母国での決勝を目指すルーマニアの5チーム
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2011年08月17日 10:48 visibility277
FCステアウア・ブカレストは1986年、セビージャで行われた欧州チャンピオンズカップ決勝でFCバルセロナを倒す大番狂わせを演じ、ルーマニア勢として初、そして現在のところ唯一の欧州主要大会での栄冠を勝ち取った。それから四半世紀が過ぎた今季、ルーマニア1部リーグからは5チームが、18日に始まるUEFAヨーロッパリーグ・プレーオフに出場する。どのチームも、来年5月に首都ブカレストで行われるUEL決勝への出場を目指し、挑戦を始める。
そのうちのひとつ、ステアウアは激動の夏に終止符を打ちたいところだ。今夏、同クラブはブラジル人ストライカーのレアンドロ・タトゥ、フロリンとミハイのコステア兄弟を獲得し、チーム編成の全面的な見直しをはかった。加えてこれまでのホームスタジアムが使用できなくなり、2012年のUEFAヨーロッパリーグ決勝会場に予定されている新ナショナル・スタジアムはまだ完成していないため、PFC CSKAソフィアとのプレーオフはクルージュ・ナポカで行われることになった。だがこの街はブカレストから400キロも離れており、むしろブルガリアの首都ソフィアに近い場所にある。
CSガズ・メタン・メディアシュ、FCディナモ・ブカレスト、FCバスルイもUELプレーオフに参戦するが、一歩抜け出ているとみられるのが、今夏の大型補強で勢いに乗るFCラピド・ブカレストだ。前主将のコスティン・ラザルはPAOK FCに移籍しチームを去ったが、ユリアン・アポストル、ダン・アレクサ、ロメオ・スルドゥが新たに加入。さらにはFCシャルケ04からチプリアン・デアクを期限付きで獲得するなど、強化に余念が無い。
ラピドは今季リーグ戦開幕から3戦2勝と、順調なスタートを切った。UELでスウォンスク・ウロツワフとのアウェー戦に臨むラズバン・ルチェスク監督は、新国立スタジアムでのUEL決勝に出場する「特別な感慨」について語った。だがもちろん、そのためにはまずプレーオフに勝利しなければならない。
さらに厄介なことに、ガズ・メタン(本拠地はクルージュ・ナポカ)とバスルイ(本拠地はピアトラ・ニャムツ)はホームスタジアムがUEFAの基準を満たしていないため、ステアウア同様、UELプレーオフのホーム戦を普段とは違う環境で戦うことになった。そのため、ホーム戦にもかかわらず往復に1100キロを要するティミショアラの街に遠征を強いられる。実際、真のホームと呼べる場所でホーム戦を戦えるのは、ルーマニア勢ではFCディナモ・ブカレストだけだ。予選3回戦でNKバラジュディンとの激戦を制したディナモだが、プレーオフ第1戦でウクライナで待ち受けるFCボルスクラ・ポルタバも相当の難敵となりそうだ。
元ルーマニア代表DFで新任のリビウ・チウボタリウ監督はこう語って気を引き締める。「ボルスクラ・ポルタバを侮ってはいけない。楽に勝てる相手ではない。それどころか、強くアグレッシブな選手を揃えている。十分な警戒が必要だ」。しかし、ディナモにも明るい材料はある。今夏に数人の選手を移籍で失ったものの、経験豊富なベテラン勢がここに来て調子を上げており、マリウス・ニクラエとヨネル・ダンチウレスクは共に国内リーグでゴールを挙げ、チームの順調なすべり出しに貢献している。
国内リーグ開幕3連勝のディナモは、3節を終えて勝ち点9の首位に立っている。UEL予選3回戦で下馬評を覆し、PK戦の末に1FSVマインツ05を破ったガズ・メタンも5-0で撃破している。そのガズ・メタンは、FKオーストリア・ウィーンと対戦するプレーオフでも劣勢とみられており、また、UEFAチャンピオンズリーグ予選3回戦でFCトウェンテに敗れてUELプレーオフに回り、ACスパルタ・プラハと対戦するバスルイも同様だ。しかし、はるか昔にステアウアが身をもって示したように、サッカーでは時に、劣勢とみられたチームが予想を覆して勝利を収めることもあるのだ。
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