2015:J2:14節:A:vsアビスパ福岡「より高みを目指して」その3

4、試合考察

4-1:何故10千明 聖典から17島田 譲になったのか

10千明 聖典が、良かった点を振り返ってみよう。
実は、開幕してしばらくは、守備で主に目立っていた。
相手の攻撃に対して、的確なポジショニングで、セカンドボールを回収し、パスコースを消す事で、相手のボールロストを誘発した。
攻撃では、少ないシュートチャンスが確か3度ぐらいあったが、内決定機は1つ。
そこは、決めきれなかった。
後は、枠外やシュートブロックに遭い、防がれた。
裏へのスルーパスやパス交換からの崩しにも関与した場面があり、スポeもんでもピックアップされる事もあった。
ただ、開幕戦では、ボールに触ると言うよりは、守備に専念していた。
最終ラインから一本のパスで、決定機を演出する事が多くなったため縦に速く、中盤を経由する回数が減った。
相方を務める事が多かった8渡邊 一仁は、ピッチを駆け回る事もあり、中心にどっしり構える事が多かった10千明 聖典。
これで、攻守のバランスを保ち、試合を作った。

しかし、開幕当初とは違い、各チーム岡山対策が進んだり、対3バックの明確な攻撃のヴィジョンが見えず、1失点と頑張っている守備をしり目に攻撃に苦しんだ。
主な攻撃の不発の原因として、最終ラインからのロングパスに対してのターゲットタイプが、存在しなかった事が一つ。
前線からのハイプレスにより精度を欠いた事がもう一つ。
特に前者に関しては、楔形のパスを受けるためのポジショニングや動きを引き出す動きが不足しており、引いてスペースを消す相手や攻守の切り替えの速いチームに対して、攻め手を欠いた。

こうした背景もあり、守備力を下げてでも、攻撃力を上げるという選択した事により17島田 譲をチョイスした。

彼の特徴が発揮されれば、どういった変化が生まれるのか。
悪い点から上げれば、ボールを失わないテクニックや俊敏性に欠ける事があり、悪いボールロストの可能性が高まる。
また、奪取力は高いものの危険の芽を消すポジショニングや守備のバランスを取るという技術に欠ける点が、短所である。
しかし、守備は、ここまでJ2トップクラスで、これ以上良くしても勝つことに繋げる事は難しい。
土曜のスポeもんでの監督インタビューでも流れからの得点は、トップクラスという事を考えても、セットプレーや泥臭いゴール、スーパーゴール。
こういった色んな形からの得点を増やす事と、流れからの得点を増やして、流れからの得点のJ2ナンバーワンを目指すという流れは、必然である。

では、良い効果は、楔形のパス。
つまり、縦へのパスやサイドチェンジといったロングレンジのパスが増える点である。
また、強力なロングシュートやミドルシュートを狙える破壊力抜群の左足のシュートを持っている。
こういった長いレンジのシュートやパスを可能としているのは、強靭なフィジカルがあるからである。
そのため足が太く、機動性を欠けている弱点もある。
ただ、オーバーラップという攻撃性も加わって、嵌れば攻撃力アップは、期待できる。
セットプレーの面でもキッカーを務める事の出来る力があり、そういった部分でも大きなプラスである。

チームとしての効果として

1、縦へのパスが増える(この試合で多かった)。
2、得点のパターンが、多彩となる。
3、攻撃の始点が増える。
4、スコアに繋がる動きが増える(悪い意味でも良い意味でも)

3の面を補足すると、最終ラインに入って、ビルトアップの段階から参加するケースの多さにそれがある。
ロングレンジのパスが可能なので、そこから効果的パスが期待できる事もあり、チャンスメークが期待できる。

4-2:15三村 真のWB定着

彼が長い時間プレー出来れば、どういった利点があるのか。
そこに着目すれば彼のスタメンは、必然である。
データから見れば一目瞭然で、岡山のドリブル数とクロス数は、リーグワーストレベルである。
ここの部分で、15三村 真の武器で、そこの数を増やせる選手である。
昨季もGW辺りから影山 雅永元監督の信頼を勝ち取り、一気にドリブルランキング上位にランクインした時期もあった。
岡山では、数少ない仕掛ける意識と実力を持っている。
怪我で、出遅れた分、慎重に調整し、徐々にコンディションも上がって来た。
今後は、コンディションを上げ、フル出場を目指して行き、チームに貢献して欲しい。
昨季終盤は、コンディションや対策が進み、持ち味のドリブルで、突破できなくなっていたので、そういった如何に敗れるか。
また、チームとして、彼をどれだけ生かせるか。
そこが、死活問題である。

その4に続く。

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