2017:U-20W杯:ラウンド16:中立:vsベネズエラ「消極的采配で流れを失い敗れる」

日本vsベネズエラ:0-1
得点者:8ヤンヘル・エレーラ(16ロナルド・ルセナ)

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

日本

監督

内山 篤:4.0

スタメン

13岩崎 悠人:2.5、18高木 彰人:2.5
8三好 康児:3.0、7堂安 律:2.5
16原 輝綺:3.0、17市丸 瑞希:2.5
15杉岡 大暉:2.5、3中山 雄太:2.5、5冨安 健洋:2.5、2藤谷 壮:2.5
1小島 亨介:2.5

リザーブ

GK:12波多野 豪、21山口 瑠伊
DF:4板倉 滉、6初瀬 亮、19船木 翔
MF:10坂井 大将、11遠藤 渓太
FW:14田川 亨介、20久保 建英

途中交代

8三好 康児→11遠藤 渓太:3.0
18高木 彰人→20久保 建英:2.5
17市丸 瑞希→4板倉 豪:3.0
13岩崎 悠人→14田川 亨介:評価不可

 

ベネズエラ

監督

ファリアス:1.5

スタメン

9ロナルド・ペーニャ:2.0
7アダルベルト・ペニャランダ:2.5、10ジェフェルソン・ソテルド:2.5、19セルヒオ・コルドバ:3.0
16ロナルド・ルセナ:2.0、8ヤンヘル・エレーラ:1.5
5ホセ・エルナンデス:2.0、2ウィリアムス・ベラスケス:2.0、4ナウエル・フェラレーシ:2.0、20ロナルド・エルナンデス:2.0
1ウイケル・ファリニェス:2.0

リザーブ

GK:12ジョエル・グラテロル、21ラファエル・グラテロル
DF:3エドゥイン・ケーロ、17ジョシュア・メヒアス
MF:6クリスティアン・マクーン、14エベル・ガルシア、18ルイス・ルイス
FW:11ロナルド・チャコン、13ハン・ウルタード、15サムエル・ソサ

途中交代

7アダルベルト・ペニャランダ→11ロナルド・チャコン:2.5
10ジェフェルソン・ソテルド→18ルイス・ルイス:評価不可
19セルヒオ・コルドバ→15サムエル・ソサ:評価不可
9ロナルド・ペーニャ→13ハン・ウルタード:評価不可

2、得点経過

ベネズエラ:0-1:8ヤンヘル・エレーラ(16ロナルド・ルセナ)

 延長後半の立ち上がりにベネズエラのセットプレーが続く。16ロナルド・ルセナが左CKを蹴ったボールは、5冨安 健洋の8ヤンヘル・エレーラへのマークがずれる絶妙なボールで、8ヤンヘル・エレーラに比較的フリーでヘディングシュートを打たれる事に繋がった。1小島 亨介が飛びつくも届かず、ゴールが決まってベネズエラが先制。
 高さでは、ベネズエラに分があり、この前のシーンでも危ないシーンがあったので、ある意味必然的失点と言える。ただ、ここまで辛抱していただけに悔しい失点。結局これが決勝点となったが、今大会無失点の試合はなく、世界で戦う上で足りない物が多い事を体感し、経験できた事は、収穫だったと思います。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

日本

攻撃評価:C
守備評価:B
采配評価:E
総合評価:C

ベネズエラ

攻撃評価:B
守備評価:A
采配評価:A
総合評価:A

文章評

 ラウンド16での敗退となったU-20日本代表。9小川 航基を怪我で欠いた中で、辛うじて3位で通過できましたが、やはりエース抜きでの勝ち上がっていく力まではなかった。世界水準のプレーを経験出来ていなかった事で、グループリーグは、毎試合失点して来ました。この試合では、グループステージでの経験を活かし、90分間は、無失点に戦う事ができました。それだけにある采配が残念でした。
 それは、どういった采配かというと、17市丸 瑞希を下げたシーン。確かにベネズエラの攻勢を受けていましたが、まだ、0-0という状況で、攻撃のスイッチとなる縦パスを何度も通せた選手を下げてしまった。この交代により、DHから縦へのパスがほとんど通らなくなり、20久保 建英を活かし切れなかった。この世代は、アジア大会の時もそうでしたが、受けて立つ側面が強い。
 そこが悪い訳ではないですが、大事なのは、バランスかと思います。10坂井 大将を投入するか16原 輝綺の方と変わるべきであったと思います。この采配により、日本は流れを完全に失い形が出来なくなってしまいました。
 早い段階での積極的な采配と本来言えるのかもしれませんが、采配自体は消極的と言わざる得ないでしょう。これが、リードしていれば、また違ってきますが、スコアレスという状況でした。
 一方で、ベネズエラのファリアス監督は、辛抱強く温存し、最後は交代で、積極的に時間稼ぎを行いました。本来であれば、消極的な采配とも言えるかもしれませんが、この試合に関しては、素晴らしい采配であったと思います。

 今大会良い意味でも悪い意味で、目立った選手として5冨安 健洋を挙げたいと思います。開幕戦で、オウンゴールに絡んでしまいましたが、守備の局面局面でのデュエルというシーンが多く、非常に貢献度は高かったです。左右そして空中とあらゆる場面で積極的に守備のアタックを仕掛けて、危険の芽を摘み取る事が出来て居ました。
 残念ながら最初の失点と最後の失点に絡むという残念な結果ではありましたが、身長を考えてもA代表で、早く見たい逸材だと思います。所属クラブの監督がアジアの壁の井原 正巳監督という事で、これからの成長が楽しみです。可能であればA代表の吉田 麻也の様に世界で戦える選手に成長して欲しいです。

 そして、なんと言っても7堂安 律。非常に頼りになった選手で、強さ、巧さ、柔らかさを備えていて、攻撃面での貢献度は高かったです。イタリア戦での2戦目は、特に素晴らしく、技術の高さを感じました。そのゴールで、注目度は一気に上がったでしょうし、比較的早い段階で、欧州に挑戦する事ができるかもしれないですね。FKもこの試合では、惜しいのを蹴っていましたし、そういったチャンスがもう少しあればと感じ、勿体なかったです。守備をしっかりこなせて、ハードワーク出来るので、これからの成長が楽しみです。

 また、17市丸 瑞希の攻撃センスは、素晴らしいです。確かにミスパスも少なくありませんが、鋭く縦に付けるパスは、非凡なものを感じます。もう少し、守備面での奪取力であったり、ボールをキープするための強さの向上、そして、プレスを受けてもミスなく繋げるかどうかという点などが、成長すればもっと良い選手になれると思います。まだまだ荒削りではありませんが、この世代のDHの中心としは、欠かせない選手で、東京五輪に向けて、大成して欲しい選手です。

 最後に20久保 建英に関しては、ドリブルは、フィジカル差になかなか成功しませんでしたが、パスに関しては、持ち味を発揮していて、このチームで一番であったと思います。もう少し20久保 建英にボールを集めて、そういったシーンを作る事ができれば、もっと活躍出来たと思います。フィジカル差に戸惑いは、最後まであったと思いますが、そういった経験を積んでいく中で、着実に自分の力に還元し、今大会で、一番成長できた選手であると思います。

 正直な所をもっとみたかったですが、世界との差を痛感出来て、次に繋がる経験も出来たと思います。通じた事と足りなかった事。こういったものが、しっかり整理して、強い日本代表になって欲しい。

試合評

MOM:ファリアス(ベネズエラ)
MIP:17市丸 瑞希(日本)
満足度:6点(10点満点)

日本から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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