策で勝って野球の不思議さに負けた落合監督(4/11,128025,9)

昨日の巨人-中日戦の8回裏の攻防の話です.


 


スコアは4-3で巨人が1点リード,二死一塁で打者は8番打者のエドガー.打率は2割2分で本塁打0のバッターです.中日の投手は鈴木投手,カウント0−2となったところで,ベンチから指示がでて,次の2球は敬遠気味で四球となりました.9番は越智で,代打は出ないと踏んで,ランナーを2塁に進めても,越智投手(プロ入り後安打なし)と勝負した方が抑える確率は高いと思ったのでしょう.ところが,越智が鈴木投手の外角へのスライダーを快打して,打球は前進守備のセンターの頭を越え,だめ押しの2点タイムリー2塁打となりました.後は押せ押せで,ラミレスの満塁本塁打(1000打点達成)まで飛び出しました.


 


原監督も,試合後のインタビューでこの場面を振り返って「8回裏に打席が回ってくる可能性のある打順(9番)に越智をそのまま入れたのは私のミスだった.ラミレスの所に入れるべきだった.中日には,越智を代えることがないのを読まれていた.」という趣旨のことを述べて,「ベンチの策」としては,中日(落合監督)の方が上回っていたことを認めていた.でもそのミスを「越智が救ってくれた.選手たちには改めて感謝したい」と続けて原監督は述べていて,このあたりは,選手をほめてその気にさせることの上手な原監督らしいと思った.


 


原監督の「ミス」がなければ,昨日の勝負は微妙だったし,越智のプロ入り初安打・初打点も,ラミレスの1000打点もなかったろう・・野球の不思議さである.


 


落合監督の思いきった策が野球の不思議さに負けた他の例として私が思い出すのは,2007年9月の中日-巨人戦である.延長戦に入り,二死でランナーが一人か二人の状況で,「巨人にはもうたいした野手はいない」と落合監督は読んで満塁策を取ったのである.実際,巨人には高卒1年目で1軍に上がったばかりの坂本しか野手では残っていなかった.原監督は代打で坂本を出し・・坂本は見事に勝ち越し打を放って,プロ初安打・初打点・初勝利打点をあげるのである.


 


今の坂本があるのは,そのときの落合監督の策のおかげかもしれない・・・・


 


昨日の試合の8回裏の攻防は,野球の不思議さ・おもしろさを深く考えさせてくれた.


 

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