2015:J2:35節:H:vs水戸ホーリーホック「好調の要因と来季への課題」その2

2、レビュー

2-1:3年ぶりの津山開催

津山開催は1勝1分3敗と勝率は実は良くなかった1戦。
前回までの状況と違い近場の臨時駐車場が利用できないという事で、少し距離を歩かないと行けなかった。
私自身その辺り戸惑ったが、比較的近い津山工業高等専門学校に止める事が出来た。
私の知人は、8時ぐらい付いた方もおられ、近場の駐車場に止められたみたいです。
しかし、やはり岡山県内とはいえ、スタジアム規模や利便性の悪さという事であり、Cスタ程の観客は入らなかった。
また、このスタジアムは現状の環境では、J1での試合は開催できない。
もし、J1定着する事が現実的となった場合、県外での開催を避けるためにもこのスタジアムの改築や新スタジアムの建築も検討すべきであり、岡山サッカー界を取り巻く課題と言えるだろう。

2-2:試合開始から見えるハードワーク

攻撃では、スペースへ走るというフリーランとサイドの上下動。
守備では、前線から始まる中盤と連動したハイプレスと寄せ。
この試合では、攻守での走る質と量が際立った。
それは、サイドチェンジの成功率に現れ、水戸のサイドチェンジが成功率が低かったのに対し、岡山は逆に成功率が高かった。
岡山のプレスに対するプレッシャーにより、水戸のパスの質を狂わる事が出来た事で、ミスを誘発する事が多かった。
逆に岡山は、しっかり走るべき所へ走っており、ゴール前へのパスを引き出す事が出来ていた。
この様に走力は、パスの精度と連動性をより高め攻守でアグレッシブさを生み出す事が出来る。
試合開始から中盤までは、これを岡山が実践出来ていた。

2-3:裏のスペースへ

ボール奪取後は、すぐに前線へのパスを出し、裏を狙う。
これがチームの共通意識となっており、ここ数試合を見ても的確に嫌な所を突いている。
調子が悪かった時期には、攻撃時に受ける側のポジショニングが悪く、良い場所を探す運動量が少なく、ボールロストに繋がる事が多かったが、この試合も岡山は、その点が良かった。
逆に水戸は、岡山DFのラインコントロールに苦しみオフサイドの山を築き、裏に通せずカウンターからのミドルシュートが多くなった。
その結果、シュートまで至っていても決定機をなかなか作れなかった。
対照的に岡山は、シュートまでは至らなくてもシュートの手前まで行く形を多く作り、水戸に脅威を与えていた。
それが、このスコアの差となった。

2-4:必然的先制点:H:岡山:1-0:24矢島 慎也(PK)

前線へオーバーラップした24矢島 慎也へのスルーパスへの水戸の17新里 亮が、24矢島 慎也を押して倒してしまった事で、岡山がPKを得た。
24矢島 慎也のPKは、1本間 幸司に読まれて触られるも気持ちが乗ったボールは、そのままゴールに吸い込まれて、岡山の先制点。
前述で述べた通り前への意識は高く、33伊藤 大介の惜しいロングシュートの様に裏へのパスとシュートコースがあればシュートという意識は高く、このシーンもそのスペースへ、しっかりボランチの24矢島 慎也が上がった事で生まれた。
これは偶然、39篠原 弘次郎からスルーパスが出た。
偶然、24矢島 慎也がそこに走っていた。
偶然、17新里 亮がファールで倒してしまった。
否、そうではなく、全てチームとしての共通意識の下に生まれたPKであり、必然的なPK獲得からのゴールである。
実際にこのPKを獲得する前のシーンから、39篠原 弘次郎がオーバーラップを試みており、19片山 瑛一がターゲットとして潰れたプレーもあった。
PKを貰う前の流れで、24矢島 慎也も前へのパスからオーバーラップを仕掛けていた。
その動きを察知した39篠原 弘次郎は、精度の高い右足からのスルーパス。
この様に各選手が、持ち味を発揮しており、高い連動性を持ってプレーを出来ているのは、確かである。

2-5:後半も衰えない運動量:H:岡山:2-0:14押谷 祐樹(33伊藤 大介)

夏場に見られた後半に入ると目に見えて下がる運動量の低下は見られず、後半も走力が目立った。
実際後半に入ってもしっかり走るというプレーを何度も繰り返し見られた。
追加点もその形からで、33伊藤 大介が、裏へのスペースを窺う14押谷 祐樹の動きを見逃さず、GKとDFの間を抜ける完璧なスルーパスを4押谷 祐樹に通した。
後は、14押谷 祐樹が、上手い1タッチでのシュートで浮かせて1本間 幸司の上を超えて行くシュートを決めて、岡山追加点。
綺麗なピンポイントでのスルーパスからの14押谷 祐樹の得点。
33伊藤 大介と14押谷 祐樹の真骨頂の素晴らしい得点の流れでした。

2-6:畳みかける追加点:H:岡山:3-0:14押谷 祐樹(39篠原 弘次郎)

群馬戦同様に電光石火の追加点。
中盤戦の鬱憤からかこういった爆発力が今の岡山にある。
何より凄いのが39篠原 弘次郎のフィードの精度。
ロングパスがスルーパスとなり、14押谷 祐樹も激しいプレッシャーを受けて倒れそうになりながらシュートを放ち、1本間 幸司は、一度は弾くもこれもボールに気持ちが乗っており、後方に飛ぶ。
1本間 幸司も懸命に取ろうとするが掴みきれず、ゴールに吸い込まれる。
試合後のインタビューで防がれたと思っていてラッキーなゴールだったという通り、座り込んでいたが、ゴールになった瞬間に手を上げて喜んだ。

その3に続く。

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