
「監督という仕事」 ~アルベルト・ザッケローニ 第4部~
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ペスカドーレ
2011年12月23日 19:45 visibility133
SAMURAI BLUEのアルベルトザッケローニ監督が語る「監督とは?」
監督の中には選手たち皆に、同じように接するということが正しいという哲学を持っている監督もいらっしゃるかと思いますが、私個人としては、2人として同じ性格の選手はいないわけですから、それぞれ違った接し方をします。誤解していただきたくないのは、ルールは全員に公平です。ですが、監督と選手の関係はそれぞれによって変わるということです。
グループの中にはパーソナリティーがあって、性格の強い選手もいれば、そうではない選手もいます。パーソナリティーがある選手には責任感を持たせ、チームの中での役害をお願いします。パーソナリティーの少ない選手には、試合の中でこれをやってくれ、ということを伝えます。中にはプライドの高い選手もいますが、そういった選手に対して厳しく叱らないということも考えます。例えばハーフタイムの時点でそのようなプライドの高い選手に、「さっきのはミスだ、ああいうふうにしてはいけない」というようなことを回ッカールームの全員がいるところで言ってしまったところで、その選手は後半はずっと消えてしまうことが分かっているので、そのようなことはしません。選手の性格、能力をしっかり見極めていくことが重要です。
後ろを振り返るのは好きではなく、前を向いていくことの方が好きなのですが、30年間のキャリアを少し振り返ってみると、プレシーズンの時期の約6週間、その間選手とゆっくり、じっくりと時間をかけて創り上げて過ごしてきたシーズンでは、予想以上の結果が出ていました。
それはなぜかと考えたときに、自分の手元にいる選手に関して、その時期に深く知ることができたからではないかと思います。強いグループ、団結したグループをつくることができたわけですが、そのときに共通して言えたことが、そのグループの中で何か一つ共通のものを見つけられたこと。
その共通の何かが何であるかは、チームが違うので変わってくるわけですが、例えば意地であったり、例えば最初から降格組だと烙印を押されていて、皆がある意味での反骨心を持ってやったシーズンであったり、また例えば友情関係がしっかりとしていたときもありました。
そういったことはいくつか異なるものもあったわけですが、そのグループが「何かしてやろう」「何か驚かせてやろう」という強い気持ちを持ったときに、強い団結は生まれます.強いグループを形成していく上で、分かりやすい例を挙げるとすると、スタメンの選手から1人なり2人なり3人が交代して、そういった状況でも後からサブが入ったと感じさせないようなプレーをして結果を出してくれる。そうしたグループが強いグループ形成だと思います。そういった現象がチーム内に起こってきたシーズンには、監督の仕事は80%できたようなものです。
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2011年12月23日
- 事務局に通報しました。
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