†Cross†

スペードの行列が突如然現れ

私の耳元で、夢のワケを囁く

彼女の頭上に垂れ込めた暗雲はいよいよ現実のものとなった

彼女を打つ黒色の雨

彼女の美しい髪は無残にも黒く濡れ

彼女の柔らかい口唇は小刻みに震える

とめどもなく押し寄せる苦難の波に揉まれながら

時折見せる、彼女の恍惚を

私は信じることを頑なに拒む

彼女の内から出た、その残酷な呪いは

命ある限り、彼女の体を縛り上げ

あの漆黒の塔に吊すにちがいない

私に何ができるというのだろう?

私は、麗らかな陽射しの中

ただ平行線上の、ハートとスペードの戦いの傍観者でしかなかった・・・・

sell創作

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