(非野球)そこはまるで反り立つ壁のよう

  • ジョン
    2014年08月26日 15:10 visibility405

たまには、野球以外のことを。

4月から一人暮らしを始め、堕落した日々を過ごしていることもあってか、生活がかなりだらしなくなりました。同時に、身体もだらしなくなってしまいました。視線を腹に向ければ、皺の寄った贅肉が私に対し、日々の怠惰さを語りかけるものです。
Twitterを覗いていたら「大学生をダメにするものは、麻雀でも酒でも煙草でもなく、布団である」という呟きがあり、妙に納得させられてしまう自分がいるのです。

脂肪の燃焼の為には、大きな筋肉を発達させるという事が鉄則です。大殿筋、大胸筋、大腿筋あたりがその部位にあたるわけですね。7月16日、贅肉の語りかけに対して遂に嫌気が差してしまった私は、暫し寝具に別れを告げ、落ちに落ちた筋肉を増やすべく、サイクリングで遠出をすることに決めました。もう1ヶ月以上経ってるのですね。

さすがにアテもなく漕ぎ続けるほど根気強くない私は、バッティングセンターに行くことに。京都市内にはバッティングセンターがあまりない上に、最寄りの施設が10キロ先に位置していることもあり、何ヶ月もの間、なかなか足を運べないでいました。
ただ、10キロ先…往復20キロ…、どうもこの少年はその距離の長さに不満な様子。そんな時、自分が所属しているソフトボールチームのチームメイトが「亀岡市に良いバッティングセンターがある」と以前言っていたのを思い出し、場所と距離とルートを確認したところ、その施設は国道9号線沿いにあり、距離にすると27.5キロとのこと。
このくらいの距離走れば、この脚のだらしなさも解消される…。そう思ってしまった私は嵐でも来ない限り止まりません。久しぶりにバッティングセンターに行けるという気持ちも加わり、やる気が満ち溢れてくるものです。
ただ、そんな私もバイトが始まる17時までには帰らなければなりませんでした。

大体片道1時間~1時間半。施設利用時間も含め、往復で4時間ほどを予定していました。
11時半に出発し、20分ほどして駅伝好きの私にはたまらない、全国高校駅伝や都道府県対抗女子駅伝などが行われる聖地である西京極陸上競技場の前を通り、感激。




























































































更に漕ぎ続けると、右手に京都府で一番高い山、愛宕山が見えてきます。
国道9号線上で、桂川の真上に架かる西大橋から撮影したものです。

























ここらでちょうど7キロ地点。
まだまだ先は長いです。ただ、傾斜はほぼ横ばいだったので、ここまでは余裕はありました。
まず、2キロほど先に行ったあたりでした。先鋒と言わんばかりに、高低差100mほどの急勾配の坂が立ちはだかります。

今回のルートは高低差が200mほどありました。
























こんな感じの高低差でした。この急勾配の坂は、いわば1つ目の山ですね。
登りきったものの、普段は勾配のない平坦な道を走っているので、いきなりこうも急な坂を登ると息が切れてしまう上に、脚も痛めてしまうものです。なんたって、ママチャリに少々変速ギアがついたような安物自転車ですからね…。身体にかなりのダメージが加わります。
加えて、この日は猛暑でした。西京極陸上競技場付近の気温は12時前にして36℃。暑さと疲労のダブルパンチを食らってしまったので、道中のコンビニに寄って小休憩と水分補給。

(レジにて。)

店員「………(疲れのせいで、何を言ってるのか聞こえてない)はお持ちですか?」

私「(どうせ、店員が欲するものなんて持ってないわ…)いえ、持っていません。」

店員「今なら……、……しましょうか?」

私「(そうか、何かしてくれるのか。僕に尽くしてくれるのか、有難い…。)あ、お願いします。」

店員「それでは、こちらの記入用紙に後日記入して、またお持ち下さい。」

と言って渡されたのはTポイントカードの申込用紙。
めんどくさいことになったと思いながらも、一度お願いしておいて拒否するわけにもいかず、渋々受け取ることに。
「あぁ、長居してしまった。」と反省し、また漕ぎ始めるわけです。沓掛ICの手前から再出発し、いよいよ木々が生い茂る山へと向かったわけですが、その山道は曲がり道が多いために見通しが悪く、更にトラック等の交通量も多い上に歩道がない最悪の道でした。ここが高低差200mと表示されていた要因となっている、高さ230mの峠です。昔の映画の舞台にもなっていたみたいです。
通っているルートも最悪でしたが、それと比例するかのように私の陥っている状況も最悪なものになっていきました。薄着で家を飛び出し、猛暑の中を大汗かきながら10キロ以上漕ぎ、ほんの数十分前にコンビニの冷房で体を冷やしてきたのです。

おわかりでしょうか。もちろん、腹が下ります。
峠を登る登る、腹は下る下る。
登れば登るほど、腹は下っていきます。

さすがにもう我慢できない…けど、ティッシュ持ってない…。(所持品:飲料、財布、携帯)
紙がない…、峠にコンビニないかな…コンビニ…コンビニ…

…( ゚д゚)ハッ!モレル!

…よし、そこらで…

さっきもらったTポイントカードの申込用紙を取り出し、引き裂き、以下割愛…

ありがとう、ローソン。(壮絶なノンフィクションとして、どうでしょう)

























この山は大枝山といいまして、よく昔の武将の交通の要地となっていたようです。
現在では、「老ノ坂峠」と言われ、地元ではキツい峠として知られています。
(亀岡までチャリで行った、というと、老ノ坂峠を知っている人ならば必ず驚かれます。)














そうこうする間に、坂は登りきり、そこからずっと下りです。
道中、亀岡市に入ったという事はわかっていたので、そろそろ着くものかと思っていたところ、目的地は亀岡のかなり奥の方だったみたいで、漕げども漕げども着きません。
結局、着いたのは14時前。2時間半近くかかってしまいました。














亀岡ドーム、着きました。ドームと言っても、普通のバッティングセンターです。
ただ、中のアミューズメント機器が充実しており、更にバッティング設備も悪くなく、中学校が隣接されていることから、おそらく溜まり場として地元の人には愛されているのではないでしょうか。
そして、写ってる自転車が、私が使った自転車です。
普通の通学用自転車です。山を登るには全然向いていません。
よくやったものだと、自らを褒めたいです。

ちなみに先述の通り、バイトは17時からです。
なんとかやりたいことを済ませ、終えたのが14時半。
行きに2時間半かかっているので、そろそろバイト遅刻が見えています。行きに漕ぎ続け、施設内でも動き続けていても、今度は遅刻に追われて漕がなくてはなりません。
必死に漕ぎました、必死に漕ぎ続けて、峠に差し掛かる軽い登り坂にさしかかったところで、自転車から降りようと、左足を地面につけた途端…。

左太腿痙攣…

更に右足をつけたところ…

右太腿痙攣…

一瞬にして、灼熱の陽射しを浴びる中で歩行不能となり、ノックダウンを奪われました。
足を伸ばしたら攣るため、歩道のど真ん中で屈んでいましたが、様子は、道行く人には野糞をしているようにしか見えなかったでしょう。
10分以上の思わぬタイムロスを食らった上、その先には行きの峠が…
必死に歩きました。歩いて頂上まで登り(この時点で自転車で行った意味が何割か薄れているような気がしなくもないが)、そこからは勾配に身を任せて下り、バイト職を失う懸念をずっとしながら漕ぎ続け、なんとか間に合いました。
その必死さが実を結び、散々酷使し、筋疲労を起こした両脚は、太く逞しくなっていました。目的を果たしました。



後日、また太腿の太さは戻っていました。

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