レビュー:2018:J2:第11節:H:vsロアッソ熊本「オープンな展開は、ゴール前のプレー数の差が得点差になって制すことができた試合」
-
杉野雅昭
2018年05月16日 21:35 visibility196
岡山vs熊本:3-1
得点者:11皆川 佑介(14田中 達也)、19仲間 隼斗(18斎藤 和樹)、4濱田 水輝(19仲間 隼斗)、オウンゴール(15青木 剛)
観客数:9,280人
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
審判
主審:大坪 博和:2.5
副審:細尾 基、大矢 充:2.5
第4の審判員:野村 修
H:岡山
監督
長澤 徹:2.5
スタメン
24赤嶺 真吾:3.0
19仲間 隼斗:1.5、18齊藤 和樹:2.5
11三村 真:2.5、14上田 康太:2.5、8塚川 孝輝:2.5、21椋原 健太:2.5
6喜山 康平:2.5、4濱田 水輝:2.0、3後藤 圭太:3.0
22一森 純:2.5
リザーブ
GK:13金山 隼樹
DF:31下口 稚葉
MF:25武田 将平、15末𠮷 隼也、7伊藤 大介、10大竹 洋平
FW;16リカルド・エンリケ・ダ・シルバ・ドス・サントス(リカルド・サントス)
途中交代
19仲間 隼斗→25武田 将平:2.5
24赤嶺 真吾→16リカルド・エンリケ・ダ・シルバ・ドス・サントス(リカルド・サントス):評価不可
18齊藤 和樹→15末𠮷 隼也:評価不可
A:熊本
監督
渋谷 洋樹:2.5
スタメン
11皆川 佑介:2.0、9安 柄俊(アン・ビョンジュン):2.5
18八久保 颯:2.5、8上村 周平:2.5
2黒木 晃平:3.0、32米原 秀亮:3.0、14田中 達也:2.5
4園田 拓也:3.0、15青木 剛:3.5、23小谷 祐喜:3.5
30佐藤 昭大:3.0
リザーブ
GK:1畑 実
DF:5植田 龍仁朗、7片山 奨典
MF:22上原 拓郎、31伊東 俊
FW:17佐野 翼、18巻 誠一郎
途中交代
23小谷 祐喜→7片山 奨典:3.0
11皆川 佑介→18巻 誠一郎:3.0
32米原 秀亮→31伊東 俊:評価不可
2、得点経過
A:熊本:0-1:11皆川 佑介(14田中 達也)
経過
前に人数をかけて居た所、14上田 康太のクロスは、クリアされてしまい。そのボールを6喜山 康平が、クリアするも前に重心が言っていた分、岡山の選手が戻り切れず、カウンターを受ける。ボールホルダーである14田中 達也まで、縦に速く出され、岡山の選手が対応していく中で、巧くドリブルを仕掛けるコースを消しました。しかし、囲い込めなかった事で、クロスを許してしまい逆にゴール前で数的同数になっていました。ここで、背が高くない21椋原 健太が競った相手が、高身長の11皆川 佑介で、体を当てますがしっかりミートされたヘッディングシュートを打たれます。サイドを振られた上に至近距離であったために22一森 純も動けず、失点。
コメント
前に重心をかけているので、そこでシュートで終える事ができなければ、カウンターを受ける。これは、必然的な流れであるものの、ここ最近カウンターを狙われている傾向にある。恐らく各チームが岡山を分析し、カウンターを狙える隙がある。しかも恐らく空いているスペースまでもしかすると、研究されているかもしれない。
岡山としては、どこまでリスクを冒すか、もしくは、そのリスクを小さくするか。失点のクロスをあげられたシーンは、ボールホルダーに対しての選択肢も狭める人数は、揃っていたもののゴール前で、待っている選手へのケアは不十分であった。高い選手に競り勝てるような選手が11皆川 佑介につけておくか、ボールホルダーであった14田中 達也からボールを奪うもしくは、クロスを打たせない。そういった守備が出来ていればという失点シーンであったと思います。
H:岡山:1-1:19仲間 隼斗(18斎藤 和樹)
経過
前に出たボールを24赤嶺 真吾が頭で19仲間 隼斗と入れ替わる形で繋ぐ。そのボールを19仲間 隼斗は、頭でリフティングする様にボールを頭で4回当てて前にハイスピードで進んでいきます。最後前に落とすようにして、頭から降ろしてダイレクトで右に展開します。このボールを受けた18齊藤 和樹が右のスペースへ侵入してからマッチアップした選手に対して巧く距離をとり、クロスを入れます。このボールへ熊本の選手の視界からわざと離れて、ゴール前にクロスが入った時に再び死角から熊本の選手の前に頭から飛び込み、ゴールへ突き刺します。流石の30佐藤 昭大も倒れつつ手を伸ばすだけで触れず、同点ゴールを決める事に成功しました。
コメント
19仲間 隼斗のヘッディングでのキープからのダイビングヘッドでのゴールは、まさに漫画。ゴールシーンは、手前のゴール前でのフリーランが秀逸の素晴らしいゴールでした。
H:岡山:2-1:4濱田 水輝(19仲間 隼斗)
経過
ロングスローの流れから分厚い攻撃を続けて行く中で、18齊藤 和樹が、8塚川 孝輝に通して、8塚川 孝輝がシュートを狙うもボールは毀れます。このボールに対して、19仲間 隼斗が誰よりも速く反応し、ボールの下へ行くと、シュートの様な速いクロスをダイレクトでゴール前に入れます。このボールに4濱田 水輝がしっかり反応し、ゴールへ突き刺して、岡山が逆転。
コメント
シュートを打てば何か起こる。そういったゴールシーンであったと思います。ゴール前の数プレーは、決断良く出来た事で、ゴールに繋がった。そういった勇気を出せたという意味で、気持ちの籠った泥臭い岡山らしいゴールであったと思います。
H:岡山:3-1:オウンゴール(15青木 剛)
経過
岡山が良いボール奪取からパスを繋ぎで、サイドを展開し、そこで、巧く局面を打開し、21椋原 健太がサイドのスペースへ抜け出します。そこから絶妙なクロスを入れると、15青木 剛のクリアボールは、無情にもゴールへと向かい、30佐藤 昭大が触るも弾き切れず、そのままゴールイン。
コメント
良い守備から攻撃に移り、速攻ができなくてもそこからしっかり組み立てて、スペースへ飛び出す。そういったお手本の様な崩しであったと思います。
勿論、熊本の両サイドが高いポジションをとっている関係もありますが、そこを巧く突き、得点出来たという意味では、狙い通りのダメ押し点の流れとも言えると思います。
3、注目ポイント
Q.1「今節の前線の組み合わせは機能したかどうか。また、GWの選手起用の指針が見えたかどうか。」
A.「7伊藤 大介に代わって、19仲間 隼斗がスタメンとなった。7伊藤 大介と違ってボールを持った時のプレーに選択肢が多いので、ゴールに向かって行く迫力がありました。熊本の守備組織が整備されていない関係で、隙があるので、ゴールに近い位置である程度プレー出来た事で、1ゴール1アシストという結果に繋がった。
また、24赤嶺 真吾もバーに嫌われてしまいなかなか決まらなかった事で、力むシーンがあるなど、この試合では、結果を残せなかった。
18齊藤 和樹もサイド深くに侵入していく動きに磨きがかかり、アシストという結果を残す事が出来た。チームとして18斎藤 和樹を巧く起用出来る様になってきた。」
Q.2「主導権を握るシステムで握り切れなかった中盤に手を加えるかどうか。また、攻撃にどれだけ関与し、流れからの良い形を作って得点まで至れたかどうか。そして、GWを考えた起用もあったかどうか。」
A.「この試合では、7伊藤 大介を外して、3-4-2-1の基本システムに戻して戦っていた様に見えた。14上田 康太のミスが多く、カウンターで、失点するシーンなどもあり、チームとしてのボールを持って主導権を握る。前線へ配給する。こういった部分で、熊本のボールへのどんどんアタックしてくるスピード感のある展開に左足にも狂いが生じた。この辺り、前線に対して、リスク少なく起点を作るか。そういった部分の更なる整理を進めて行く必要がある。」
Q.3「もはやスタメン予想が誰に分からない高度な戦術的な選択になりつつ最終ラインの2枠で、巧く選手を起用し、この試合でも無失点に抑える事が出来たか。」
A.「33阿部 海人が何故かリザーブ入りも無かった。何かアクシデントがあった可能性がある。ただ、3後藤 圭太のミスも多かったので、3後藤 圭太は、少し疲れがたまっているかもしれない。それでも14上田 康太のボールロストの多さを考えても熊本と岡山の距離間が近くコンパクトになっていたことで、パスを繋いでゲームを両チームとも落ち着かせることができなかった。」
Q.4「流れからの得点力不足に対する答えが見えるかどうか。また、どれだけそれが有効か。」
A.「熊本の両サイドが高くポジションをとっていたことで、19仲間 隼斗が左サイドと18齊藤 和樹が右サイドから積極的にスペースを突き、攻撃の形を作った。2得点は右サイドからの生まれており、サイド攻撃は、非常に有効だったと言える。
それは、熊本も一緒で、速攻に加えて、前線の高さを活かしたクロスを許し、得点に繋げられた。岡山のDF陣も高さがあったが、2枚までで、6喜山 康平、11三村 真、21椋原 健太といった所に高さがないので、その部分を突かれてしまうと苦しい。ただ、そういった状況を作らせなければ良いので、そういったサイドのスペースを突かせない守備と言う組織力を高めていきたい。」
Q.5「もはや有効というか大半の得点源であるセットプレーの機会をどれだけ作れるか。」
A.「何度か形を作り、この試合では、ロングスローの流れから得点出来た。チームとして深くまで侵入し、セットプレーのチャンスを何度か作れたので、今後も貴重な武器として使って行きたい。」
Q.6「縦に速く攻める事と、じっくり組み立てて攻めるかどうか。この2つのバランスをどうとるか。また、9李 勇載(イ・ヨンジェ)の怪我以降速攻が、機能しなくなっているので、この辺りにどう手を加える事が出来るかどうか。」
A.「縦に速くという方針でのサッカーであった。両チームとも攻守の入れ替えが速く、特に熊本は、前へ人数をかけていたのに、そこまで運べない事が多かったので、縦(サイドのスペース込み)にパスを突ける隙があり、展開が速かった事で、3得点に繋がった。遅攻になった時の得点力不足が深刻であるので、この辺りは、次節以降に持ち越しとなった。」
Q.7「注目選手(9安 柄俊、15青木 剛、14田中 達也)をどれだけ仕事をさせなかったか。」
A.「9安 柄俊(アン・ビョンジュン)のスピード感のあるカウンターなどの仕掛けからの得点こそ防いだが、相方である11皆川 佑介の高さを活かされて失点してしまった。この2人のプレーは、岡山のゴールを脅かし続けたので、仕事をさせてしまった。チームとしてこの2トップへクロスをどんどん入れられる事で、岡山の守備が混乱し、対応に苦しんで、初の複数失点の可能性も高い試合であったと思うので、こういったチーム対して、どれだけ対応出来るかは、今後の課題となる。
15青木 剛を中心とした守備組織を完全に攻略していたと言っていい、オウンゴールも15青木 剛にさせた事を示しても、縦に速く、球足の速いクロスで、守備が整備される前にゴールに繋げた。30佐藤 昭大のビックセーブというのも少なく、岡山の攻撃が熊本を超えた。
14田中 達也のサイドから仕掛けから失点してしまった。そのスピードとクロスは、岡山にとって、難しい対応が迫られた。左サイドからの攻撃にはある程度対応こそ出来ていたので、次回の対戦では、被クロス回数の抑える戦いが出来るどうかが勝負を分けるポイントとなる事は間違いない。」
4、数値評
評価基準
良:A~E:悪
H:岡山
攻撃評価:B
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C
A:熊本
攻撃評価:C
守備評価:D
采配評価:D
総合評価:D
5、文章評
ホームでの対熊本戦の相性が良く、今季の熊本は上位に対して1勝も出来ていない。それは、この試合でもデータ通りの展開となり、3-1での圧勝となった。24赤嶺 真吾のシュートが尽く外れてしまったのは、残念ですが、攻守の入れ替えの速さと運動量が両チーム際立っていました。
勝負を分けたポイントはずばり、相手陣地深くで、ボールを持つ時間の長さであったと思います。熊本がしっかり繋いで行こうという意識こそ高かったがサイドからクロスで、前線の2人で決めるという得点パターンこそあったが、サイドを上がる時間やタイミングを作り出す必要があり、岡山のロングパスで前線に起点、パスを繋いでの崩し、ボールを落ち着かせるパスの使い方など、パスでシンプルに速く前を目指した事で、ゴール前に運ぶ引き出しの多さと効率の良さで、熊本を上回った事で、熊本に打ち勝つことができた。そういった試合であったと思います。欲を言えば、もっと得点が欲しかったですし、もっと取れたと思うので、その辺りに対して、しっかり突き詰めていきたい。
6、試合評
Man Of the Match(MOM):19仲間 隼斗(岡山)
Most Impressive Player(MIP):11皆川 佑介(熊本)
満足度:8点(10点満点)
7、通算対戦成績
通算(J2)
H:岡山:7勝(27得点):9分:(17得点)4勝:A:熊本
H:シティライトスタジアム:6勝3分2敗
A:えがお健康スタジアム:1勝6分2敗
8、今季の成績
勝敗(11/42)
7勝3分1敗(2位:勝ち点24)
得失点
13得点4失点(+9)
ホームスコア(4勝1分1敗:5 8得点2失点)
1-0×2、3-0×1、0-0×1、0-1×1
アウェースコア(3勝2分0敗:5得点2失点)
0-1×3、1-1×2
ゴール(全13ゴール)
3後藤 圭太×1(頭1)、4濱田 水輝×2(頭2)、6喜山 康平×1(頭1)、8塚川 孝輝×2(頭1、右足ミドル1)、14上田 康太×2(FK左足2)、18齊藤 和樹×1(PK右足1)、24赤嶺 真吾×1(左足ボレー)、19仲間 隼斗×1(頭1)、33阿部 海人×1(左足1)、オウンゴール×1(足1)
アシスト(全9アシスト)
8塚川 孝輝×2(頭1、右足1)、9李 勇載×1(右足1)、14上田 康太×3(FK左足2、クロス左足1)、18齊藤 和樹×1(右足1)、19仲間 隼斗×1(左足1)、24赤嶺 真吾×1(パス右足1)
得点の形(流れ×4、セットプレー×9)
クロス→左足ボレー×1、クロス→頭×1、FK→頭×2、左足直接FK×2、FK→混戦→左足×1、CK→混戦→頭×1、速攻→ポストプレー→右足ミドル×1、CK→2次クロス→頭×1、PK(右足)×1、クロス→オウンゴール×1、ロングスロー→混戦→頭×1
失点(流れ×2、セットプレー×2)
CK→ショートコーナー→右足(ミドル)×1、PK×1、左足(フリック)→頭×1、右足(クロス)→頭×1
得点時間帯(13得点:前半×7、後半×6)
1分~15分×1、16分~30分×3、31分~45分×3、前半AT
46分~60分×4、61分~75分×2、76分~90分、後半AT
失点時間帯(4失点:前半×3、後半×1)
1分~15分×1、16分~30分×2、31分×45分、前半AT
46分~60分、61分~75分、76分~90分×1、後半AT
岡山から世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(Masaaki Sugino)
記事の質の向上のために反対意見や間違いの指摘などのコメントも大いに歓迎ですので、気軽にコメント宜しくお願い致します。また、イイネ数は、記事を書く意欲へと繋がる事に加えて、記事を書く上での参考とさせて頂いています。
- favorite0 visibility196
-
navigate_before 前の記事
レビュー:2018:J2:第14節:A:vs水戸ホーリーホック「ここに来てまさかの純粋なタイプのCB軽視の采配で2試合連続複数失点で12試合分の失点」
2018年5月15日 -
次の記事 navigate_next
プレビュー:2018:J2:第15節:H:vs東京ヴェルディ「挑戦からの修正で前へ進めるか問われる試合」
2018年5月17日
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件