはず。
そう信じて、次節以降の大爆発に期待したい。
以下は選手雑感
石原: 前節、チャンスを決めきれなかった事、地元での試合という事もあってか、気持ちは多いに感じられた。が、明らかに気負いすぎていて、ゴール前での冷静さを 欠いた状態だったように思う。攻撃だけでなく、守備にも献身的に走り回っていたのでコンディションは良さそうなのだが...。
また、ボールを持ったら一人でペナルティエリア内にドリブルでつっかけていくのは、おそらくファール狙いだったのかもしれないが、今日の審判のジャッジが 明確な基準を欠いていたことを見てとったならば、簡単にはたいてアジエル、原、加藤、などとのポジションチェンジでマークをずらして前を向いてシュートを 打てるスペースを作るなどのアイデア、そしてそれを要求する態度が必要だったかもしれない。まぁ、FWの資質としてはもちろんアリなのだが、それも時と場 合によりけり。相手にタックルされてもそのままシュートできるくらいのフィジカルの強さがあれば話は別だが。
原: かなり走り回っているのだが、草津の荒いディフェンスに削られては転ばされ、それもあってかリズムが作れず、得点の匂いがしなかった。
どうも石原と似たタイプのようなので、たまにポジションが重なってしまうこともあり、うまく持ち味が生かされていないように感じた。 もう少しセカンドボールに対する嗅覚があれば、1.5列目あたりからの飛び出しからのゴールといった相手にとってイヤな選手になれると思う。
金:1点目の失点の直接の原因となったファンブルは、いくつかのブログでも指摘されていたように、失点前にも何度か見られた。今まではDFに助けられていたこともあって、このファンブル癖は重大なミスには繋がらなかったが、失点を招いた以上、早急に修正が必要だ。
財津:今節もよくボールに絡み、質の高い動きを見せてくれた。
彼の好調のせいで名良橋が見れないのは痛し痒しだが、そうは言っても、やはり長丁場のJ2で計算できる戦力は多い方がいい。
尾亦:2点目を入れられる前にドリブルで独走する鳥居塚を必死で追いかけるシーンがあったが、あれだけ走れるなら、もっと攻撃時に長い距離走ってサイドからの突破とかがあっても良かったんじゃないのか?
財津とのバランスを考えてるのかもしれないが、彼の場合、バランスを気にせずに上がってしまうくらいでちょうどいいんじゃないかと思う。
新前橋駅前でにシャトルバスに向かう湘南サポーター。
この後、予想外のバスジャック状態でスタジアムへ。
草津のスタジアムグルメ、鳥めし。ゆっくり味わって食べたかったが、選手のコールが始まってしまったため、あわててかき込んだ。
「名良橋がみたい」のダンマク。
確かにそろそろ見たい。
しかし、財津も捨てがたいので悩ましいところ。
尾亦を見てると、左SBに名良橋が入れればなぁとも思う。
練習では好調らしいのだが。
かつての湘南の象徴ともいえる選手だったヤスも今は敵。
草津での好調ぶりは嬉しい限りだが、
湘南戦ではお手柔らかに頼みます。
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- 事務局に通報しました。
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