決してひどい試合ではない

というタイトルで満足度は一つ星、にしてみようかと思った。
「手のひらは返されるためにある」という言葉をどこかで見たような。

アジアのＷ杯予選や、アジアカップ、ＡＣＬなどは本当に環境によって同じチーム同士でも
まったく違ったゲームになる。アグレッシブさは確かに足りなかったがあのピッチ、温度や湿度などを考えればまずセーフティとポゼッションとにプライオリティをおいた戦略は間違っていないと思う。しかしポゼッションとは言ってもどこかで緩→急へのスイッチを入れなければならない。
そこで誰が責任を持つかというともちろん憲剛なのだがタッチ数が多い場面、芝の影響でトラップが足元に入りすぎたり、逆に大きすぎたりという場面が目立った。
そこで取られることはほとんどないが（憲剛に限らず中盤から前線で）スイッチを入れ損ねる→サイドに振る→バックラインに戻してやり直し、というシーンの多さが「ゲームの退屈さ」を作り出していた。
しっかりと収めて縦（角度を少しつけて斜めに）にボールが入ったときはスルーやワンツーなどでチャンスを作った。
後半粘り強くサイドから攻め続けた日本、左サイドの今野が受けたボールを中央の俊輔に戻し、俊輔が体勢を変えてコースを探っているうちにするするとあがってきた憲剛に預ける。ペナルティボックス内に憲剛から伝家の宝刀スルーパス（山岸に出したようにＴＶ画面からは見えた）、再び走りこんだ今野の右足アウトサイドのクロスを高原がうまくミートした左足ボレーで先制。
終盤間際、ルーズボールを拾われて、カタールは日本の最終ライン裏へ浮き球パス。ボールは川口が先に触れそうにもかかわらず、相手ＦＷより先にコースに入った阿部が「念には念を入れて一応体を当てておいて川口にしっかりとキャッチさせとけ」ディフェンス、名づけてファウル。
ボックスすぐ外のＦＫをカタールが決めて同点。引き分けで試合は終わった。

以下個人採点
ＧＫ川口６　失点はやむなしか。前半のＦＫストップはよかった。というかほとんどまともにシュートを打たれていない。
ＤＦ加地５．５　ディフェンスでの落ち着きはさすがだが物足りない出来。
阿部６　相手に触らせる前のディフェンスがよかった。ＦＫを与えたシーンは何が起こるかわからないから万が一にも相手に触らせないように、というディフェンスが逆に何かを起こしてしまった。
中澤６　ヘディングなどあいかわらず日本を代表するＤＦであることを見せた。
今野６　アシストよし。右の加地に比べてもあがってポイントになろうとしていた。
憲剛５．５　ちょっと厳しいかもしれないがあの程度の出来では彼にはこれ以上上げられない。
遠藤６．５　最後の最後ではうまくいかないシーンも多かったが。チャンスの１歩手前、というシーンでシンプルによく絡んでいた。
啓太６．５　やるべき最低限の仕事といえばそれまでかもしれないが集中を切らさないのはたいしたもの。
俊輔６　右サイドに張り過ぎないようになってからゲームが動き出した。
山岸５．５　相変わらず危険なところに顔を出すのがうまい。そしてシュートがイマイチなのも相変わらずであった。
高原６．５　啓太と遠藤と同じ点数ではなくプラスアルファしたいが７点はちょっと。１トップで孤立する場面もあったが味方が遠いときにうまくファウルをもらうという判断力がよかった。
羽生５．５　周りがもっと使ってあげてもよかったが。
橋本５．５　他の選手が疲れてチーム全体がぼやけるところを背負わされた。