代表校放浪記~和歌山・耐久高校

  • 仲本
    2024年03月04日 23:12 visibility403

大阪・天王寺駅からJRの特急「くろしお」に乗って1時間20分ほど。

途中、ミカン山を懐かしく眺めながら、こちらも高校野球でその名を全国に知らしめた「箕島駅」を出て、二つ先の停車駅が今回の目的地の湯浅駅だ。

 

 

(湯浅駅の旧駅舎は最近改装されて食事処と地元の産物の販売店になった) 

小さいころから高校野球の地方大会の結果をくまなく見ていたおかげで、和歌山県に「耐久高校」という一風変わった名前の学校があるのは知っていた。昨年秋の和歌山大会で優勝、近畿大会4強で堂々の一般選出だ。創部120年目にして悲願の甲子園初出場である。駅前広場に出場を祝う大きな看板が立っていた(なお、耐久高校には軟式野球部もあり、こちらは全国大会に出場経験がある)。

 

学校は駅からさほど遠くないところにあるというが、地図をよく確かめなかったせいで踏切を二度渡ることになった。行ったり来たり。

 

 

 

校地の西角に校章をあしらった門扉があった。現在は通用門となっているが、駅から歩くならこちらが最も近いので、もともとは正門だったのかもしれない。グラウンドは校舎の奥になるようだ。後で知ったことだが、野球部はこの日練習試合で、智弁和歌山高校のグラウンドに行っていたらしい。

 

諸事情あってあまり家を空けられないので、湯浅の滞在時間は2時間少々。駅前でもらった観光パンフレットによれば、この地には熊野への街道が通っており、湯浅氏の本拠地として平安末期から栄えた。近世になると金山寺味噌の製造過程で生まれた醤油の醸造が始まり、町を代表する産業になったという。

 

 

(伝統的建造物群保存地区はこの堀の裏にあたる。「醤油発祥地」の看板がある)

通りかかった小学校にも、誇らしげに「創立150年」と掲げられていた。半日くらいかけて歩いてみたい、歴史ある町である。

 

郷土のにおいが消えて久しい高校野球だが、たまにはこういうチームが出てきてくれると、オールドファン(苦笑)としては嬉しい。野球どころ・和歌山の代表でもある。田辺高校ともども、頑張ってほしいものだ。

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