パナソニック・ベースボール・スタジアム

あまりご存知で無い方も多いマニアックな話ですが・・・。（軽く流してください。）

大手家電メーカーの松下電器がこのたび社名とブランド名を「パナソニック」に統一するとのことです。
大阪府門真市にある本社の看板から「松下電器」の文字が撤去されている報道を観ました。これで連想したのは同社の野球部も名前が変更になるのだろうということです。少し調べたら野球部だけでなく、所有している野球場も「松下球場」から「パナソニック・ベースボール・スタジアム」に変わるそうです。この「旧・松下球場」について少し。

この野球場、大阪府枚方市にあります。松下が自社の野球チームのために造った専用球場です。国道1号線に面しており、車などで通りかかると打ちっぱなしゴルフ場みたいなグリーンの高い防球ネットが見えます。以前はこのネットに赤文字で「松下球場」と看板が上がっていました。（ロゴマークも飾られていました。）しかし、いつの頃からかこの看板は撤去されてネットだけになっていました。その為かここに野球場があるということを知らない人が多いです。ここが甲子園出場校の練習場所であるというのを知っている人は相当な高校野球ファンですね。

自分が何故ここを知っているかというと、ずっと昔にこの球場が高校野球大阪大会の予選会場だったからです。（現在は利用されていません。）

社会人野球チームのグランドなので駐車場は一切無く、京阪電車の「枚方市駅」からバスに乗らないと行けません。バス停から坂を登るとたどり着きます。鉄門を通るとグランドが見えてきます。スタンドは内野だけ。記憶が多少あいまいですが、その当時は芝生にベンチが並べて置いてあっただけの簡易な座席だったと思います。

両翼は90ｍくらい、センターは120ｍくらいだったでしょうか。外野はネットだけ。スコアボードは手書きの手動式。いたって簡素な造りでした。

ただ、当時で一番印象に残っているのはスターティングメンバーの名前が表示できない造りになっていたことです。どういうことかというと1，2，3・・・・と打順の数字があってその下に各ポジション番号がはめ込まれるだけのメンバーボードになっていたのです。
例えば「一番・ショート」であれば1の数字の下に「6」と表示されるだけで名前は入りません。打順が来たらそこにランプが点灯するだけ、というものでした。これは選手には結構気の毒でした。スコアボードに自分の名前が表示されるというのはやはり嬉しいものですから、それがなくてポジションの数字だけというのは当時ここで試合をした選手にとっては少々つまらなかったことでしょう。

この球場に行ったのはたった一回きり。その後気が付いたら予選で使用されなくなっていたので、現在内部がどうなっているのかはわかりません。今回親会社の社名変更報道でふと思い出した記憶の底にある野球場です。若い頃は設備の整っていない野球場は「ショボイ」としか思わなかったのですが、年齢を重ねていろいろな経験をし、またいろいろな野球場を見てくると逆に設備の古さが何とも言えない「味のある球場」と思えるようになってくるから不思議ですね。

今回球場名が変わったのを機に久しぶりに行ってみたいとも思っています。練習が公開されている日は中に入れますので。昔とすっかり変わっているのか、あまり変化がないのか。記憶の旅路ですね。
相変わらずマニアな男・・・。