
病気が教えてくれたこと
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コージ苑
2009年09月02日 17:50 visibility65
アステラス製薬が今、「病気が教えてくれたこと」というエッセイコンテストを
やっている。
審査員の方のエッセイに感銘をうけここに紹介したい。
柔道家の野村忠宏さんのものです。
じん帯断裂、体はボロボロ。
弱い自分。
だけど逃げなかった。
夢があったから。
「ここまで来たらやるしかないんだから、一緒にがんばろう」。
妻は泣きながら、言った。僕も泣いていた。妻の前で流した初めての涙だった。
ずっと一人で闘ってきた。実際の僕は心配性でビビリ性。だから、自分にプレッシャーをかけ、逃げ場をなくすことで勝ち続けてきた。オリンピック三連覇も結果としてついてきた。
しかし、その自信は崩れ落ちた。世界柔道選手権大会の代表権を勝ち取り、北京五輪への好スタートを切った矢先。右膝じん帯の断裂。オリンピック四連覇どころか、その出場すら困難になった。
僕は、自分のために闘う。だから、ぜんぶ一人で抱えこむ。誰にも弱音を吐いたことがない。でも、このじん帯の断裂は、僕の心も切り裂いた。妻に当たり散らしてしまい、家族との関係までズタズタになった。そんな日々が続き、初めて本音を話した。どうしようもない弱音や悲しみをぶつけた。そして、初めて涙を流した。
そのとき、あらためて気づかされた。妻の存在に。家族や仲間の存在に。
いろんな人たちの見えない応援が、そこにあることに。
今まで病気にはあまり縁がなかった。そのぶん、怪我は数え切れない。右膝の故障以外に、両肘両膝のじん帯を伸ばしている。足首の捻挫。腰も悪い。手足の指は、20本中10本は壊れている。怪我のおかげで、それでも追いかけたい夢があることを知った。支えてくれる人がいることに気づいた。そして、逃げない自分に出会えた。
体はボロボロ。ブランクもある。選手としてはもういい歳だ。だけど、心の中に妻の「一緒にがんばろう」という声が響いている。支えてくれるたくさんの人たちの「がんばれ」という声援が聞こえる。
次のロンドン五輪は、僕は37歳での挑戦になる。
四度目の頂点。達成したい夢。それは自分との闘い。でも絶対に逃げない。
もう一人で闘うわけじゃないから。
いろんな人に支えられて生きているんだな。
「ありがとう」と心から言えるようになった。
倍賞 千恵子
「下町の空に かがやく太陽は〜」
手術台に横たわる私は、『下町の太陽』を歌っていた。
主治医の先生が「倍賞さんのファンです」なんて言うもんだから、「じゃあ、何か歌いましょうか」って。結構元気よく歌った。だけど、ほんとうは怖かった。
そもそも自分が乳がんだと知ったきっかけは、北海道にある家で雪かきをした晩のこと。右腕の付け根が痛くて、自分でマッサージしてみると、なんとなくコリッとする。不思議に思ったけど、そのときはそのままにしておいた。一週間後、別の用件で会ったお医者さんに相談したら、「それじゃあ、検査してみましょう」という運びになった。
結果が出るまで、ものすごく不安だった。夫と病院に行ったら、お医者さんに「大丈夫でしたよ」と言われた。ふと夫を見たら、真っ赤な顔をして泣いていた。決して涙を見せるような人ではない。「あ、そうか。私ひとりの問題じゃないんだ」って。
その後、東京での再検査で乳がんと判明するまでは、さらに辛かった。思いがけず、いろんな人たちからメールや電話、手紙をいただいた。忙しいなか、ふらっとお見舞いに来てくれる方もいた。
見ず知らずの同病の患者さんから励まされたこともある。放射線治療で病院に通っていたとき、いつも同じ時間帯に会うその人と、よくおしゃべりをした。彼女の治療最終日のこと。「倍賞さんはもう少しかかるけど、がんばってね」と、地元・柴又のできたてのお団子を手渡してくれた。乳がんを全摘出する彼女は、私よりも症状が重い。なのに、気遣ってくれるその優しさが私の心を軽くしてくれた。
人は年を重ねると、悔いがないように生きようと思う一方で、誰かに感謝する気持ちを忘れがちになる。しかも女優という仕事を長くやっていると、変につっぱってしまうところがある。でも、このときは素直に「ありがとう」という言葉が口から出た。
病気になってわかったのは、「自分ひとりの命じゃない」ということ。こんなにたくさんの人が私のことを気にしてくださっている。普段から何気なく接していた夫や家族、仕事仲間、友達、そしてふと出会う人たちが、深いところで私を支えてくれている。そんなことに気づかされた。
人間は、まわりのいろんな人たちの力を借りて生きていく。コンクリートの間から出てくる草だって、根っこでは何かにつながって生きている。
生きることは、「ありがとう」を言えること。私と関わるすべての人たちに感謝しながら、これからも大切に生きていきたい。
他にもチャラさん重松清さんなども見る事ができます。
「明日は変えられる」 いい言葉ですね。
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