両雄並び立った!?昭和54年センバツ大会 浪華商VS箕島
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こじっく
2016年03月29日 10:17 visibility3693
龍谷大平安のセンバツ4強入りを心から喜んでいます。
175球を投げた市岡投手の疲労は相当のものと思います。
ここは平安史上屈指の打線の奮起を期待したいものです。
さて、先日NHKで「センバツ高校野球 レジェンドが語る名勝負の秘密~黄金バッテリーの真っ向勝負~」を見ました。
昭和54年センバツ大会決勝 浪華商業と箕島の決勝戦にスポットを当てた番組でした。
浪商 1 0 0 0 0 3 2 0 1 =7
箕島 1 0 2 1 0 1 3 0 X=8
私は当時3歳でしたので、当然この試合をテレビで見る・・・などということはなく、これだけ詳しくこの試合の模様の紹介を受けるのは初めてでした。
マウンドに立っていた浪商の牛島和彦さんのコメントとともにこの一戦を辿るとそのドラマチックな展開に引き込まれました。
そして、番組のコメンテーターやくみつるさんも言われていましたが、牛島和彦さんとキャッチャーの「ドカベン」こと香川伸行さん。これだけエースピッチャーとキャッチャーの両方がスターとして並び立ったチームは例がないと思いました。
番組の副題の通り、まさに「黄金バッテリー」。
陳腐な表現しかできませんが本当に劇画のようなチーム。
対する箕島高校も素晴らしい。
バントを多用し牛島投手を攻略する緻密さ。
ベンチで采配を振るう尾藤監督の快活さも印象的。
スター軍団の浪商と好対照を成しています。
この勝負を制した箕島ですが、この後、昭和54年の夏も全国優勝するのですね。
この番組を見る前、NHK BSプレミアムのアーカイブスで2004年頃に放送された箕島高校の尾藤監督と、昭和54年のチームのその後を追ったドキュメンタリーも見ていました。
夏の甲子園で戦った箕島高校と星稜高校。
星稜 000 100 000 001 000 100=3
箕島 000 100 000 001 000 101=4
「史上最高試合」「神様が作った試合」とも称えられる名勝負。
しかし、人生万事塞翁が馬。
この試合が両チームの選手にもたらしたものは決して栄光だけではなかったのですね。
どこへ行ってもファウルボールを追って人工芝で転倒したエピソードがついて回った星稜高校のある元選手の方。
劇的なホームランを打ったばかりにその後バッテイングを見失ってしまった箕島高校の元選手の方。
闘病中でありながらも、自分の教え子ばかりか対戦した星稜高校の選手のことも思い遣る箕島高校元監督尾藤公さん。
尾藤さんが病にある時期もグランドに立ち続けた星稜高校監督山下智茂さん。
昭和54年8月16日に甲子園で交錯した人生がその後さまざまな人生模様を描いて行ったことが紹介されていました。
青春のある一日にまばゆい光を放った選手たちのその後のあまりに「普通」に思える歩み。
2人の監督の一見対照的に思える現在。
誰もの人生が、地味な努力と、変わり映えしないように見える毎日の積み重ね。
だからこそ、それが花開く瞬間の美しさ。
OB戦で旧交を温める箕島、星稜の元選手の皆さんがまぶしく思えました。
2016年の現在、もう尾藤公さんはお亡くなりになられましたが箕島高校の栄光とともに尾藤公さんの功績と人柄は高校野球がある限り永遠に語り継がれることでしょう。
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- 事務局に通報しました。
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