2017:高校サッカー選手権:決勝:流通経済大柏vs前橋育英「準優勝から1年越し、大会無失点優勝を阻止しての初優勝」
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杉野雅昭
2018年01月14日 21:22 visibility686
流通経済大柏vs前橋育英:0-1
得点者:22榎本 樹
41,337人
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
審判
主審:福島 孝一郎:2.5
副審:平岡 亮、西橋 勲:2.5
第4審:鶴岡 将樹
流通経済大柏
監督
本田 裕一郎:2.5
スタメン
11安城 和哉:2.5、14熊澤 和希:2.5
10菊池 泰智:2.5
4宮本 優太:2.5、20三本木 達哉:2.0、24宮本 泰晟:2.5
2近藤 立都:2.5、5関川 郁万:2.5、6瀬戸山 俊:2.5、12佐藤 蓮:2.5
1薄井 覇斗:2.5
リザーブ
GK:25猪瀬 康介
DF:3坂下 景太、26西尾 颯大
MF:7鬼京 大翔、8金澤 哲流、9加藤 蓮、16丹沢 翔吾、19石川 貴登
FW:23池田 啓利
途中交代
14熊澤 和希→9加藤 蓮:3.0
24宮本 泰晟→19石川 貴登
11安城 和哉→23池田 啓利:3.0
12佐藤 蓮→8金澤 哲流:評価不可
前橋育英
監督
山田 耕介:2.5
スタメン
22榎本 樹:1.5、10飯島 陸:2.0
8五十嵐 理人:2.5、9田部井 悠:2.5
14田部井 涼:2.5、7塩澤 隼人:2.5
15渡邊 泰基:2.0、3角田 涼太朗:2.0、5松田 陸:2.0、2後藤 亘輝:2.0
12湯沢 拓也:2.5
リザーブ
GK:1松本 瞬
DF:6山崎 舜介、17若槻 輝、17山崎 広大
MF:19高橋 周、23秋山 裕紀、25森田 泰虎
FW:13宮崎 鴻、24高橋 尚紀
途中交代
8五十嵐 理人→14宮崎 鴻:2.5
2、得点経過
前橋育英:0-1:22榎本 樹
経過
前橋育英のロングスローは、一度跳ね返されますが、2次攻撃で、浮き球のボールを入れると、22榎本 樹が頭で後方に繋いで、これが10飯島 陸へと繋がります。10飯島 陸が後ろに選手を抑えてキープして、向き変えてのシュートを放ちます。これは、20三本木 達哉に体を張ったブロックをされますが、毀れ球に反応した20榎本 樹がしっかりミートしたグラウンダーのシュートが放ちます。これが、GKの1薄井 覇斗の股を抜けていき、アディショナルタイムに劇的なゴールが決まって、前橋育成が先制しました。
コメント
勝ちと延長を意識した時間で、決めきりたいという事で、前に行く。疲れが出る。そういった所で、出来たスペースを巧く使って、ロングスローと2次攻撃で、前橋育英の後ろの選手がチャンスメークして、前線の2人である22榎本 樹と10飯島 陸の二人でこじ開けたゴールであったと思います。
シュート自体は、運もあると思いますが、疲れを感じる時間帯でもここぞという勝負時にしっかり打ち切る。しっかりミートする。それが出来た事で、生まれたゴールであったと思います。
3、戦評
数値評
評価基準
良:A~E:悪
流通経済大柏
攻撃評価:D
守備評価:B
采配評価:C
総合評価:C
前橋育英
攻撃評価:B
守備評価:A
采配評価:C
総合評価:B
文章評
寸評
大会無失点での優勝と10年ぶりの優勝がかかった流通経済大柏と、ここ4大会で、この大会を含め、3度決勝に進出しており、1年越しの初優勝を目指す前橋育英という構図の試合でした。
流通経済大柏の監督は、海外でのサッカーを参考にインテンシティに優れるタフな守備サッカー。前橋育英も全大会の決勝の大量失点から守備の意識をしっかり持って戦うという守備に特徴のあるチームという構図でもありました。
試合の方は、そういった構図の試合らしく、守備的な展開で、デュエルの部分で強く、相手陣地に近づけば近づく程、強度が増し、シュートは少ない決勝になりました。1点とった方が勝つという内容で、試合終盤こそ疲れが見えてオープンな展開になりかけましたが、基本的には手堅く好機の少ない試合でした。
しかし、元々技術が高く、得点力のある選手を擁する前橋育英がポストバーやクロバーに当たる好機を含め、ゴールに迫っていく場面などもあり、ゴールの匂いが、流通経済大柏より強く感じました。
流通経済大柏もゴールライン上でのクリアなど、ゴール前で人数をかけて粘り強く守っていましたが、アディショナルタイムの最後の最後で、前橋育英の22榎本 樹が毀れ球を押し込んで、前橋育英が、ゴールを決め先制に成功しました。
流通経済大柏も残り少ない時間で、同点から逆転を目指しましたが、及ばずこれが決勝ゴールとなり、試合終了。この結果により、前橋育英が初優勝という結果で大会を終えました。
流通経済大柏評
堅守ながら破壊力のある前橋育英という事を考え、自分たちの戦い方の1つであるエースをマンマークで抑えるという作戦で、試合に臨みました。そのマンマークの役目をの担った20三本木 達哉のプレーは素晴らしく、危ないシーンこそ作られましたが、10飯島 陸に自由を大きく制限し、得点を許しませんでした。また、時には、マークの判断からカバーリングも行うなど、相手の中心選手の傍で、プレー事もあり、非常に目立っていました。攻守で、マンマーク、カバーリング、攻撃参加などの判断が的確で、最後まで優勝を狙える引き締まった試合展開に出来た大きなポイントになった選手であったと思います。
攻撃では、シュート数が少なく、好機らしい好機は、あまりありませんでしたが、運動量豊富で、前からしっかり守備に行く、後方もそれに連動する。技術のある前橋育英であったこともあり、守備から嵌めて、そこから良いカウンターというシーンをほぼ作れなかったのは、心残りではありますが、持ち味を十分発揮したと思います。準優勝という結果ではありますが、素晴らしいサッカーであったことは間違いないと思います。
前橋育英
正直ここまで優勝出来なかった事が、不思議であるぐらい強豪校で、実績と名声のある高校だったので、今回の初優勝であるのが本当に意外でした。今大会では、昨年の前大会の選手を軸にチーム作りしてきたという話もありましたが、前大会での決勝で、大量失点をしたのが、不思議なぐらい守備がしっかりしていました。
このチームの堅守は、単純に人数をかけて守るという堅さではなく、ボールを持つ技術が高いチームという事もあり、悪いボールの失い方が少ないのに特徴のあるチームであると思います。
全員守備全員攻撃にありがちな、バランス崩壊というシーンはほぼなく、去年のクラブワールドカップのレアルマドリードの様にカウンターにも備えてバランスをしっかりとっていました。
行くべきところと抑える所、パスの出すときに挑戦して良い時と、しっかり繋ぐ時、こういった判断が的確で、守備に特徴のある流通経済大柏のカウンターを許しませんでした。
攻撃では、エースの10飯島 陸がほぼマンマークで、封じ込められましたが、最後の最後で、一瞬の隙を逃さずシュートを打てた事で、22榎本 樹のゴールに繋がりました。この辺り二人の技術と決定力の高さが活きた素晴らしいゴールであったと思います。
優勝校に相応しい攻守におけるレベルの高さを発揮したと思います。1サイドゲームにならず、拮抗した結果が示す通り、ハイレベルな決勝でしたが、そこでしっかり勝ち切った強さを見せた素晴らしい優勝であったと思います。
試合評
Man Of the Match(MOM):22榎本 樹(前橋育英)
Most Impressive Player(MIP):20三本木 達哉(流通経済大柏)
満足度(10点満点):7点(★★★★☆)
高校サッカーから世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(masaaki sugino)
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