お疲れさま、ジャーマネたち
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ケン#39
2007年08月11日 13:09 visibility126
夕べ、晩飯時にふと、テレビを点けるとたまったま高校野球の中継を目にした。
第4試合の9回裏、0:1で追う側の攻撃。ヒットとパスボールで2アウト・ランナー
2塁と一打同点まで詰め寄ったが、敢え無くゲームセット。
勝利チームの校歌斉唱の後、両校の選手たちがアルプススタンドに駆け寄り
主将の合図を機に一礼する見慣れた光景が映し出された。
勝ったチームの選手たちは、真っ黒に日焼けした顔にひときわ目立つ白い歯を
見せ、ベンチに入れずスタンドで応援してくれたチームメイトや、遠方から駆け
つけてくれた同級生、家族たちと、「やったぞ」「勝ったぞ」と喜びをわかち合う。
一方で、敗れたチームの選手たちの中には、深々と下げた頭を上げることが
出来ず、そのまま崩れ落ちるように膝をつき、チームメイトに両腕を抱きかか
えられ、引きずられるようにベンチへ向かう者もいる。
そこでふと、あることに気がついた。
!!。 ありゃ?制服を着た女子生徒がおるっ!
え? いつからジャーマネもベンチに入れるようになったの?
ねぇ、いつから? ねぇ、いつからなの?
ボクの高校時代にもジャーマネがいたが、当時は地方予選でさえベンチ入り
は許されていなかったように思う。
ましてや福岡の片田舎。監督さんは市職員で、部長先生は古典の先生。
彼女たちは、練習中のグランドに足を踏み入れることさえ許されていなかった。
ボクたち部員と言えば、ほれ、思春期真っ只中の素朴でシャイな青少年たちな
わけで、彼女たちとの距離を測りかね、どうかかわればいいのかよくわからず
にいた。
だから、ボクらのジャーマネは普段はグランドの外から遠目に練習をながめに
来るか、たま〜に、気がついたら部室の掃除をしてくれてたりとか、そんなかか
わり方しかしていなかった。
野球部の部室に掃除に入るなんて、さぞかし勇気がいったことだろう。だって、
年頃の野郎どもの巣窟なわけで、見てはいけないものを発見してしまう可能性
大だったし、いつ洗ったかわからんようなスラパン(スライディング時のスリ傷を防ぐ
ための厚手に作られた長めのパンツ。多くの場合、下着を脱いで "直に" はく。)
が、そこらに転がってたりするし。
それに、汗と泥の匂いで、野球部の部室は カブトムシの匂いがする、ってうわさが
あったくらいだから。
今思えば、ひょっとすると、彼女たち自身も、ボクら部員との距離を測りかねて
いたのかもしれない。
な〜んてことを考えながら、ふと思った。
どうせなら、彼女たちも、校歌斉唱の時に、選手の列に混ぜてあげればいいのに。
おいちゃん的には、そういうのも微笑ましくていいんじゃないかなぁ、なんて。
お疲れさま、ジャーマネたち。
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