自ら繰り出す術にはまる
-
さとっち
2008年10月05日 01:02 visibility86
前節、セレッソ大阪に3-2と競り勝ち、2008年度のJ2優勝を、残り6試合にて既に決定している広島が今節の対戦相手。前線に配置された選手に外国人はいませんが、佐藤寿人を1topに、テクニカルな若い選手を2シャドーにして闘う形ができており、真正面からぶつかったのでは、過去の二戦と同様に散ってしまう可能性も考慮したのでしょう。
文字通りチームのボランチ2枚に、貴重な左サイドの香車を欠いた湘南は、単なる選手のみの入替をせずに、珍しく菅野監督がシステムをもいじってきたました。
石原
望様 菊池 臼井
北島 永田
三田 斉藤 ジャ 山口
金永基
普通に考えて、別のチームですな、こりゃ。しかも相手は広島・・・開始前から涙目になりつつ、サブは、トモ、鎌田、将太、原竜、阿部。個人的には、原石原の2topは維持して欲しかったですが、原のコンディションの問題もあったのでしょうか・・・。
広島は、セレッソ戦から、結城かわり森崎和のみの変更点。結城の所が数少ない弱点のように見えていただけにちょっと残念。
寿人
高萩 柏木
服部 李漢
森浩 青山
森和 スト 槙野
佐藤
サブは、中林、結城、桑田、高柳、久保。
キックオフから、予想通り、守る湘南、遅効の広島の構図で試合は進みますが、問題は、相手の攻撃を凌いだ後に、カウンター攻撃をしかけたいのですが、1本目、2本目のパスが繋がらずに、再び守備に奔走させられるという流れがひたすら続いていた事です。
もちろん、自慢のCB2枚に、ヨンギの集中力も普段以上でよく凌いぎ、両サイドは、ハーフ、バック共に守備に奮戦。前半をイーブンで終える事には成功しましたが、内容的にはあんまりでした。シーズンの残り試合も少ない中、勝ち点が拮抗しているリーグの状態を考えると、得失点差を意識した戦い方を選択する事、そのものは大賛成です。
しかし、90分間ひたすら守備を続けるというのは、湘南ベルマーレというチームのカラーでポリシーでも無いと思います。
もちろん、菊池をトップ下に配置し、奪ったボールを菊池の個人技で、相手のファーストコンタクトをかわし、石原に繋いだボールをもう一度うけた菊池や、さらに戻したボールを石原がフィニィッシュに持ち込む事を想定していたと思うのですが、この2人は、常に3人以上のDFを相手にする事になってしまいましたし、2人に限らず、攻撃時には、至る所で数的不利のままあっさりボールを奪われ続け、打たれたシュートの軌道が外れることを祈り続けるのみの時間でしたので、そういつまでも幸運が続くようには思えませんでした。
55分前後で、今一戦術理解が進んではいませんでしたが、局面ではらしさを見せていた菊池にかえて、将太を投入しますが、チームとしての崩しの意図があったようには思えませんでしたので、将太も、目の前のボールを奪ったり、運んだりすることに終始しており、連動した有機的な攻撃を繰り出すには至りません。
それでも、60分過ぎまでは耐えていた状況に、広島の監督も業を煮やしたか、高萩→桑田、李→高柳と、これまた憎らしいほど、ボールキープとサッカーセンスにあふれた若者を投入してくると、直後の65分すぎ、ストヤノフの壁バスうきだまが、絶妙のコース軌道、速度でエリア内に送り込まれ、走り込んだ桑田に蹴りこまれ、プラン崩壊の失点を喫してしまいます。
直後、意識のみ前掛かり、カウンターからボールを石原が運ぼうとした所をバックチャージで倒されてしまい、こりゃカードかなと言う雰囲気が漂っていたところが、なんとノーファール。棒立ちの湘南の選手達をあざ笑うかのような、森崎浩司の素晴らしいミドルつきささり、試合の大勢は決してしまいました。
以前鳥栖とホームで対戦したときに、鳥栖がアジエルのマンマークに山城をあててきて、そのミスキャスト振りと戦術迷走ぶりのおかげで勝利した事がありましたが、その試合を逆の意味でうちがやってしまったように感じた試合でした。
普段ポジティブな発言の多い先生が「ボールを持った時に、怖がらない、恐れないことだ」と、ある意味辛辣なコメントを発しているのも、危機感の表れのように感じます。今節に関しては、練習でもやったことのないフォーメーションに、キーマンの菊池も経験という意味ではまだまだで、スクランブル体制のチームであったことは確かですが・・・。
しかしですね、いつも言っていますが、他のチームや先の試合の事ではなく、自分が目の前の相手に対し、勇気を持って戦いを挑む、ピッチに立つ選手全員が、そのことを真に理解して、局面の奪い合い、ライン際の攻防、笛の鳴り際の隙の無さ、に対してプレーをし続けることを100%の力で出し切って行かなくてはならないと、次の熊本戦では、それを伝えるように、出来る限りの事をする必要があると、強く思ったゲームでした。
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件