セリーグの将来への危機感

昔はセリーグの人気は盤石だと思えた。巨人人気におんぶにだっこだったころは、誰もが巨人軍は球界の盟主だと思っていたに違いない。しかし、どこからこの「神話」は崩れるようになったのだろう。昔日本シリーズでオリックスと巨人が戦った時のイチローのコメントが未だに頭にはなれない。彼は「球団の名前とか、歴史とかで野球を語るのは古すぎる。老舗球団とか言うけど、やっている選手は現在の選手。球団の歴史や名前を相手に試合するわけじゃあない。」ときっぱり言い切ったところだ。まさにその通りだ。巨人と言う球団のユニフォームを着ていると言うだけで、伝説になったような選手たちが相手ではないと言う事と、振り返ればイチローはこの時から、日本プロ野球と言う場をステップアップの場だと位置づけていたのに違いない。

 

そう考えると野茂が近鉄を出てドジャースへ移り、アメリカ全土を震撼させるような活躍を演じて、日本プロ野球選手たちにメジャーリーグへの道を開いてからの日本プロ野球界は激変したと言っても過言ではない。しかし、その激変したプロ野球界において「盟主」と言われていた巨人軍と言う老舗球団が、イチローの言葉に危機感を、野茂のたった一人でメジャーへの風穴を通して日米の懸け橋を作った後に、将来への布石をしたのであろうか。いささか疑問に思う。プロ野球草創期からV9時代まで「球界の盟主」であり続けた環境は、今では全く面影すら感じない。何しろ地上波テレビがもう野球放送が「視聴率が取れないコンテンツ」と烙印を押してしまっているのだ。そしてプロ野球が見たければ、スカパーやケーブルテレビで自分の好きな球団の試合を選んで見る時代になった。ここで頭をかしげたくなるのは、巨人の親会社読売新聞社がテレビ局も持っていながらも、なぜ地上波の野球は視聴率が取れないと言うテレビ業界の潮流にのってしまったのかと言う事だ。日本テレビだけは、巨人戦を放映すると言う姿勢で行けば、他の地上波チャンネルと差別化が可能だったはず。しかも、巨人軍は自分のところの子会社であり、優良コンテンツであると世間に意識付けする絶好のチャンスだったのに、日本人特異の「右向け右」の精神構造をさらけ出して「皆が一緒なら怖くない」ってな感覚だったのだろう。悪いけどイチローや野茂のような、無い物はぶっ壊しても作り上げてやろうと言う開拓精神を持った選手たちが「古い暖簾」をかかげていれば、客が入ってくると勘違いしているような「老舗をかざした」ような威張った球団に魅力を感じるわけがない。しかも、外国人枠など無いメジャーの野球の「うまい選手だったら、メジャーでやらせて、多くの観衆の中でスポットライトを浴びさせたい」と言う考え方にファンがとびつかないわけがない。大谷がメジャーで二刀流をやってのけ、そのうちにはリッキーヘンダーソンのような快速を飛ばして盗塁を量産する日本人選手が海を渡る時代が必ずやってくる。その時も巨人や他のセリーグの球団は、今と同じようなことをしているのだろうか。いや、広島、横浜Denaはローカルに根付いたビジネスをやっている。巨人とヤクルトが東京に二球団あることの危機意識の無さ「東京は国の中でも人口が最大」と言う、客が入るのは当たり前意識が未だに抜けていないでのビジネススタイルが継続できると考えているのではないだろうか。もはや時代はパリーグのローカルビジネス戦略が花開き、リーグ全体で盛り上げようとしている姿は、後々のセントラルリーグを越えてしまう可能性は十分にあり、阪神ファンを公言している私にとっては、セリーグよ、もう一度隆盛をと言いたいのだが、おそらく6球団が手を取り合ってと言う状況になるのにかなりの時間がかかるのではないだろうか。セリーグの危機感は、ファンが来なくなってから考え始めるのではと想像するばかりである。

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