ファジアーノ岡山2018年シーズン前考察Part4「具体的な補強ポイントに対する補強結果」
-
杉野雅昭
2018年01月26日 01:06 visibility865
1、前書き
ここまで、チーム構成、3-4-3(3-4-2-1)、4-5-1(4-2-3-1)について、それぞれ補強予想に対する補強結果についてまとめてきました。今回は、10月の記事で、具体的な補強ポイントについても触れましたが、今回はその実際の補強結果がどうであったかについてまとめて行きたいと思います。また、余談として土曜日の練習試合に関する注目ポイントについてもまとめたいと思いますので、宜しくお願い致します。
2、選手構成(3-4-3:3-4-2-1、4-5-1:4-2-3-1)
3-4-3(3-4-2-1)の場合
GK:金山 隼樹、一森 純、椎名 一馬、李 京泰(イ・キョンテ)、似鳥 康太
DF(CB):阿部 海人、後藤 圭太、濱田 水輝、増田 繁人、喜山 康平、チェ・ジョンウォン、久保 飛翔
MF(DH):上田 康太、末吉 隼也、関戸 健二、塚川 孝輝、武田 将平、加藤 健人
MF(WB):椋原 健太、松本 健太郎、澤口 雅彦、デューク・カルロス、下口 稚葉、三村 真
MF(OH):仲間 隼斗、伊藤 大介、大竹 洋平
FW(ST):斎藤 和樹、武田 拓磨、福元 友哉
FW(CF):赤嶺 真吾、李 勇載(イ・ヨンジェ)、藤本 佳希
4-5-1(4-2-3-1)の場合
GK:金山 隼樹、一森 純、椎名 一馬、李 京泰(イ・キョンテ)、似鳥 康太
DF(CB):後藤 圭太、濱田 水輝、阿部 海人、増田 繁人、チェ・ジョンウォン、久保 飛翔
DF(SB):椋原 健太、デューク・カルロス、澤口 雅彦、下口 稚葉、喜山 康平、加藤 健人
MF(DH):上田 康太、末吉 隼也、関戸 健二、塚川 孝輝、武田 将平
MF(SH):斎藤 和樹、仲間 隼斗、松本 健太郎、大竹 洋平、三村 真
MF(OH):伊藤 大介、武田 拓磨、福元 友哉
FW(CF):赤嶺 真吾、李 勇載(イ・ヨンジェ)、藤本 佳希
3、具体的な補強ポイントに対する補強結果
評価基準
良:A~E:悪
・対人能力の高いCBの獲得
補強評価:A
高い守備意識とハードワークで、人数をかけて守る戦い方は、2017年シーズンでは、ハイレベルで出来ていたと思います。その分、高い守備意識が祟って、前線の戦力不足に陥るシーンもあった程、徹底出来ていたと思います。また、2017年シーズンでは、ハイラインとハイプレスを導入しコンパクトにして戦えていたことで、最終ラインから前線まで、意思統一出来た守備が出来ていたと思います。その結果、長澤 徹監督が触れていた試合の立ち上がりの失点数がJ2トップクラスという結果に繋がったと思います。
一方で、終盤の失点の多さは、J2でもワーストクラスという事で、対照的な守備内容となっています。この失点の多さの最大の理由は、最終ラインの高さ不足に起因していて、パワープレーに対して、跳ね返す力が不足していたことで、人数が揃っていても守り切れませんでした。
そのポイントに対して、長身CBの後藤 圭太、濱田 水輝、増田 繁人、阿部 海人という的確な補強に成功。経験十分な選手が多く、空中戦だけではなく、対人も期待できる選手が揃った。セットプレーの得点増と、終盤の失点が減る効果が期待できることから、この補強ポイントに対しては満点解答と言えると思います。
・チャンスメーク力の高い中盤の選手の獲得
補強評価:A
昨季は、2016年シーズンに裏へ抜け出して得点を量産していた豊川 雄太の2017年シーズンの出場時間に対して、得点数の少なさやそのゴールの形を考えるとチームとしての得点パターンの少なさが分かり易い。今季の得点パターンは、左WBの朴 亨鎮(パク・ヒョンジン)の左足と、CKやFKでのセットプレーに集中しており、得点力不足と言えるシーズンであったと思います。そういった意味で、関戸 健二と塚川 孝輝、渡邊 一仁、加地 亮、澤口 雅彦、三村 真といった選手のアシストの少なさは、深刻であったと思います。
今季のストーブリーグではその答えとして、J1でのプレー経験のある上田 康太と末吉 隼也、椋原 健太の獲得に成功。中盤からのアシスト数増加は、大いに期待できると思います。左WBにも活きの良い新人も獲得し、選択肢を持つことが出来る様になったのは、大きいと思います。守備的に行く場合は、塚川 孝輝や関戸 健二、三村 真、澤口 雅彦といった選手も控えており、厚みのある中盤を揃えることが出来たと思います。
・22一森 純以上のGKの獲得
補強評価:A
昨季の終盤の失点の多さは、最終ラインの高さ不足とGK自身の小柄であったことによるハイボール処理の不安定さと、飛び出しなどの判断の悪さなどがありました。一森 純が、その部分で、成長を果たして、多少改善こそしましたが、2016シーズンにゴールマウスを守った中林 洋次と比べて、見劣りする部分がありました。そういった背景もあり、1対1などの部分で、絶対失点すると思ったシーンでのファインセーブを期待でき、ハイボール処理の安定感を高める事ができるGKの獲得が、1つのポイントでした。
この部分に対して、外国籍選手の獲得という選択肢があったと思いますが、櫛引 政敏の代わりに金山 隼樹というファインセーブの多いGKの獲得に成功しました。出場機会を得る事が出来れば、チームを救うセーブだけではなく、ハイボール処理の部分で、セットプレーでの失点を減らせることが出来ると思います。
出場試合数だけを見た場合は、期待度は低くなるかもしれませんが、長崎と札幌でそれぞれ、出場機会を得た時に見せたプレーは、J2屈指のものがあり、戦力として、かなり期待できると思いますし、そういった期待に応える高い能力を持った選手であると思います。
・30豊川 雄太に次ぐアタッカーの獲得
補強評価:D
昨季の試合では、もう1点追加点を奪えていれば、終盤の失点が増えていても結果を十分残せたと思います。2季前には、豊川 雄太が、スーパーサブとして大活躍していた通り、相手が疲れている時間帯にアグレッシブなプレーで、チームに勢いをもたらす選手の獲得が必要でした。
しかし、この部分に対しては、穴埋めこそ出来ましたが、レギュラーに次ぐアタッカーの獲得は、新人のみと未知数な補強に終わってしまいました。それでも、赤嶺 真吾の負担が大きかった1トップに対して、李 勇載(イ・ヨンジェ)をしっかり獲得し、多少の選手層の厚みを作る事には、成功したと思います。
この辺りチームを後ろから作っていく事から、優先度が低かった事もあり、最低限の補強に終わった部分があるかと思います。出来れば、夏場の補強が必要なしというぐらい新人の活躍に期待したいです。
・30豊川 雄太と8石毛 秀樹、18ニコラス・オルシーニの慰留
補強評価:C
2016年シーズンにそのゴールに向かって行く異次元の推進力を見せた豊川 雄太。チーム史上最高のテクニシャンと言える石毛 秀樹。高身長ながらスピードがあるニコラス・オルシーニ(オルシーニ)。この3人は、後方のパスなどによるアシストがあれば、もっと活躍出来た選手であったと思いますので、長いシーズン岡山でプレーすることが出来れば、期待値は、もっと高くなっていたと思いますので、1人でも慰留に成功出来れば、大きかったと思います。
結果的には、どの選手もチームに対する愛着であったり、より高みを目指したいという向上志向、刺激を求めて旅人気質の選手達であったこともあり、結局何れの選手の慰留には失敗しました。しかし、即戦力の李 勇載(イ・ヨンジェ)、仲間 隼斗、斎藤 和樹というJ2での実績十分な選手の獲得に成功しました。残念ながら豊川 雄太と石毛 秀樹、ニコラス・オルシーニ(オルシーニ)というJ1でも十分戦えるポテンシャルを持った若い昨季選手達と比べると、潜在能力の部分で、中堅選手であることから少し見劣りする部分はありますが、計算できる選手という意味では、手堅い補強であったと思います。
4、練習試合の注目ポイント
・新加入の選手の特徴やチームへのフィット具合
監督が新人や新戦力の選手をどのポジションでの起用を考えているかどうか。また、どういったプレーが得意で、どういったプレーが苦手かどうか。どれだけチームにフィットしているか。
・採用システム
3バックを採用しているかどうか。4バックを採用しているかどうか。もしくは、併用や状況に応じて、変化するかどうか。
・喜山 康平の起用方法
CBに長身選手が多数加入した中で、3バックを採用し続けるのではあれば、左CBを任されるかどうか。4バックに変更するのであれば、CBが厳しい事から左SBを任されるのか。それとも他ポジションを任せられているのか。それとも3バックと4バックを状況に応じて変化させるシステムチェンジのキー選手として起用するかどうか。
・CFの枚数
赤嶺 真吾に加えて、李 勇載(イ・ヨンジェ)、斎藤 和樹といった得点を期待できるストライカーが、3人揃った事で、2トップという選択肢を持てるようになったので、監督の構想の中で、1トップと同時に2トップを採用を狙うかどうか。
・ライン設定
今季もハイラインを採用するかどうか。それともラインを低く設定するのか。
・攻撃パターン
ロングパス主体とするのかどうか。それとも上田 康太を中心にパス回しで崩していくかどうか。ドリブルでの仕掛けをある程度期待できるのかどうか。サイドチェンジを多用するのか。カウンターをどれだけ狙うか。縦へのスピードがどれだけ備わっているか。
・空中戦の強さ
やはり最終ライン及び前線を含め、昨季の弱点であった高さ不足がチームとしてどれだけ改善出来て、むしろ武器に出来ているかどうかという部分は、楽しみです。
5、後書き
開幕が少しずつ近づいてくる中で、早く開幕が来ないかなとワクワクしていますが、練習やTVなどで、今季のファジアーノ岡山が分かってきて、より期待度が上がっています。今季は、選手が大きく変わった事で、どういったチームになるのか非常に楽しみです。まだまだ今週の土曜の練習試合では、連係プレーは、過度の期待は禁物ですが、誰が中心となっているかどうかなど、今から楽しみです。
岡山から世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(masaaki sugino)
記事の質の向上のために反対意見や間違いの指摘などのコメントも大いに歓迎ですので、気軽にコメントを宜しくお願い致します。また、拍手数は、記事を書く意欲へと繋がる事に加えて、記事を書く上での参考とさせて頂いています。
- favorite1 visibility865
-
navigate_before 前の記事
ファジアーノ岡山2018年シーズン前考察Part3「4-2-3-1の場合の補強結果」
2018年1月25日 -
次の記事 navigate_next
ファジアーノ岡山2018年シーズン前考察Part5「TRM姫路獨協大学戦の感想と、TRM愛媛戦の注目ポイント」
2018年2月1日
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件