2017:天皇杯:2回戦:H:vsFC今治「結果も出せた事に加えて収穫の多かった天皇杯初戦」

岡山vs今治:0-0(延長:0-0、PK:5-3)
得点者:なし
観客数:2,564人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:松本 大:2.5
副審:武田 光晴、小曾根 潮:2.5

H:岡山

監督

長澤 徹:2.5

スタメン

20藤本 佳希:3.0
34石川 隆汰:2.5、10大竹 洋平:2.5
28加藤 健人:2.5、11三村 真:3.0、25武田 将平:3.0、26田中 奏一:3.0
31下口 稚葉:2.5、33張 碩元(チャン・ソグォン):3.0、2澤口 雅彦:2.0
13櫛引 政敏:2.5

リザーブ

GK:1椎名 一馬
DF:3久木田 紳吾
MF:27塚川 孝輝、17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン)、8石毛 秀樹、10大竹 洋平
FW:19片山 瑛一、30豊川 雄太

途中交代

20藤本 佳希→30豊川 雄太:2.5
33張 碩元(チャン・ソグォン)→19片山 瑛一:2.5
28加藤 健人→27塚川 孝輝:2.5

 

A:今治

監督

吉武 博文

スタメン

11佐保 昂兵衛、10桑島 良汰
13玉城 峻吾、29可児 荘隆、24三田 尚希
25楠美 圭史
22宮本 和輝、6中野 圭、18小野田 将人、7片岡 爽
21今川 正樹

リザーブ

GK:31クラッキ
DF:23斎藤 誠治
MF:4岡山 和輝、5金子 雄祐、8上村 岬、19水谷 拓磨
FW:26向井 章人

途中交代

10桑島 良汰→8上村 岬
22宮本 和輝→19水谷 拓磨
29可児 荘隆→4岡山 和輝

2、PK経過

蹴る順番

岡山:先攻
今治:後攻

説明

方向(キッカー側から)
正否:スコア:キッカー(所属):蹴ったコース(備考)

経過

〇:1-0:10大竹 洋平(岡山):右下ゴロ
〇:1-1:24三田 尚希(今治):真ん中上
〇:2-1:27塚川 孝輝(岡山):左下ゴロ
×:2-1:7片岡 爽(今治):右(セーブ)
〇:3-1:30豊川 雄太(岡山):左下ライナー
〇:3-2:6中野 圭(今治):右上(逆)
〇:4-2:19片山 瑛一(岡山):左下ゴロ
〇:4-3:13玉城 峻吾(今治):右下(逆)
〇:5-3:2澤口 雅彦(岡山):左下(触るも弾き出せず)

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

H:岡山

攻撃評価:C
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C

A:今治

攻撃評価:C
守備評価:B
采配評価:C
総合評価:C

文章評

 4年ぶり?のシティライトスタジアムでの天皇杯の試合。対戦相手は、岡田 武史氏が大きく関わって成長著しいFC今治との試合という事で、注目された1戦。岡山は、出場機会の少ない選手を中心にこの試合に臨みました。結果は、PK戦に持ち込み辛うじて勝利という厳しい内容でありましたが、序盤の劣勢を凌ぐと、徐々に形を作れるようになり、ゴールに迫る時間帯も多くなっていきました。攻める岡山と守る今治という構図になっていく中で、崩し切れず、PK戦に突入してしまいました。延長戦まで進んだ事で、怪我で交代する選手や足を攣る選手もおり、非常にハードな試合となりました。PK戦でもそういった試合をものにできたという事は、出場機会の少ない選手をスタメンに起用して臨んだ事を考えると大きな意味があったと言えると思います。

 さて、まずは、今治に関してですが、非常にモダンなチームと感じました。ポゼッションをベースにする中で、状況に応じたポジションチェンジや形がありました。2トップにしたり3トップにしたり、長身である左SBの選手を前線に上げて、ターゲットにする時間があったりなど、変動的なシステムが、確立されていました。攻守の切り替えも速く、パス回す力であったり、運動量といった部分は、素晴らしかったです。PK戦まで持ち込んだ事を考えても非常に、好チームでした。

 岡山の方ですが、まずは、選手起用方法の戦術的な部分に少し触れて後に一部の選手の評に移りたいと思います。
 さてその戦術的な部分は1点だけですが、それは、11三村 真と28加藤 健人のポジションが、逆ではないかという指摘が出て来そうですが、これは、誤植ではなく、戦術的な狙いが勿論ありました。
 まず、1つは、11三村 真という選手は、90分間に加えて、延長戦を戦いきるには、スタミナに不安がある選手だからです。最初からそこで起用していれば、交代せざる得なかったと思います。だからスタミナ温存という狙いが、11三村 真のDH起用にありました。
 そして、2つ目は、その発想がどこから出たか考察すると分かり易いかと思いますが、A代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督の原口 元気の起用した事が関係している部分はあったと考えています。原口 元気と同じように縦へに運んで行く力を期待した部分はあったと思いますが、スタミナ温存と同じだけの効果は、得る事ができませんでした。そこが、苦戦に繋がった理由の1つと言えると思いますが、岡山がこの試合に臨んだメンバーと今治の出来を考えると、勝利出来たのは幸運であったと結論ずけられると思います。

 それでは、選手について述べて行きたいと思います。まずは、再三デビューを期待してきた31下口 稚葉に関してですが、CBとしては、スタメンは、厳しいというのが、正直な感想です。奪いに行く決断力があっても奪いきる奪取力と判断力は、厳しいレベルにあったと思います。あまり攻撃参加していないのに関わらず、裏を取られて倒してしまうシーンもあり、守備は少し不安定でした。個人的には、1つ前で、起用する事が出来て居れば、運動量と技術を生かせていただけに残念でした。CBとしては、厳しいですが、彼を前のポジションで起用できる機会があればと思います。

 2人目は、28加藤 健人です。先ほど少し触れましたが、積極的な左WB起用ではありませんでしたが、運動量とキック技術を生かしたプレーと、ポジショニングなどは、的確で、サイドを上手く機能させることが出来ていました。プレースキッカーとしても決定機を演出しただけではなく、流れからも惜しいシーンを作るなど、好印象を持つことができました。90分間持つ体力こそありませんでしたが、この試合で、見せたパフォーマンスは、ベンチ入りを呼ぶに相応しいプレーぶりであったと思います。今後の活躍と成長が楽しみな選手であると改めて感じました。

 3人目は、34石川 隆汰は、試合の中で、足を攣るなど、戦いきるスタミナなかったものの治療を受けつつも精力的に走り、その姿勢は、岡山のスタイルにマッチしていると思います。前を向いていく推進力もありましたし、スタミナを温存しているのかあまり走らない20藤本 佳希にはない、気持ちよさを持っています。少し倒れる事が多かったので、体幹は鍛えるべきかと思いますが、まだまだ荒削りな部分も多く、もっともっと伸びる余地があるので、楽しみな選手です。

 4人目は、33張 碩元(チャン・ソグォン)に関してですが、空中戦は、もっと強いのではないかと期待してましたが、そこまで強い印象を持つことは出来ませんでした。クリアの判断であったり、精度といった部分は、この試合を見る限りは、レギュラー陣を崩すまでのパフォーマンスではなかったです。手を大きく使ったコーチングとかは、印象に残っています。残念ながら怪我で途中交代してしまいましたが、しっかりコンディションを整えて、レギュラー陣の牙城を崩せるようなパフォーマンスをみせてくれる日が来ることを信じたいですね。

 5人目は、25武田 将平ですが、視野の広さを備えているとは言えない選手と感じました。意表を突くパスは出せず、技術が高いタイプの選手の様です。バックパスや横パスも多く、正確なパスはだせていましたが、そういった状況を作れなければ、なかなか持ち味を発揮できないと思います。相方が、DHに慣れない11三村 真といった事も影響している部分はあるとはいえ、レギュラー奪取に繋がるまでアピール出来かと言えば、厳しかったと思います。

 この試合で、大きくアピールできたのは、奇しくも岡山ユース出身である28加藤 健人と34石川 隆汰であり、ベンチ入りの可能性も高まったと思います。GKを除いて考えられる戦力を最大限導入したメンバーでの試合という事で、難しい試合になりましたが、色んな選手を公式戦で見る事ができた点は、収穫が大きく、今後のリーグ戦に繋がる試合でした。これで、負けなしも継続し、この勢いのまま無敗を継続し、チーム状態を上げていって欲しい。

試合評

MOM:2澤口 雅彦(岡山)
MIP:13櫛引 政敏(岡山)
満足度:6点(10点満点)


岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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