2017:J2:32節:H:vsFC町田ゼルビア「勝利へ必要なストライカー2人の起用法」

岡山vs町田:1-1
得点者:10大竹 洋平(16関戸 健二)、35大谷 尚輝(18平戸 大貴)
観客数:8,546人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:清水 勇人:4.0
副審:櫻井 大輔、熊谷 幸剛:2.5

H:岡山

監督

長澤 徹:2.5

スタメン

18ニコラス・オルシーニ(オルシーニ):2.5
30豊川 雄太:3.0、7伊藤 大介:3.0
11三村 真:3.0、27塚川 孝輝:3.0、16関戸 健二:2.5、2澤口 雅彦:2.5
14喜山 康平:2.5、39篠原 弘次郎:2.5、19片山 瑛一:2.5
22一森 純:2.5

リザーブ

GK:13櫛引 政敏
DF:3久木田 紳吾、21加地 亮
MF:5渡邊 一仁、8石毛 秀樹、10大竹 洋平
FW:24赤嶺 真吾

途中交代

18ニコラス・オルシーニ(オルシーニ)→24赤嶺 真吾:3.0
7伊藤 大介→10大竹 洋平:2.5
11三村 真→3久木田 紳吾:評価不可

 

A:町田

監督

相馬 直樹:2.5

スタメン

30中島 裕希:2.5、9鈴木 孝司:3.0
23戸島 章:2.5、32戸高 弘貴:3.0
29森村 昂太:3.0、15井上 裕大:3.0
19松本 怜大:2.5、25増田 繁人:2.5、5深津 康太:2.5、10土岐田 洸平:3.0
21高原 寿康:2.0

リザーブ

GK:碓井 健平
DF:35大谷 尚輝
MF:2奥山 政幸、14吉濱 遼平、18平戸 大貴
FW:11中村 祐也、17遠藤 純輝

途中交代

29森村 昂太→18平戸 大貴:2.5
10土岐田 洸平→35大谷 尚輝:2.5
9鈴木 孝司→11中村 祐也:評価不可

2、得点経過

H:岡山:1-0:10大竹 洋平(16関戸 健二)

 岡山が、良い形の1次攻撃をGK21高原 寿康のファインセーブで防がれます。セカンドボールを拾った岡山が、後ろでしっかり繋いでサイドを変えて、楔形パスを入れます。パスを受けた24赤嶺 真吾がポストプレーで、サイドへ展開するとそこに走り込んでいた16関戸 健二がフリーで受けます。16関戸 健二は、中をしっかり見て狙いすましたクロスを入れます。これに10大竹 洋平が後ろからクロスの落下点に走り込んで、叩き尽きるヘディングシュートを放ちます。慌ててスライドしていた21高原 寿康の体を僅かにそれて、ゴールに吸い込まれて岡山先制。

 この得点シーンでは、24赤嶺 真吾、味方を活かすプレーで、2次攻撃と1次攻撃のどちらの場面で関与していました。一見地味なプレーですが、1次攻撃では決定機に繋がり、2次攻撃では得点にそれぞれ繋がっており、やはりチームの攻撃の要と言えると思います。残り試合で、こういった彼のポストプレーでのチャンスメークで得点を1点でも多く奪い、得失点差を含めて、勝利に繋げていく戦い方が、プレーオフ以上に食い込む事ためには必要な事と言えると思います。また、チームの目標としてプレーオフ以上を目指してに戦っていく事は、決して無茶ではないと思いますし、十分実現可能だと思います。

A:町田:1-1:35大谷 尚輝(18平戸 大貴)

 終盤に町田のCKが続いたシーン。クリアするも押上げが出来ず、セカンドボールを拾われて波状攻撃を受けるほどに押し込まれていました。そして、18平戸 大貴の蹴った左CKのボールにニアでの35大谷 尚輝の打点の高いヘッドが決まって、同点に追いつかれしまいました。

 岡山にとってこの高さを跳ね返すだけの高さがありません。したがって、チームとしては、セットプレーの回数やクロス回数を減らすしか失点を防ぐ手段が無く0に抑える事はなかなか難しいと思います。実際に、クロス0本、セットプレー0というのは、極めて困難であることが、完封の少なさという結果が示しています。それでもチームとして、その失点を減らすために岡山も対策を練る事により、終盤の失点を1失点に抑える事が出来ています。しかし、やはりクロスとセットプレーが0というのは、シュート0本に抑えるより難しく、失点止む無しと感じると同時に、岡山にも高さを活かしたセットプレーでの得点を狙える高さが欲しいと感じました。
 そう考えると、18ニコラス・オルシーニや9金 宗旻の補強は極めて自然であると思いますし、そういった部分での活躍に期待したいところです。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

H:岡山

攻撃評価:C
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C

A:町田

攻撃評価:C
守備評価:B
采配評価:B
総合評価:B

文章評

 24赤嶺 真吾の怪我での離脱後に勢いに乗り切れず、勝ちきれなかった岡山が、その24赤嶺 真吾が怪我からリザーブに戻って来て、岡山が久しく勝っていない町田をホームに迎えての試合。対して、町田も昨季は岡山との順位が拮抗しており、岡山を超えて、ステップアップを狙うべく、岡山に乗り込んできた試合。上位が足踏みしつつもそれ以上に岡山が勝てていないので、連勝して相手が連敗してくれないとプレーオフ圏内が、厳しくなりつつあるので、勝ちたかったですが、この試合でも終了間際に失点して、引き分けに終わってしまいました。追加点をこの試合で奪えなかったので、今回は、ストライカーの2人である18ニコラス・オルシーニと24赤嶺 真吾にスポットを当てて考察したいと思います。

 まずは、18ニコラス・オルシーニですが、裏への推進力があるので、ゴールに迫っていく迫力があると思います。スピードとパワーを活かして、シュートまで行く力強さは、本当に素晴らしいです。ただ、複数得点に繋がらないのは、チームとしての連携面と技術的問題と言えると思います。彼の最大の特徴であるスピードを活かすには、速攻が一番ですが、岡山が苦手としている形なので、ロングパスを放り込む形がメインになります。現状これでも形になるので、近年のシーズンの補強では、当たりと言えると思います。
 ただ、なかなか隙であるスペースを開けてくれるチームは少なく、これだけではなかなか難しいです。個の力での単独突破は難しく、やはり、チームでの崩しが必要になりますが、現状は、完成度はまだまだ低そうです。
 それでも攻撃のベクトルが常に前を向いているので、チームとしては、シンプルなロングパスで圧力をかける事が出来るので、優勢に感じて、攻撃が機能しているとも錯覚するぐらい対戦チームによっては、効果的かと思います。
 このイメージをより研ぎ澄まして、ゴールを量産出来れば、大きな武器になるかと思います。

 次に24赤嶺 真吾ですが、18ニコラス・オルシーニとは対照的に攻撃のベクトルが後ろにあり、パスを収めて、攻撃に深みを作る事が出来るポストプレーヤーという印象を改めて持ちました。この試合では、それが、町田の圧力を受ける要因ともなっていた部分があったと思います。
 これは、24赤嶺 真吾が悪いというよりは、18ニコラス・オルシーニと24赤嶺 真吾では、チームの戦い方が違い、岡山が慣れるまで時間が掛かった事が大きいと思います。具体的には、岡山の18ニコラス・オルシーニのゴールへ迫っていく圧力が交代でベンチに下がった事で緩和され、思い切って前に行く町田の攻撃が可能になったからです。
 また、町田が負けている状況なので攻める意識が高かった事もあり、町田の猛攻に繋がりました。
 それでもチャンスメーク能力は、大きく18ニコラス・オルシーニを上回るので、チームとしての機能具合は、24赤嶺 真吾の方が現状上かと思います。

 さて、今後2人をどう起用していくかというのが1つのポイントになるかと思いますが、24赤嶺 真吾のコンディションが良くなればスタメンと起用し、30豊川 雄太との交代で18ニコラス・オルシーニの投入が良いかと思います。理由としてはやはり、あのスピードとパワーが終盤に出てくれば、相手チームにとっては脅威となるからです。逆に24赤嶺 真吾には、スタミナがある序盤に24赤嶺 真吾のポストプレーで、深みを作って攻める事で、多くの選手を活かし、連携で崩す事でシュートまで持っていく事も可能かと思います。
 また、30豊川 雄太と交代した場合は、24赤嶺 真吾と18ニコラス・オルシーニを2トップでの同時起用を強くお勧めします。24赤嶺 真吾が巧く味方を活かしつつ、18ニコラス・オルシーニがゴールへ向かって行く。18ニコラス・オルシーニもドリブルだけではなく、スペースへのフリーランであったり、クロスやパスもしっかり選択してくれるので、チームとしてより活かせる様になると思います。終盤に向けて大きな武器になるかと思いますし、今後どういった感じにチームを仕上げ切るのか注目したいです。
 残り試合が10試合切ってますが、17朴 亨鎮や21加地 亮の復帰を含め、ポジティブな材料もあるので、そういった材料を巧く活かせば、十分逆転可能かと思います。残り試合でのラストスパートとして、総力戦で、ここから勢いを持ってプレーオフ以上に食い込み、勝ちきってJ1昇格を勝ち取って欲しいです。

試合評

MOM:21高原 寿康(町田)
MIP:18ニコラス・オルシーニ(岡山)
満足度:3点(10点満点)

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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