春季大会放浪記〜大阪・豊中つづき

  • 仲本
    2015年04月12日 12:29 visibility159




(大手前高校。胸マークはローマ字、左袖に校章。ストッキングは上半分が濃紺)



この日豊中の第二試合は東淀川ー大手前の対戦。春の大会一回戦でした。



大手前は明治19年の創立という伝統校ですが、泣きどころは戦前は女学校だったということ。つまり「旧制中学時代の栄光」がないのですね。名前の通り大阪城の向かいにありますが、街の真ん中でグラウンドは狭く、その分、部活は割りを食っているようです。



一部マニアとしてはネタにしづらい学校です(・_・)



投手がよければなんとか勝負になるのだが、と思って両チームの投手の立ち上がりを見ると、東淀川のほうが良いと感じました。



大手前のエースは上から投げ下ろす右腕ですが、一瞬捕手から目を切ってしまうようなフォームで、この日は球がばらついていました。時にスローカーブを投げてきますが、空振りを誘う変化球があまりないようでした。



対する東淀川のエースは右スリークオーター。引っかけ気味に右打者の外角へ、直球・スライダーを投げ分けます。見逃せばベースをよぎってストライク、振れば外へ逃げて空振り…、打者はこの見きわめに最後まで手こずっていました。







(東淀川の投手。春はスコアボードの表示も場内アナウンスもないので名前はわかりません)



初回に一点先制した東淀川は二回の表、無死一塁から三塁線にバント。備えていた三塁手はダッシュして捕りにいきますが、湿ったグラウンドに足をとられて転倒。一塁送球できません。



次の打者はバントがファウルになって決まらず、エンドランに切り替え。これがセンターへの浅いライナーになり、二塁→一塁と転送されて三重殺。球場では初めて見ました。



ピンチを脱した大手前はその裏、四球とヒットで二死満塁。左打席に9番打者が入ります。

右打者は外の球にさんざんひっかかっていたので、スタメンに二人いる左打者がなんとかしたいところでした。打球はレフト線ギリギリに落ち、これが走者一掃の三塁打。



大手前は3回にも2点を加えて5ー1とリード。劣勢のボクサーがカウンターパンチ2発でダウンをとったような展開になりました。



しかし地力は東淀川が上。中盤4ー5と追い上げて迎えた7回表、連打に牽制悪送球がからんで無死2、3塁と攻め立てます。

続く打者の当たりはピッチャー返しの強いライナー。グラブを弾いて脚に当たった打球を投手が拾い上げ、三本間の挟殺プレーとなって走者の生還は許しません。しかし脚を強打した投手はここで降板しました。



リリーフに立った背番号10の左腕は投球練習ではなかなか良さそうでしたが、ピンチに打者相手では勝手が違ったか、勢いは止められず。結局この回、東淀川は4点を取ります。



大手前もその裏つないで1点を返し、さらに満塁までもっていきますが、4番、5番が凡退しました。



東淀川 100 120 400/8

大手前 032 000 100/6



意外に競った展開になったこの試合。

意外といえば凡打に終わった打者が感情を押さえきれない場面も目につきました。バットを叩き付けたり叫んだりいろいろ。よく考えれば一回戦あたりならどちらも普通の高校生、過剰な規律を求めるのが無理というものなのかもしれません。「モノに当たるな、練習せえ」とおっちゃんとしては言いたいところですが…、



よく「高校野球の窮屈さや美談まみれなところが大嫌い」という人がいますが、それはテレビや新聞を通じてしか見ていないからです。そういう人にはぜひ甲子園にもなんにもつながらない、春の一回戦をグラウンドで見てほしいものです。







(東淀川高校。胸マークは漢字で、ユニフォームはクリーム色がかっている。帽子のマークはHYの組み合わせ。)



























































































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