スピーディー

  • 源内
    2014年09月09日 07:48 visibility230

と、言ってもスポーツのスピードの話ではありません。

スペルをいつも忘れるので、カタカナで書いてますが、放射性物質の拡散予測プログラム、システムの話。

なんでも、スピーディーに費やす予算を1/10に減らすとかなんとか、を昨日ニュースでやってた。

前々から私個人としては、時代遅れの無用の遺物、と言っていたのでこれは大賛成。ニュースでも言っていたように、秋葉原でちょいと金出せば買えるマシンと同じレベルの計算に、10億の金を掛けるのがそもそもバカな話。1億に削るのは大正解。その1億は殆ど人件費と思われるが、それは有能な技術者の人件費なんだから、寧ろ安いくらい。

今までは、スピーディーの結果をメディアや御用学者がさも有り難がっていた。技術者達は本音を隠しながら。その本音を知らないメディアは盲信していたように思える。否、それ位しか拠り所が無いのだから仕方ない、これがみんなの本音。勿論私もその一人だったけど、ちょいと事情が違う。
ニュース上でも学者さんが言っていたけど、スピーディーは地形までは余り加味しきれない、というのは本当の話。それを当時していた仕事の関係で教わっていた。まあ、多少なりともその方面に知識があれば、勿体つけ無くとも判る話ですが、それが判る、判らない、の差は割と大きいです。
 
まあ、それはいいとして、それよか強い危機感をそのニュースを見て抱いたのは、そのスピーディーの計算プログラムを一般公開するだとかなんだとか。


政府は自分で自分の首締めるだけだし、その公開ソースを使って、手計算して結果を導き出すような、拡散予測システムを高値で売りつけるアホが絶対出て来る。或いは紛い物を作るバカも出て来る。そうなると、商売ベースでしか考えないロクなものしか出来ない。

たとえば、今巷を賑わせている太陽光パネルビジネスみたいなものになりかねません。

今の太陽光パネルも、設置して10年が最初の耐熱性能と基本的な性能は保持してくれる寿命と考えられています。何故なら表面はガラスだからです。高温の輻射熱にどこまで耐えられるか、実は誰も現実は知りません。一応10年の論拠を私は知っていますが、ここではそれを書くと膨大な論文ができあがるので止めときます。

その間にちゃんとしたメンテをすれば、トラブルは少ないのでしょうが、メンテをしなかったら、下手したら10年も持たない可能性もあると見てます。
たとえば、熱に耐えられなくなり破損し、破片がそこら中に散らばったり、支えている柱が北風でパネルごと吹っ飛んだりする可能性はゼロではありません。風の計算もちゃんと視野に入れて設置しないと、エラい事にあれはなります。しかし、それを世の中でちゃんと割り出せる、それを商いにして計算業務をしている会社は、日本には三社しかありません。家庭用パネルはまだ被害額も少ないからいいとして、メガソーラーと呼ばれる、野球場みたいな敷地に大量に張り詰めた太陽光パネルは、私が長年草野球を共にしているM君の会社のような所が設置していなければ、そうそう信頼出来るものではありません。
それを私は熱の分野を通して知りましたし、トラブル仲介にも携わったことがありました。だから個人の所感として判るのです。
メーカー保証がパネルの入れ替えや、事故時の対応まで、キチンと保証してくれなければ、大変なことが日本中で起きます。これからどう責任を持つのか、私は密かに注目してます。私が知る限り、メーカー保証を10年なり、15年なりの後に、メンテは元より、精度と性能まで保証してくれる、という話は聞いたことがありません。メンテは施工会社任せ、性能保持は知らんよ、これが現実のようです。その施工会社も、なんやかや、己を守る術を既に知っているから、トラブルがあったら、誰も助けない可能性があります。

これと同じような話が、スピーディーの計算式なんて公開したら、絶対におきます。真面目に工学系の計算と気象学を勉強している人なら、頑張れば読み解くことそのものは出来る計算が、スピーディーの計算方式だから、です。
ただ、それを緻密に、誤差が生まれぬように運用し、計算結果を的確に算出していくのが大変だから、優秀な方々が皆で守り、維持していたんだと思います。それはスゴく大変なことだし、慎重に運用しなければ、間違えた結果を出してしまう為、結果が出た後、判断出来るだけの頭を持つ優秀な方が必要だった筈です。そしてそのトライ&エラーを繰り返して拡散予測システムとして成立したのが、今のスピーディーだった筈です。

公開したらそれら努力は無に帰します。何より、アホが真似して中途半端な産物を作ります。これが最悪です。


再び言いますが、スピーディーは地形までは余り加味しきれない、というのは本当の話で、本当に実測に近い予測を求めるなら、地形を加味した三次元の計算をしなければ、意味がありません。故に計算機が出す結果に様々な要素を加味しなければ、人に伝えられる予測にはならないのです。

それを、最も安価な形で的確に可能にする技術は、流体解析です。

ただ、流体解析プログラムだと、スピーディーのような広範囲に渡る分析、計算は不得意とされています。その理由を分かり易く言えば、計算量が非常に緻密な為、計算機の性能が追い付かなくなる為です。特に非構造格子を使うと、計算の分量、という側面においては厳しいです。
他にも様々な要素はありますが、構造格子を使って、ある程度は広い範囲で解析出来る技術は既にあります。

そうした技術を国が余り表向きには使いたがらない理由が、私には判らないです。実測値を元に避難予測を出す、だなんてアホな事抜かすな、その時には手遅れなんじゃ!と、声を大にして私は言いたいです。

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