原監督を考える(その4):非情さと人気をあわせもつ監督

川上さんの非情さは有名である.まだまだ「個の時代」であった日本のプロ野球に管理野球を持ち込み,反発した中心選手の広岡さんを切ったのは有名な話である(まあ,その広岡さんが,後に自分が監督をするときは徹底した管理野球をやったわけですが・・).また,「哲のカーテン」と言われる報道規制を行ったこともあり人気は全然なかった.


 原さんも非情である.堀内監督から原監督へ移行するときに清原・ローズを切り,2007-2009年のリーグ3連覇の功労者であるラミレス・小笠原も切った.高橋由を切る準備も着々と進めている観がある.巨人ほど「勝利至上主義」ではない阪神が,金本選手を切るのに苦労したのとは対照的である(これは価値観の問題であり,阪神がダメと言っている訳ではありません).にもかかわらず原さんは人気がある.

 お父さんの厳しいしつけと,東海大相模-東海大とアマチュア野球部の「王道」を進んできたおかげで,目上の(うるさい)プロ野球OB(=評論家や監督・コーチ予備軍)に人気がある.甘いマスクとさわやかな印象とともに,巨人の4番としての活躍を覚えているファンや選手が健在な一方,王さん・長嶋さんの現役時代の成績と比較して酷評するような人は稀になった.監督としては,巨人の勝負に関係のないところでの気配りを欠かさない.今年のオールスターでの谷繁捕手の抜擢や,一岡投手の使い方などもその一例だろう.「新入生のときから知っている。こういう舞台で投げられてよかった」と語って一岡を感激させたそうだが,こういうのは星野監督あたりから学んだ「演出」のように思える(「新入生の時から知っているのなら,プロテクトリストから外すなよ!」という舎人さんや茶柱さんの声が聞こえる.).マスコミにも丁寧に対応し,「ジャイアンツ愛」とか「サムライジャパン」とか,マスコミが喜びそうなキャッチフレーズも提供する.

 人気があるというのは大事なことで,有力アマチュア選手も(FA資格を持つ)プロ選手も将来の入団先として巨人を考えてくれるし,監督で客を呼べるとなれば球団も投資する.菅野はもちろん,FAで杉内・村田・片岡・大竹を巨人が獲得出来たのも,原監督の人気と無縁ではない.
 

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