第一回選手権優勝校を逆から＆皆勤校放浪記〜関西学院（後）

（逆光で何やらよくわかりませんが、中学部・高等部の門です）
さて、第４回大会の兵庫予選、関学中は明石農を28−０、神戸一中を９−２、御影師範を10−０と圧倒。決勝は神戸商にリードを許す展開でしたが終盤８回に一挙３点を取って逆転。代表権を獲得しました。
全国各地の予選も８月９日までに終了し、１４代表は関西入りしましたが…

時は大正７年。７月下旬、富山県魚津に端を発した米価高騰に対する抗議行動が瞬く間に全国に波及した、世に言う「米騒動」の年でした。８月中旬は騒動がピークに達しており、主催の朝日新聞社はいったん延期の方針を打ち出しますが、８月１６日に大会中止を決定。「幻の全国大会」になります。
（↑ナレーション：松平定知（嘘））

翌・第５回大会は予選で敗退。この年兵庫代表となった神戸一中が兵庫勢に初めての優勝をもたらしたのは神戸高校放浪記で書いた通りです。

第６回大会、関学中は再び代表権を勝ち取ると全国大会でもその勢いは衰えず、決勝では慶應普通部を17−０と大差で下して優勝しました。関学主戦の沢投手は決勝こそ大量点に守られて完投していますが、当時から肋膜を患い発熱を押しての登板だったといいます。翌年には若くして世を去ったそうです。

戦前は春５回夏６回出場、春夏１回ずつ全国制覇の古豪。春は1998年に63年ぶり、夏は2009年に実に70年ぶりの復活出場を果たし、それぞれ１回ずつ出場回数を増やしました。中京大中京と接戦を展開した2009年夏の戦いは記憶に新しいところです。

甲子園球場外周に立つモニュメント「野球塔」。プレートには第４回の米騒動と第５回・第６回の兵庫勢連続優勝の記録が刻まれています。