野球読書日記 映画編 「がんばれベアーズ」

 この映画、ほぼ私の生まれた頃の作品なのですが、「アメリカって、既にこんなにこどもが自由に生きられる国だったの!?」と驚かされました。

 まずベアーズのメンバーの個性に圧倒されます。監督を任された元マイナーの野球選手バターメーカーの苦労が伝わってきます。また、バターメーカーも大人社会から見れば個性の塊のような人物です。個性派集団にはそれを上回るほどの個性派監督じゃないと束ねられないという考えでチームを託されたのでしょうか。

 弱小ベアーズがバターメーカー監督のグランド内外の奮闘で次第に強豪と渡り合えるチームに成長していく物語です。

 チームスポーツを描く映画の王道の様に感じますが、観ていると自分がこどもだった頃の思い出や友達の顔が浮かんできます。こどもの葛藤や影響を受ける大人との出会いなど時代や国を超えて普遍的なものを掬い取っています。心にいつまでも残るこども時代に出会った大人って決して聖人君子じゃないんです。

 日本でも1977年に公開されて大ヒットを記録したそうですが、大いに頷けます。今なら缶ビールを握りしめながら指揮を取る監督やリトルリーグ年代の少年の喫煙など画面に出てきたらアウトでしょうが、表現に寛容な時代の空気が楽しめます。

 紅一点の女の子がエースというのも楽しいですね。

 少年野球の映画としては永遠のナンバーワンではないでしょうか。

 

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