2015:A代表:アジアカップ:中立:vsパレスチナ「10香川 真司躍動も7遠藤 保仁不在時のサッカーに不安」その2

2、得点経過の分析と感想

日本:1-0:7遠藤 保仁(10香川 真司)

経過

風の影響で、ゴールキックもDFに預けてビルトアップ。
そこからパレスチナのFWとMFの間のスペースにポジションを取るというシステムの狙いであるポジションの階層により隙が生まれた。
これに対しパレスチナは、ボールを持った10香川 真司に寄せに行くも距離があったために中途半端になってしまう。
サイドを寄せに行くと言う手段を取っていたが、その結果、7遠藤 保仁にフリーでボールが渡る。
先ほどの流れの関係で、10香川 真司が、受けたシーンよりスペースが出来てしまった。
この結果寄せに間に合わないどころか、シュートコースすら入れず、一番危険な所にシュートを打たせてしまった。
その結果、7遠藤 保仁のゴールが生まれた。

コメント

これは、明らかにパレスチナの失策。
システム徹底面も不十分で、プレスに行くならより激しくいかないといけないし、このシーン程度の寄せならゾーンで守り、スペースをケアしないといけない。
実際に7遠藤 保仁の前にシュートを打って下さいという様な広大なスペースがあった。
パレスチナのマークの面でも甘く、守備戦術及び個の判断力共に甘さを感じた日本の得点であり、パレスチナの失点である。
勿論、10香川 真司が、マーカーからするすると離れてフリーで、受けたという点も大きいが、そういったシーンを作ってしまったパレスチナの守備の組織力の甘さは、否定できない。

日本:2-0:岡崎 真司(10香川 真司)

経過

これも最終ラインのビルトアップから裏への一本のスルーパスが、オーバーラップした5長友 佑都に通る。
3バック気味のフォーメーションを布く、パレスチナのサイドのスペースを突いたシーン。
世界レベルのスピードとドリブルの力強さを止めるだけの力が、パレスチナには、欠けており、クロスを5長友 佑都に許す。
この時、ほぼDFメインで、カウンターの含みを持った対応をしたパレスチナ。
5長友 佑都のクロスに21酒井 高徳が、触ってループパスみたいな形になる。
触らないままだとクリアされていた。
この時、7アルファワグラが、スペースを消す動きを怠っていたが、守備を徹底としていないチーム戦術上仕方ない。
その結果、捉えにくい2列目の飛び出しによるボールの毀れ球の先に出現した10香川 真司が、ダイレクトシュートを放つ。
これに9岡崎 慎司が、驚異的反応をみせ、頭を少し動かして、軌道をかえて、ゴールに突き刺した。

コメント

このシーンもパレスチナの守備戦術の甘さを露呈した。
2列目の飛び出しは、確かに捉えづらいが、そこに7アルファワグラが、ケアしていたらどうか。
チームによっては、そこまで徹底して守備を固めるチームもあるはずだ。
勿論、一点ビハインドという状況で、カウンターを狙うという選択肢に含みを持たせるのも理解できる。
しかし、試合を通して、カウンターに切れ味があるかと言われれば、残念ながらなかった。
日本の豊富な運動量と連動した組織的守備及び個の力に圧倒されていた。
このシーンに見る限りバランス重視という戦いというのが、分かったが、ボールウォッチャーになるという中東特有の弱点を露呈したここまでの失点シーン。

日本:3-0:4本田 圭佑(PK)

PKを貰ったシーンは、シュートコーナーの流れからであったが、ここも10香川 真司の動きに翻弄されてのファールだった。
このシーンは、そこまで特筆する動きではないものの10香川 真司のフリーランが、どれだけ利いているか証明するに十分なシーンの数々である。
そして、PKの方は、4本田 圭佑が、先に動いたGK21ラムジ・サラーの逆をついてしっかり決めてくれた。

日本:4-0:22吉田 麻也(10香川 真司)

経過

7遠藤 保仁の機転を利かしたショートコーナーを10香川 真司が受ける。
ここで、ペナルティエリア内の角度の無い所から角度のある所でドリブルすると見せかけ、20アブハマドを釣り出したタイミングでのターンで、完全に振り切る。
そして、ここで10香川 真司は、中を見る事なく、すぐに速い弾道で、くジャンプすれば届くクロスを入れる。
その結果、高身長を誇る22吉田 麻也がその先で、ジャンプし、頭でコースを変えて、得点。

コメント

まず、7遠藤 保仁が、このシーンに限らず、ショートコーナーを多用した理由として単純に高さでは、パレスチナに分があるかであるという点。
もう一つは、10香川 真司の動きにパレスチナがついてこれていない点。
他にもあるかもしれないが、この2点は、しっかりとした事前研究の下、決まり事であった事の想像するに容易くない。
逆にパレスチナ試合通しての攻守での日本対策の作戦が、不十分なのは確かであった。
この辺り、試合前から大きな差があった事は、間違いないだろう。

そして、特筆すべき10香川 真司が、中を見ずにクロスを入れたという判断。
これは、セットプレーの流れで、中に人数が居る事とポジションが、分かるので、中を見るだけタイムロスになる。
こうして考えれば当然の判断ではあるが、そういった状況判断が、この試合10香川 真司は、際立っていたという事を証明する多くのシーンの一つが、全ゴールに見られた。

その3に続く。

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