歴史を受け継ぐ球場 (札幌麻生球場)

  • Mr.black
    2013年05月09日 13:02 visibility5484

野球場が新設されるのにはいくつかのパターンがあります。

その一つに「既存の野球場が老朽化し、閉鎖することになったのでその代替えとして別な場所に新たに作られる」ケースがあります。今回取り上げる札幌麻生(あさぶ)球場もそんな野球場のひとつです。

 


↑ 札幌麻生球場。外観や内部構造は円山球場に似ています。


札幌の有名な歓楽街、すすきの。この「すすきの」の南には中島公園があります。

かつてその公園内には「中島球場」がありました。作られたのは円山よりも古かったのですが、グランド・スタンドとも円山より小さかったのでもっぱらアマチュアの野球で利用されていました。中島球場が老朽化で閉鎖されることになったので代替えとして札幌市北区に作られたのが麻生球場というわけです。

 


両翼92m、センター111m、とグランドは狭いです。周囲が住宅地で充分な用地が確保出来なかったのかもしれません。住宅が近いこともあり、鳴り物を使っての応援は出来ないそうです。

そして照明はありませんが、もしかしたら同じ理由なのかもしれません。何だか昔の藤井寺球場を思い出します。(なお、照明の件は私の勝手な想像にすぎませんので。)


この球場が完成したのは1980年。完成するとともに中島球場は閉鎖されました。アマチュア野球を支える役目を引き継いだわけですね。日本各地にはこのように歴史や役目を受け継ぐ野球場が他にも多々あることでしょう。

 


内野スタンドは全て長イス。

ファールボールが外に出ないように最上部には防球フェンスが作ってあります。ただ、さほど高くないので時々打球が飛び出しました。すぐ外には駐車場がありますが、置く場所を考えないといけないでしょうね。帰る時に車を見たらボコボコなんてたまりませんね。(汗)

 

 

外野は芝生席。全体で収容数は12,000人。アマ用としてはなかなかの規模です。

内野の前面フェンスはやや高め。スタンド中段より上の方が視界は良好です。

 


スコアボードは珍しく左中間寄りにあります。パネルはめ込みの手動式。

(円山も昔は手動式のボードが左中間寄りにあったような・・・・。)


この日はメンバー表示がありませんでしたが、この表示部がかなり小さかったのが気になりました。特にポジション番号の部分がメチャクチャ小さくて、「これ、見えるのかな?」というレベルでした。

 


場外には常設の食堂がありました。いつも営業しているのかどうかはわかりませんでした。

(円山にもこんな感じで場外に飲食店がありますね。)


今回は車でここまで来ましたが、公共交通機関のアクセスは良さそうです。

JR学園都市線「新琴似(しんことに)駅」、地下鉄南北線「麻生駅」、どちらからも徒歩7~8分程度の位置だそうです。地方球場としてこれはポイント高いですね。


でもいいことばかりではないようです。この日は祝日だったので影響が無かったのかもしれませんが、球場のすぐそばには下水処理場があり、ニオイがひどい時があるようです。これがこの球場の最大の欠点なのでしょう。

 


訪問時はリトルシニアの全道大会が行われていました。

一日早かったのですが、時期が時期なので鯉のぼりがスタンドに飾ってありました。これは1塁側のチームが持ってきたものでしょう。


立地条件から考えるといろんなアマの試合が行われていることでしょう。

札幌のアマ野球を支える麻生球場。建設されてから今年で34年目になりますが、そろそろ老朽化の波がやって来ていると思います。


メンテナンスを行いながら末永く存続するのか?

それとも将来また新たに別な場所に代替え球場が作られるのか?

そんなことを考えながら球場を見つめていました。

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