ジャイアントキリング ~「タフなメンタル」と「チャレンジする気持ち」~

 

 先日コーチしている中学校がリーグ入替戦に進出し、連勝で昇格が決まりました。部員数はわずか10名(2年生6名、1年生4名)、正直入部当初はほとんどの選手が、技術力がある訳ではなく、フィジカルがある訳でもない。しかし選手たちは日に日に成長し、全員一丸となって「タフなメンタル」と「チャレンジする気持ち」をこの大一番で見せてくれました。

 相手は1年生主体とはいえ、小学校時代から名門クラブでサッカーを続けてきたエリート相手だった。前日の1回戦では県南部の強豪を6-3で圧勝しており、その年代のエース級がゾロゾロいるチームであった。

 

 前半0-3の劣勢から、背水の陣での監督のカケが的中し、後半追いつき4-4でPK戦を迎える。相手一人目をGKが足でシャットアウト!まるでなでしこジャパンのワールドカップ決勝かのようなセービング、その後は全員がゴールネットを揺らし5-4での劇的逆転勝利での終焉だった。世に言う「ジャイアントキリング」とも言っていい勝利にチームの士気はさらに高まっているのは言うまでもない。

 

 

 勝つために「強い気持ち」が必要と分かっていても、それを実行するのはなかなか難しいことである。強い気持ちが必要とされる代表的場面がこのPKである。このPK戦をドイツ代表はワールドカップにおいて過去4度経験し、これに全て勝利している。対照的に、PK戦で勝利したことがないのがイングランド代表である。

 相手にリードを許している場面でも決して諦めることがない『ゲルマン魂』は、ドイツ人選手のひとつの特徴と言える。

 

 

 日本では、「チームのために“個”を犠牲にしなくてはならない」という考えがまだまだ強く残っているが、ドイツでは「まず個人での闘いがあって、そこで勝ってこそ初めてチームの役に立つ」という考えをみんなが共有していると言われている。

 

 ミスをしたら監督やコーチに怒られるから安全なプレーを選択する。それは「逃げている」ことと同じだと思います。ドイツの選手はみんな個人の闘いがチームのためになると意識しているし、積極的に、かつ責任を持ってリスクを冒すチャレンジを選択できるのだと感じます。

 つまり、「自分勝手な自己主張」ではなく、「良い意味での自己主張」を全員が責任持ってできているということであり、『チャレンジする気持ち』を常に抱いているということです。

 

 サッカーにミスは当然のことだとみんなが理解し、チャンスを作るために、ミスを恐れずに、個人個人が責任を持った積極的なプレーを仕掛けることが重要であり、これを全員が理解してプレーできると『どんな時でも諦めないチーム』=『強いメンタルのチーム』になれるのだと思います。

 

 

 さらなる『ジャイアントキリング』を続け‥そのうち逆のドイツのような目標とされる側に立ちたいと願います!!!

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