2015:J2:30節:H:vsアビスパ福岡「原点回帰と結束」その2

2、得点経過

H:岡山:1-0:9岡本 英也(33伊藤 大介)

経過

福岡の1中村 航輔は、ゴールキックを17ウェリントンの目がけて蹴る。
そのボールを35岩政 大樹がクリアすると流れからセカンドボールを岡山の選手が回収。
ある程度繋いで、33伊藤 大介の所に来た時に、33伊藤 大介はサイドの21加地 亮へ預けて、スペースへパス&ゴーを仕掛ける。
21加地 亮は、フリーだったのでボールを持って、33伊藤 大介のマークに走っていた18亀川 諒史が、足を緩めたタイミングで、スペースへスルーパスを出す。
これを33伊藤 大介は、ダイレクトでクロスを入れて、9岡本 英也は、26田村 友の前に出る動きから後ろに回る動きに切り替える。
そこに丁度、26田村 友の後方へと落ちるピンポイントのクロスとなり、これを9岡本 英也がしっかり決めて、岡山の得点。

分析

基本に忠実な流れのゴールかと思います。
33伊藤 大介は、パス&ゴーのフリーランで、マークを振り切って、そこから精度の高いクロスを入れた。
9岡本 英也も26田村 友の前に行くと見せかけて膨らむ動きで後方に離れて、マークを外すFWらしい動きで、落下点に入ったのは、見事でした。
33伊藤 大介の右足というのは、開幕戦の頃から良いボールを蹴っていたが、なかなかその右足の精度を活かす場面を作れなかった。
そういった試合が続いた中で、この試合では、その右足からアシストを記録した。
記録には、残らない運動量の多さというのは、33伊藤 大介にあり、それが、実を結んだアシストだった。
9岡本 英也は、岡山に来ての初ゴールであり、その動きの質の高さというのを証明する事が出来たので、今後も勝利に繋げるゴールに期待したい。

3、試合考察

3-1:勝利を呼び込んだ結束力

選手のミーティング後の勝利に監督の求心力や影響力が希薄するのではないかと危惧した記事を書いたが、それが的中して8試合勝利がなかった。
恐らく、長澤 徹監督と選手達が、その対話を繰り返し、成長して乗り越えた上での勝利である。
攻撃にシフトして勝利して、次の試合で、守りたい監督と攻めたい選手達の意識の違いで勝ちの逃し、次の試合から攻守のバランスが崩れて、守備が崩壊し、勝てない試合が続いた。
その中で、長澤 徹監督は、選手同士のミーティングの意向を対話により酌んで、ズレを修正して、調整する作業を繰り返した。
新人監督である長澤 徹監督は、経験不足により、その調整に時間がかかったが、強い信念で、粘り強く指導を続け、この試合での勝利を呼び込んだ。
恐らく、フロントとの対話で、自分達を信じてくれというやり取りがあったのではないだろうか。
そういった経緯を経て、フロントとしてもチームをバックアップし、二人の選手の補強に至ったと考えるのが筋であり、そう感じさせる得点後のチームの喜び方であった。

3-2:前兆のあった札幌戦を経ての原点回帰

札幌戦までの深刻な状況から一転劇的勝利となった。
深刻な得点力不足に陥った事と、深刻な守備崩壊したが生じた事。
この2点を考えて、深刻な状況と書いたが、そういった状況が自分達のサッカーを見詰め直す事ができて、35岩政 大樹を中心とした守備から入るサッカーに原点回帰した。
監督として、選手のやりたいサッカー。
これを素直に受け入れて、勝利に辛い守備を中心としたサッカーから、選手のやりたい攻撃的サッカーをやろうという事で、前節までの状況になった。
それによって、チームとしてのまとまりを失い、勝ち点を失い易い状況に陥った。
選手達の攻めたいサッカーに、守備的な監督である長澤 徹監督は、それによって得たリードを活かして、勝利しようという采配を見せていたが、なかなか結果がでない状況だった。
そこで、監督して出来る事と選手たちの攻撃的姿勢。
これを上手く調整して、5位の福岡にも互角の試合が出来るチームへと変貌させ1-0で、劇的勝利が生まれた。
札幌戦の0-0という試合での粘り強い守りにより、無失点に抑え勝ち点を得た事で、自分達のサッカーというのに原点回帰し、完成して、9試合ぶりの勝利となった。

3-3:24矢島 慎也がフィットと17島田 譲のスタメン奪取

バランスを崩した要因となった24矢島 慎也のボランチ起用。
危険なボールロストが多く、失点に繋がるショートカウンターという危険なシーンが多かった。
しかし、DHでのボールの重要性を学習し、そのボールロストが減った。
そこに持ち味である縦へのパスから、ゴールに迫る攻撃に繋げるという持ち味を発揮できるようになった。
まだまだボールロストが目立つが、ある程度安心できるレベルとなった。
この試合でもパスワークにアクセントとなる創造性のあるパスを再三見せており、そこにしっかり通す高い技術のパスで、チームの攻撃を引っ張った。
運動量も多く、献身的な守備を見せて、ボランチとして着実に成長している。

また、17島田 譲は、24矢島 慎也と一緒に積極的に攻撃参加し、厚みのある攻撃に繋げた。
ゴール前まで上がって、積極的に攻撃参加しシュートを放つなど、その攻撃意識の高さにより、シュートを打たない責任転嫁のパス回しからのボールロストというのが減り、シュートで終える事ができた。
これは、攻守のバランスを保つ上で大きく、10千明 聖典と8渡邊 一仁のボール奪取力ではなく、チームとしての守備力向上に繋がった。
しばらくこの二人のボランチで行く可能性は高そうである。
ただ、今後スタメンとして定着するためには、サイドチェンジなどの精度を上げて、ミスを減らしていくことも必要である。

そして、7黄 辰成(ファン・ジンソン)の加入で、この試合の様に前線に上げる采配というのも減る可能性も高く、この状態が続けば、二人が組んでいく可能性は高い。
二人で組む試合を重ねる中で、攻守のバランスを巧く取り、勝利に繋げていきたい。

その3に続く。

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