あえてクルーンを擁護する(10/10,179970,8)

昨日,西武が,CS第1戦で9回表5-1の圧倒的に有利な立場にありながら,抑えのシコースキーが打たれて同点にされ,結局逆転負けをしました.試合の重さからいっても内容からいっても,8日の巨人とは比較にならないくらい手痛い敗戦です(CS開催権とかいう営業の話は抜き).これもまた,今年の西武を象徴するようなゲームでしたが,この西武の姿は,ほんの数年前までの巨人の姿でした.


1984年〜1992年に巨人で20セーブ以上上げた投手はいません.1993年(平成5年)に石毛がようやく30セーブを上げましたが,それ以降,1999年の槙原まで20 セーブをあげる投手は巨人にはいませんでした.その槙原も2000年にはわずか9セーブ,2001年には岡島が25セーブとがんばりましたが終盤ばてて,2002年は河原が抑えになりました.河原は28セーブとがんばって原巨人1年目の優勝に貢献しましたが,2003年はわずか7セーブ.2003年 -2006年と20セーブを越える投手はおらず,2006年の第2期原巨人の1年目に豊田を獲得しましたが,豊田は期待外れで13セーブにとどまりました.やむなく,2007年に上原を配置転換して32セーブでしたが,これはあくまでも一時的な措置でした(参照:http://kaztakao.cs.land.to/stopper20years.html).

20セーブ以上を2年続けてなしとげた投手は巨人にはおらず,抑え投手の固定というのは長年の巨人の課題だったのです.少し古い巨人ファンなら皆覚えているはずです.9回3点リードというのが,全然,セーフティーリードではなかった時代のことを.しかも,その「時代」は決して短いものではありませんでした.


2008年に巨人に来たクルーンは,2008年41セーブ,2009年27セーブ,2010年も25セーブをあげてくれました.2009年は,リーグ優勝も,CS優勝も,日本シリーズ優勝も,最後のマウンドはすべてクルーンでした.確かに,クルーンの制球は不安定で,生で見ている人は耐えられないでしょう.私も,クルーンが出てきたらテレビを見ることはできません.しかし,その圧倒的な球威で,結果を出してきたことも

事実です.そして,そのクルーンを,本当に辛抱強く使い続けてきた原監督も見事でした.


肉体的なきつさは,中継ぎの方が上でしょう.しかし,精神的なきつさを考えると抑えの方がずっと上です.クルーンが抑えで3年がんばってくれている間に,山口・越智というところが育ってきました.しかし,山口・越智が,1年あるいはそれ以上の期間,抑えをまっとうできる精神力を持っているかということについては,私はまだ疑問を持っています.


今年のシーズン半ば,先発投手だけでなくリリーフまでもおかしくなったとき,圧倒的な球威でなんとか踏ん張っていたのはクルーンのみでした.空回りすることも多いけれど,打者に対する闘争心ということでは巨人リリーフ陣の中でNO1です.今年はクイックも習得するなど向上心も持ち合わせています.


不動の抑えだとは言いませんが,勝ちパターンを任せられるリリーフとして,クルーンはまだまだ必要な戦力だと私は思います.

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