明暗を分けた投手起用

  • 紗代光
    2012年08月27日 04:48 visibility97
ベスト4に残った明徳義塾高(高知)と東海大甲府高(山梨)は、プロが注目するような選手こそいないが、全員で勝利を勝ちにいく姿が印象深かった。改めて野球はチームスポーツだと再認識させられた思いだ。

 そんな意味では、特に投手起用で明暗を分けるチームが多かった。
 特に3回戦で敗れた浦和学院高(埼玉)がその典型。春に大阪桐蔭高に敗れ、日本一を目指す中で、このゲームではエースの佐藤拓也ではなく、2年生の山口瑠偉をマウンドに送った森士監督。そこまでは良かったのだが、序盤に失点する中で、ゲームプランを修正できずにエース・佐藤を5回まで温存することになってしまった。立て直しを任された1年生左腕の小島和哉も失点し点差を広げられ、致命傷となった。
「こんな形で終わってしまって悔しい」と涙した佐藤。森監督は、「私のミス」と口にするのが精いっぱいだった。せめて3回からの2番手が佐藤だったならば、失点したとしても納得できる負けだっただろう。そう考えると、指揮を執る監督は、大変な使命を背負っている。

 逆に準決勝でエース・神原友を先発させられなかった東海大甲府高は、もう一人の柱である本多将吾が打たれても、同じ3年生の木下樹をマウンドに送った。結果は敗れたが、チームとしての集大成は見せられたのではないだろうか。

 夏の大会は頑張ってきた3年生が一番光り輝く舞台。その重みを1、2年生に背負わすのは酷だと言うことを全国の指導者には再認識してほしい。

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