2015:A代表:親善試合:H:vsウズベキスタン「変化がより見えた2戦目」その4

4、試合考察

4-1:選手起用に関する考察

2試合で、GKを除いてすべての選手を起用した。
アピール不足の選手も居たが、持ち味を発揮し、活躍した選手が居た。
こういった思い切った起用から選手を良くリサーチがされてる。
推薦された選手の特徴聞きつつ、色々な角度から人選をしたのではないだろうか。
その選手たちを全て使うという点では、前任のアルベルト・ザッケローニ監督とハビエル・アギーレ・オナインディア監督らとは、一線を画する。
実績のある選手と自分の好みの観点から勝負に徹したのに対し、ヴァヒド・ハリルホジッチは、色んな選手を育成する事も視野にする事で、色んな選手を起用する采配が取れた。
今後は、入れ替え少なくだろうが、勝利と育成の両立が可能か注目していきたい。

4-2:縦への意識に関する考察

確かに今までの日本代表を見ていると、パスを回して崩すというイメージが強い。
ドリブルで崩したり、速攻でのカウンターというイメージは無い。
そういった日本代表だけあって、楔形パスにミスが散見されるケースが多かった。
しかしやはりボール回して、シュートまで行けても自陣深くに引かれて、シュートコースを限定されて防がれるというシーンが多かった。
ただ、縦への意識をする上で、重要なのがポジショニングである。
この試合の前線のメンバーは、そういった能力が高く、上手くパスを受けて効果的攻撃に繋げられていた。
逆に前の試合の前線のメンバーは、連動性にかけて、単調な攻撃となってしまっていた。
そういった意味で、世界を経験した選手と世界を経験してない選手とはでは、明確な違いがあるようだ。
そういった部分をハリル監督が植えつけて、世界基準のサッカーまで向上させてほしい。

4-3:シュート意識に関する考察

この試合での日本は、シュート意識が高かった。
今までの日本なら繋ぐような場面でも積極的に狙っていた。
ここも今までの日本との明確な違いである。
前項通り、速さへの現れの一つであり、分かり易い変化の一つである。
ただ、一方で、Jリーグ自体こういったシュート意識が低い事には理由があり、試合を見て頂ければ分かるが、シュート精度やシュートテクニック、シュート力といった部分で、欧州などに比べて劣っている。
この試合の28青山 敏弘の様なミドルシュートやロングシュートを決める事が出来る選手は稀であり、もしかするとそういった選手の選考もある可能性は十分ある。

4-4:プレースキッカーに関する考察

まだまだ思案中の様である。
日本の武器の一つであったセットプレー。
しかし、その得点が減る可能性がある様に感じていたが、実際に減りつつある。
それは、遠藤 保仁の代表招集見送りや4本田 圭佑が、ぶれないボールに変わった影響で、得点力が落ちているからである。
そう考えた時にキッカーを誰にするのか?
そういった考えに至るのは、細部まで指導し、決めているハリル監督なら考える点であるだろう。
やはり世界のトップを目指す上で、その部分は、クリアにしておくべき課題であると言える。

4-5:25水本 裕貴の起用法に関する考察

Jリーグでは、珍しい起用法だった。
アギーレ監督もやろうとしていが、ボランチの底の所に選手を潰す役としてCBを起用する事。
そのバイタルエリアで、高いボール奪取力などを活かし、相手の攻撃的選手に自由にさせないという狙いがある。
アジアレベルでは、あまり効果が無い可能性があるも欧州や南米の強豪相手ならば十分効果があり、高いレベルで、守備システムとして整備して、ものにしておきたい点である。
世界規格では、バイタルエリアはシュートレンジであり、大きな得点の生まれるポイント。
そこを整備する事による堅い守備を築く事ができる。
この試合では、25水本 裕貴が、ハリル監督の起用意図を理解できておらず、不味い動きが目立った。
今後上を目指す上で、ハリル監督と25水本 裕貴が、意図とプレーが共有させていきたい。

5、満足度

6点(10点満点)

スコアや内容や多くの選手を起用してくれた事だけ考えれば満足だが、相手が2軍に近かった事や準備期間が足りないことを考えれば、まだだま不満な点は多い。
この2試合でハリル監督の手腕は疑う余地はないが、それでも厳しい条件であり、より厳しくなりそうなW杯出場の切符を手にすることが出来るのか。
そういった部分が不満と言うより不安。

日本から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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