落雷の怖さ

昨日、U23-日本代表戦の帰り際
混雑する国立競技場内でこんな話をしている人が居た

『○△は最後までやったぜぇ〜』

「まったく根性ねぇよなぁ〜」

『あとちょっとなんだから、ここまで来たら最後までやるべきだよぉ〜』

果たしてそうだろうか？
雷雨の中最後までスタンドから動かないで応援していた事は評価しますが

主催者側から雷に関して危険と判断し試合を中止にしたのは

選手と観客双方に危険が及ばないように“安全第一”に考えた
妥当な判断だったと私は思っています

先程の会話の主は落雷の危険性にどれほどの認識が有ったのでしょうか？

以前私は今の様なデスクワークに追われるメタボなサラリーマンではなく
もう少しスマートな工事の現場監督さんでした

場所は栃木の山間部、付近は雷の名所
（北陸からの乾いた冷たい空気と東京湾からの湿った暖かい空気のぶつかる場所）
会社は天気情報会社と契約し雷接近情報を貰っていました

しかし、ある時雷接近情報が手元に届けられ数分後
工事現場に落雷したのです、不幸中の幸いで怪我人は有りませんでした
しかし作業用機械などの損失は数百万円に上りました

怪我人では有りませんがその現場にいた作業員は髪の毛が・・・・
キツ〜イパーマが掛かった状態になりました
実際その作業員は目の前が真っ白になって、死を予感したとか。

もしも４万人を超える観客と選手及びスタッフに怪我人が出ていたら
同じ台詞を彼らは吐けたのでしょうか？

スタンドに居並ぶ勇者たちはあの時点でなんら詳細な気象情報を得てはいなかった
逆に主催側は刻々と変わる天候に神経を尖らせて、
ピッチで闘う選手達以外にも観客を含めた試合全ての安全を考えながら
ゲームの中断そして試合そのものを中止することを判断したのでしょう

それに異を唱えるのは簡単だけど
何にも知らずに、過去の事例を挙げて状況を無理矢理同じに誤解して
精神論を持ち出して根性無いとは、果たして言えるのか？

これは連れからの情報ですが
神宮球場や国立霞ヶ丘競技場を含む神宮外苑周辺は
夏場、雷雨に見舞われる事が多い場所です
おそらく外苑や御苑にある緑と都心部の廃熱が大気の不安定な状態を作り出しているのではないでしょうか？

そこで昨日のような雷雨では、いつ何時スタジアムに落雷するか
それこそ賭けの様なものです。サッカーの試合は確かに勝負事です
それに命を賭して勝負するのはやむを得ない事でしょう

ただ、昨日の試合はあくまでも親善試合であり北京オリンピックへのテストマッチなのですから
ここで怪我や最悪、選手生命ではなく人間としての命を賭ける試合では無かった
それは応援する観客にも当てはまります

たしかに高いお金を払っている以上、のこり７分少々を続けて貰いたいのは解ります
けれども、まさに命あっての物種、北京で闘うサッカー日本代表の雄姿を見ることなく
あるいは病院のベッドの中で観戦するなんて事態にならなかった事を喜ぶべきではないでしょうか？

以前仕事上の経験として落雷事故に遭った場所は
国立競技場の様に周囲には３０ｍを超える針葉樹に囲まれ
スタジアムほどでは有りませんが５０ｍ四方の空間に
建築物を建てる工事をしていました、目撃者の話では
その敷地内を白い玉がグルグル回っているのを見たそうです
その目撃者もその後気を失い、気が付くとパーマヘアーだった。

たとえ避雷針が有ったとしても、国立競技場の様に広い空間では
そちらに雷が落ちるとは限らないしまた、避雷針以外の高いモノ（旗竿・掲揚台）に落ちた
電流が付近の伝導体の間を飛び交ってアースする事は十分に考えられる事です
命に別状が無いにしても、ビニール袋に入れてせっかく水没を免れた携帯電話も
取り返しの付かない状態になる可能性はありますね

 

まぁ、若さ故の発言にこんなに長文の日記を書く必要など有りませんけどね
これから、夏に向かって高原合宿とか海浜合宿など
フットサルやサッカーに限らず外に出かける機会がふえると思います
そんな時に、もぐらがこんな事いってたなぁと思い出してくれたらいいですね

広い開けた空間では、人間は動く避雷針！

壊れた機械はお金や保険で直せるけれど、怪我は自分持ち！

 

もしもそんな状態になってもいいからなんて思うとしたら
○の前に馬をつけられて呼ばれると思うけどイイのかなぁ

こちらは通路を外れ空を見上げるサポの2人
雨は止みましたが目の前の空には雷光がひっきりなしにきらめいていました
最後まで見たかったよなぁヤッパリ
もしかしたら追いついていたかもしれないし・・・

いやいや逆転していたかもしれんし、でも命あっての物種ですもんね