2017:J1昇格プレーオフ:決勝:名古屋グランパスエイトvsアビスパ福岡「史上初のスコアレスでJ1昇格チームが決まった死闘」
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杉野雅昭
2017年12月03日 20:17 visibility785
名古屋vs福岡:0-0
得点者:なし
観客数:37,959人
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
審判
主審:木村 博之:2.5
副審:越智 新次、聳城 巧:2.5
H:名古屋
監督
風間 八宏:2.0
スタメン
9ロビン・シモビッチ(シモビッチ):2.5
11佐藤 寿人:2.5、44ガブリエル・アウグスト・シャビエル(ガブリエル・シャビエル):2.5
29和泉 竜司:2.5、17小林 裕紀:2.5、7田口 泰士:2.0、23青木 亮太:2.5
3櫛引 一紀:2.0、8セザル・ワシントン・アグヴェス・ポルテラ(ワシントン):2.0、15宮原 和也:2.0
16武田 洋平:2.0
リザーブ
GK:1楢崎 正剛
DF:37林 承謙(イム・スンギョム)
MF:21八反田 康平
FW:19押谷 祐樹、25杉本 竜士、28玉田 圭司、38永井 龍
途中交代
11佐藤 寿人→28玉田 圭司:2.0
9ロビン・シモビッチ(シモビッチ)→37林 承謙(イム・スンギョム):評価不可
44ガブリエル・アウグスト・シャビエル(ガブリエル・シャビエル)→38永井 龍:評価不可
A:福岡
監督
井原 正巳:2.5
スタメン
17ウェリントン・ルイス・デ・ソウザ(ウェリントン):2.5
8松田 力:2.5、24仲川 輝人:2.5
18亀川 諒史:2.5、7三門 雄大:2.5、33山瀬 功治:2.5、3駒野 友一:2.5
19堤 俊輔:2.5、14冨安 健洋:2.0、5實藤 友紀:2.5
23杉山 力裕:2.5
リザーブ
GK:1神山 竜一
DF:22中村 北斗
MF:6元 斗才(ウォン・ドゥジェ)
FW:10城後 寿、11坂田 大輔、16石津 大介、21ウィリアン・ポッピ
途中交代
8松田 力→16石津 大介:2.5
5實藤 友紀→6元 斗才(ウォン・ドゥジェ):3.0
6三門 雄大→10城後 寿:3.0
2、戦評
数値評
評価基準
良:A~E:悪
H:名古屋
攻撃評価:C
守備評価:A
采配評価:B
総合評価:B
A:福岡
攻撃評価:D
守備評価:A
采配評価:C
総合評価:C
文章評
寸評
J2の最終順位が3位の名古屋と4位の福岡という実力の拮抗したチームの対戦という構図に加えて、J2最多得点の名古屋とJ2最少失点タイという矛と盾チームの対戦という構図の試合でした。
試合の方は、前半、両チームしっかりプレスもかけて、リトリートすることなく、攻守でアグレッシブでした。しかし、中央をしっかり固めた両チームが、クロスを中に通さない手堅いゲーム運びで試合が進みます。両チーム攻めていてもシュートへなかなか行けない時間が続きます。名古屋がセットプレーで、9ロビン・シモビッチ(シモビッチ)がGK23杉山 力裕の動きを制約して、他の選手がゴールを揺らしますがファールになったシーンや、福岡の33山瀬 功治のミドルシュートが、クロスバーに当たるという惜しいシーンがありましたが、結局スコアレスで折り返します。
後半も両チーム攻守での高いレベルでの攻防がありました。名古屋は、止めて蹴るという基礎技術に裏打ちされたパス回しからの縦パスと、それに連動したゴールに迫る動き。こういった仕掛けで、ゴールに迫るもなかなか得点を奪えない時間が続きます。
福岡もアーリークロスから17ウェリントン・ルイス・デ・ソウザ(ウェリントン)が頭でゴールネットを揺らすも微妙な判定で、オフサイドになるもサイドを主体とした攻撃で、ゴールを狙っていました。
試合途中に福岡の5實藤 友紀が足を攣るというアクシデントで、守備的なカードを切ってしまったあたりで、3バックから4バックに変更の必要性が出て、そのギャップで、名古屋が惜しいシーンも作るも福岡の選手が、体を張って守り、この時間帯を防ぎました。
そして、試合が推移していき、いよいよ最終盤、名古屋も引き分けでもJ1昇格できるので、守備固めと同時に、時間を巧く使って、追いすがる福岡の猛攻を凌ぎ切って、名古屋が0-0でのスコアレスでJ1昇格を決めました。
この結果、福岡は、自動昇格圏をずっと守ってきて、その立場から落ちて、ホームのアドバンテージが本当ならあった3位という地位からも落ちてしまった終盤の失速が、今季のJ1昇格逸機に繋がってしまいました。
逆に名古屋は、将来を見据えて、しっかりサッカーに向き合い、尻上がりサッカーの質を向上をさせて、1年でのJ1返り咲きを決めました。
福岡評
福岡は、この試合に向けて、前線からのハイプレスで、名古屋の破壊力のある攻撃を抑える作戦に出ました。更に攻撃の核である9ロビン・シモビッチ(シモビッチ)には、14冨安 健洋をマンマークにつけて、仕事をさせない様にしっかり対策を練っていました。ラインも高くして、コンパクトにすることで、攻守の入れ替えを速くし、ゴールへ向かって行く戦い方を選択。
この戦い方で、名古屋の高い得点力を抑えて、無失点という守備面の狙いは、しっかり果たせていました。
しかし、攻撃の面では、スピードに乗ってカウンターを仕掛ける場面で、名古屋のデュエルとの部分で引っかかり、そこを突破できなかった。また、福岡の特徴であるロングパスも90分間徹底することも出来なかった。17ウェリントン・ルイス・デ・ソウザ(ウェリントン)をターゲットとしてロングパスやクロス、セットプレーなどで、使う事が出来た時は、チャンスになっただけにそういったシーンが少なかった事で、ゴールに届かなかった。
ただ、チームの守備意識の高さや意識統一、変更時に多少戸惑ったものの3バックと4バック併用を含め、戦術的な柔軟性と軸がしっかりしている部分。こういった部分に福岡の強さと魅力を感じたので、来季もJ1昇格争いに間違いなく、絡んでくるチームになると思います。この悔しさを糧に来季どういったサッカーをしていくのか注目です。
名古屋評
名古屋は、この試合で、今季一年の集大成として素晴らしい試合をみせたと思います。試合開始前に芝生を短く切って、ボールの走りを良くして、臨んだ通りしっかり準備して臨んだ試合であった事もあり、福岡の気持ちの入った守備に、最初は抑えられていましたが、試合を通してみれば決して負けていたわけではなく、戦えていました。
そして、福岡の様に前線からしっかりプレスを仕掛けて、福岡に自由にさせなかった。昨季の名古屋、シーズン中の失点の多さや準決勝で2失点した守備とは思えない安定感のある守備であったと思います。
更に前からの守備だけではなく、局面1つ1つの対応もしっかりしていて、寄せる時や埋める時の判断の良さが際立っていました。その結果、福岡のミスを誘発したり、囲い込んで奪ったり、スピードを止めてカウンターを仕掛けさせませんでした。そして、寄せる事が出来ていたので、福岡のクロスやロングパスといったストロングポイントを消していて、無失点に繋がったと思います。
普段は、攻撃的なチームですが、この試合では、守備の良さが目立ち、チームとしての底力を見せた試合であったと思います。
勿論、攻撃でも前を向いた時のゴール前での崩しのアイデアであった部分は、高いレベルにあり、チームとしての成長を感じました。
この結果を受けて、J1昇格、J1への一年での復帰が決まりましたが、J1でどういったサッカーを展開していくのか。今から楽しみです。
試合評
Man Of the Match(MOM):風間 八宏(名古屋)
Most Impressive Player(MIP):14冨安 健洋(福岡)
満足度(10点満点):9点(★★★★★)
Jリーグから世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(masaaki sugino)
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