勝負は下駄を履くまでわからない。
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Mr.black
2008年07月15日 12:26 visibility915
「勝負は下駄を履くまでわからない」、これはスポーツをはじめ勝負事や交渉事などでもよく使われる言葉ですね。勝負事は最後の最後まで何が起こるかわからない、だから気を緩めるなという意味合いで使うようですが、昨日これがまさに当てはまる野球の試合を観戦しました。
場所は兵庫県の尼崎球場、高校野球兵庫大会でのことです。
昨日、休みだったので最初は地元大阪の予選を観戦するつもりだったのですが、授業の都合か何かでどの球場も最初の試合開始時間が12時からということでした。
この炎天下で陽が高く昇っている時間帯から出かけるのは億劫だったので、朝から始まる会場を調べたところ、兵庫県大会は全て9時開始ということで最も近い尼崎に急遽変更しました。
第一試合は報徳学園が宝塚東にコールド勝ち。問題の試合はこの後でした。
第二試合、夢野台対川西緑台という公立校同士の試合でした。
試合は一回に夢野台が4点を奪うなど終始優位にゲームを進め、六回終了時点で9−1とリードしていました。七回表を1点以内に抑えればコールド勝ちという展開。かつてセンバツ甲子園出場歴がある川西緑台に対してまさに会心のゲームになるはずでした。
ところがこの七回、先発エースが突如乱れ、連打に味方のまずい守備もあり一挙に5点を失ったあたりから雲行きが怪しくなります。このエースの突然の乱れはスタンドからは原因がわかりませんでした。疲れが出たのか勝ちを焦って投げ急いだのか・・・。ともかく夢野台は八回からはエースをレフトに回し、11番の控え投手をリリーフに出しました。これが完全に裏目に出て、つるべ打ちにあった挙句、打ち取った当たりがことごとく味方野手の守備のまずさからヒットになるなどしてあっという間に8点を献上。
何と七回に5点、八回に8点とわずか2イニングで13点を失い14−9と逆に5点ものビハインド。その後夢野台も2点を返したものの反撃もここまで、14−11でまさかの大逆転負け。途中までほぼ勝利を確信していたスタンドの父兄、控え選手、先生、OBなども呆然と見守っていました。
試合後、ベンチから出てスタンドの座席や通路のところにしゃがみ込んでいる選手たち。ある者はタオルに顔を埋めて号泣し、またある者は手すりにもたれたまま呆然とグランドを見つめて身動きも出来ない状態だったりでショックの大きさがよくわかりました。
しかし残酷なようでもこれも人生経験の一つ。昔、「あぶさん」で主人公景浦選手が高校生の弟(と言っても血の繋がりが無い)が試合に敗れて泣いている姿に向かって心の中で「思い切り泣け、滅多に流せる涙じゃないぞ」と語りかけるシーンが思い出されました。
彼らがこの経験を糧に今後の人生を送ってくれることを祈りながら球場を後にしました。
本来の予定を変更してプチ遠征したお陰で印象的なゲームを観ることが出来ました。そして実はこの日、試合運営で一つ気になる光景も見ました。長くなりましたのでこれに関しては次の日記で書いてみたいと思います。
試合前の審判とのやりとり。
左: 川西緑台高校
右: 夢野台高校
まさかの大逆転負け。スタンドの関係者も呆然。
観にくいですが、スコアはこんな状態でした。
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