松田直樹選手にささげる試合

「練習試合でもいいからマリノスと対戦したい」

と語っていたのは、今年８月に急逝した松田選手。

そして実現したこの試合。雪の富山には多くのサポーターが詰めかけた。

松本山雅は３回戦で新潟を破った勢いそのままにマリノスに挑む。

前線の木島兄弟がスピードを生かしてマリノスの守備陣をかき乱せば

小松や北村といった中盤の選手は中村俊輔を徹底マークし、仕事をさせない。

しかしそこは『世界のＮＡＫＡＭＵＲＡ』

徐々に前向きにボールを持てるようになり

繊細なパスで相手の急所を突く。

マリノスは23分

左サイドの崩しから若武者・小野が決め先制。

先制すれば自力に勝るマリノスが試合をリード。

後半に入ると、ますますマリノスが躍動。

松田と同じぐらいやんちゃな男・小野裕二が魅せる！！

22分、味方が相手ボールをカットしたところから右足インサイドでミドルシュートを突き刺す！！29分には、左サイドからのクロスをヘッドで決め、ハットトリック達成！！

１９歳にして名門マリノスの１０番を背負う男！！

プロ入り初のハットトリック達成！！

後半ロスタイムには、小野のアシストから

中村俊輔が決め、４－０。マリノスが下馬評通りの圧勝で準々決勝進出を決めた！！

試合終了後は、マリノスイレブンが松本サポーターに向けて挨拶に訪れ

松本サポーターからは

「Ｆマリーノース！！」

という、対戦相手を称える大きなコールが送られた。

小野裕二は

「松田さんのためにも、松本の分まで頑張って優勝したい」

と熱い思いを語った。

松田直樹が誰よりも楽しみにしていたこの試合。

彼がピッチに立つことはできなかったが、この試合に出場した選手

駆け付けたサポーターは皆全力で戦い

美しい試合を魅せてくれた。