一岡が巨人に残ったとして2014年にチャンスはあったか?

私の,一岡(23才,3年目)の今季の成績予想「30試合、30回、10-20ホールド、防御率2.5~3.0」 を見て,「甘い予想だな.」と思った人は多いと思います.いくら,2軍で無双状態(2012-2013年の2年間で,81試合,81回,92三振,防御率0.77)としても,1軍での実績は2年間で「13試合,15回,11三振,防御率4.70」ですからね.ちなみに,2軍で81試合投げて81回ということからもわかるように,基本的に1回限定のショートリリーフとして一岡は2軍で使われてきました.

 しかしながら,この甘い予想でも,巨人ではチャンスがないのです.

 昨年の巨人の救援防御率は2.57で,セリーグ唯一の2点台です.他の5球団はすべて3点台以上.ヤクルトに到っては4点台です.つまり,一岡が,リリーフで防御率「2.5-3の投手」と評価されたとしても,巨人では「並以下の救援投手」なのです.セリーグの他の球団では,「並以上の救援投手」なのですけどね.

私は,上記の予想の所で,「1回限定なら即戦力」と書いていますが,1回限定で使ってもらえる救援投手というのは,基本的に勝ちゲームに使われるセットアッパーか抑えのみです(通常3枠).その役割は,チームの「並以下の投手」に回ってくることはまずないのは明らかでしょう.巨人の3枠はSKYのマシソン・西村・山口で,3人とも去年の成績は,60試合以上投げて防御率1点台の前半です.その他に,リリーフなら防御率0点台の澤村もいれば,期待ではなく実績として救援防御率2点台の笠原・青木もいて,故障明けとはいえ,かつての抑え・セットアッパーの久保・越智もいるという状況で,一岡にチャンスが回ってくる可能性は非常に低かったのです.

「並以下の救援投手」に回ってくる役割と言えば,普通,負けている試合でのロングリリーフでしょう.実際,一岡は,2013年のフェニックスリーグやウインターリーグでは先発をさせられています.巨人ではショートリリーフではチャンスがないとみて,長い回を投げさせる練習をしていたわけです.私は球団側のねらいはわかるが,長い回になると一岡が妙なテクニックに走って,現在彼が持っているよさ(荒削りだが球威と気合で抑える所)を失うのではないかと心配していました.

 そういう意味では,一岡にとっては,良いタイミングで広島に行けて良かったように思います.

 一岡は,アマチュア時代はほとんど無名の選手でした.その選手を2011年のドラ3で巨人は獲得し,2軍では「ショートリリーフ」に専念させて育成してきた選手です.つまり,巨人のスカウティング能力の高さと育成能力の高さを示す選手ですが,最終的には1軍で活躍しない限り,「スカウティング能力の高さと育成能力の高さ」は一般(と巨人の1軍首脳陣)には認識されません.そういう意味で,一岡には,是非,広島で花開いて欲しいです.巨人戦でも活躍してほしいです.それによって,間違いなく,巨人における「育成と補強のバランス」がより「育成寄り」になるでしょうから・・


 
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