巨人の2012年ドラフト戦略-捕手・野手編

 投手編に続いて捕手・野手編です.捕手・野手については,「レギュラー」は, 1軍で通常スタメンとなっている選手です.「対抗」は,基本的に1軍登録されている選手でスタメンではない選手ですが,一部に2軍選手も入れます.「控え」は,現状で通常は2軍の選手.育成は育成選手です.また,カッコ内の数字は今年末の時点での年齢です.*のついた選手は,故障です.

     レギュラー    対抗        控え          育成
捕手   阿部(33)    實松(31)   河野(21)    芳川(19)
                加藤(31)    中谷(33)   
                                 市川(27)
                                鬼屋敷(21)   

 捕手は阿部の存在が偉大すぎてそれ以外の選手との差が(特に打撃の差が)大きい.實松・加藤や中谷は守備ではあるていどの肩代わりができるが,打撃では差が激しく,今後の打撃の伸びも見込めないので「阿部の後任」としては力不足である.市川は,河野・鬼屋敷の世代と實松・加藤・中谷の世代の間をつなぐ位置づけの捕手だった筈だが,打撃はよいものの故障がちで守備も今一つである.鬼屋敷(ドラ2)は打撃はよいものの,それ以外の面では河野(育成から昇格)に差をつけられている状態.河野については,期待値も含めて支配下登録にしたと思う.今後,河野がどの程度使えるか,1軍の練習に合流させたりして様子を見るだろう.その結果によっては,ドラフトで大卒捕手を取りに行くのではないか?しかし,セリーグだけを見ても,中日・阪神が即戦力捕手を必要としており,2位以下でよい即戦力捕手を取るのは難しいだろう.率直にいって,巨人としては,去年のうちに菅野を取り,今年は伏見を取るような戦略を練っていたような気がしないでもない.昨年菅野を取れなかったことがドラフト戦略を難しくしている.

      レギュラー     対抗        控え        育成
1塁手            エドガー(34)    田中大(24)   
                  石井(34)        小笠原(39)*   
                       (阿部)         ボウカー(29)   
                      (古城)         亀井(30)*
                                      (中井)
                                       (大田)   


 1軍に1塁手のレギュラーがいないというのが現状である.エドガーがレギュラーを勝ち取ったかと思ったが,最近不調なので,相手投手によって,エドガー・石井・古城を使い分けているような状況で,阿部が1塁のこともあった.亀井がケガから復帰すれば,外野の層は厚いので,しばらく1塁で使ってみるのではないだろうか?それが駄目でボウカーの調子も上がって来なければ,ドラフトで,1塁手で左打ちで「打つだけ」の選手を取ってくるのも面白いだろう.あるいは,トレードや新外国人で埋めようとするかもしれない.小笠原は今年オフに引退とみる.


二遊間 レギュラー     対抗        控え        育成
2塁                藤村(23)     高口(29)*    伊集院(24)
遊撃     坂本(24)     古城(36)       仲澤(25)        脇谷(31) *
                  寺内(29)  (立岡)      和田(20)
                             (中井)      荻野(24)           
                   (山本)      円谷(28)  
                                         財前(25)
                                         丸茂(24)

 レギュラーはショートの坂本のみ.2塁は寺内・古城・藤村で適当に回している.寺内(打率2割5分)で固定してもよいように思うが,原さんとしては,藤村の足や古城の意外性のある打撃を捨てがたいのだろう.中井は2軍では2塁を守ったりしているが,原さんは中井の2塁守備は全く信用していないようで,1軍では2塁手として使うつもりはないようである.山本も原さんの眼中にはないように見える.外野からコンバートされた丸茂がショートや二塁で頑張っていたが,結局1軍戦力になり得るとはみなされなかったようで,支配下登録にはならなかった.脇谷がケガから復帰すれば,あっさりと2塁のポジションを取り返けすような気がしないでもない.
 ということで2塁には穴があいたままである.坂本の代役を務められそうな選手もいない.二遊間を守れる強打の内野手をドラフト2,3位くらいで取りにいくのではないだろうか?
  なお,育成で二遊間向きの選手がたくさんいるが,第2の2軍創設のために,とりあえず守れる選手をかき集めた所がある.第2の2軍の試合は(清武さんが抜けたこともあって),今年に入って急激に減っているので,脇谷・和田・丸茂を除く上記の育成選手はすべて戦力外になる可能性がある.

    レギュラー     対抗        控え        育成
3塁     村田(32)    (古城)      山本(26)     (伊集院)
                            中井(23)      (脇谷)
                            高橋洸(19)     (円谷)

 昨年までのサードの大穴は,村田が入ったことによって解消した.ただ,村田の対抗馬がいないことも事実である.中井の3塁守備を原監督は信用していないし,大田は外野にコンバートしたし,山本は眼中にないようなので,強打の3塁手(二遊間がまもれればなおよい)をドラフトで取りにいくだろう.

       レギュラー     対抗        控え        育成
外野       長野(28)    谷(39)      橋本(22)        小林孝(28)
         高橋由(37)    鈴木尚(34)     大田(22)     
         松本哲(28) 矢野(32)     立岡(22)*   
                        加治前(27)     (田中大)
                               (ボウカー)   
                                隠善(28)    
                                (亀井)   
                              

 長野が原監督に「枢軸の一人」と呼ばれるほどに成長し,松本が復活し,高橋・谷といったベテラン勢も元気なので穴は感じられない.外野の層は厚いので,外野手登録されているボウカーも亀井も1塁手の方に私は回している.ただ,対抗も控えも右打者が多く左打者が少ない.強打者タイプの左打ちの外野手をドラフトで取ってくるというのは有りだと思う.
 
 整理すると,二遊間やサードを守れる強打の内野手が優先順位1位(個人的には右投げ左打ちを希望),打てる即戦力捕手が2位,左打ちの強打者タイプの外野手または1塁手が3位という所だろう.まあ,打てる即戦力捕手は,人材も少ないし他球団も欲しがるからドラ2以下での獲得は難しく見送る可能性もある.

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