原点高校野球を語る�

打倒江川2
春の選抜で江川さんはたった当たり損ないの2安打で
甲子園を去った。

でもあの凄い投手はきっと夏もやってくると確信していた
言っては悪いが栃木に今の江川さんを倒せるチームは存在しないだろうと
思っていた。
横浜高校の永川さんの事はすっかり忘れ小学校4年の私はすっかり
江川さんのファン・・・・。
ではなく打倒江川さんになっていた。(判官びいきなため・・・そうでないと
40年近く大洋・横浜を応援できない)

この年の夏、神奈川代表は初出場の藤沢商業高校。
横浜市以外の学校が出るのは東海大相模を除いて
久し振りだったが、あまり期待してなかった。
永川さんに夏も関東ビック3として出て欲しかったが
案の定2回戦で盛岡三校に敗れる。

その2回戦・・・・。
私が一番注目していたカード。
関東ビック3の一人、土屋正勝。 好きなピッチャーだった。
対するは作新学院江川卓。
江川さんは高校生レベルを超えていたが、土屋さんも球威のある
力強い投球が印象に残っている。

同じ関東同志、銚子商業は江川さんから前年の秋の関東大会では1安打
21奪三振をくらっている。
しかし地道に打倒江川で鍛えてきた黒潮打線。
土屋さんの球を2メートルくらい前から打つ練習もしたと聞いている。

夏の直前の試合では4安打して1点を奪い、三振も9と三分の一に。
慣れてきて対策もできている。
しかし江川さんの力はそれもってしても叶わぬボール。

試合開始は曇り空だったと記憶している。
でも・・いつもの江川さんとは違う・・・。画面からも読めてとれる。

多くの方もそうだと思うが、NHKの解説で結構野球というものを
覚える。
また、画像というのは残酷で若い高校生の表情の変化を映し出す。
こういうときポーカーフェイスの投手は得だなと。

銚子商業黒潮打線は、バットに当てる事ができる。
しかも・・・江川さんの調子は良くないのがわかる。
トレードマークの首をかしげるシーンが多くなる。

高めのつり球に手を出さない、徹底的に高め無視の
低めの球威の落ちる球を狙い打つ。

土屋さんは作新打線を寄せ付けない。
正直、銚子商業が試合優位にすすめている。

これは・・・倒せるかも・・・。
試合途中から雨が降る中両投手、集中を切らさず一球一球丁寧に投げ込む。

そして・・・
延長10回、二死1、2塁。雨でぬかるむ甲子園のグラウンド。
照明でグランドが光る。
そしてランナーが走り・・・ヒットエンドラン。
打球は抜けていきサヨナラ!!!
しかし、ありかよそのブロック。
走塁妨害と言われてもおかしくないブロック
銚子商業の多部田選手の右目から大量の流血。
レガーズに顔面カウンターパンチ。

このシーンをいつまでも忘れなかった。
あの多部田選手勇敢なヘッドスライディング。
男らしいと思ったプレーで、私はそれ以来スライディングというものに
とくに興味をもった。

結果はアウト。多部田選手は治療で何針か縫って試合に出場。
そして・・・

延長12回、江川さんは土屋さんとの勝負に負ける。
押し出しの四球。

やったーという気持ちと・・・
作新学院のチームって・・・。

なんかバラバラな印象をもった、野手と投手の信頼関係などないような。

2度の絶対的投手の江川さんの敗戦をみて。
野球は、一人が良くても勝てないんだということをまざまざと知った。

精神力と闘志。
これも必要だと。

小学校4年の夏の収穫は大きかった。





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