娘は僕に似て文系。

「見て、娘ちゃんが自分で考えたんだって、この問題」

この前嫁さんにこう言われて一枚のプリントを渡された僕は

「へー、学校もなかなか面白いことさせるんじゃね」
と、思いました。


見てみると宿題の算数のプリントの裏にそれは書いてありました。


数を書きましょう。
と冒頭に書いてあって、その下にいちご10こ入りが３パックとバラバラのいちご数個。
絵で書いてありました。

そして答えを書く欄に娘の字で答えが書いてあり、丸がしてありました。

同じ様な問題がもう一問あって、それにも丸がしてありました。

なかなかよくできてて関心しました。

そしてこんなことやらせる学校にも関心しました。



でも、そうじゃなくて。

僕は勘違いをしてました。


よくよく話を聞いてみると、問題を作って答えを書くなんて宿題は先生の指示ではなくて、娘が自主的にやったことだったんです。

僕は驚きました。


そして娘の勉強を楽しんで工夫しながらやってる姿勢に感動しました。


問題を仕上げた娘は先生がどんな反応をするか楽しみにしていたそうです。
きっと先生はビックリするし誉めてくれるよ、そう嫁さんは言ったそうです。


でも、残念なことに娘の考えた問題に採点したのは先生じゃなくて嫁さんでした。

娘は宿題を提出するときに「先生、裏も見てください」と言ったそうなんですが、返ってきたプリントには何も書かれてなかったそうです。


帰ってきて残念そうにその話をする娘に嫁さんは「先生も忙しくて見忘れたんよ」と言って励まし、採点してあげたということでした。

大きな花丸が書いてありました。


僕はせつない気持ちになりましたが、同時にそこで先生のことを悪く言わなかった嫁さんはさすがだなと思いました。

僕の考えでは、子供にとって立場の大きさは親より先生が上でないといけないと思ってます。
だから絶対に先生への不満は例えあったとしても子供に言ってはいけない。

子供からしてみれば、親が見下してる人から学ぶのは気持ちが入らないだろうし、面白くない。
結果ナメるし、色んなことが疎かになる。
そう思います。

嘘でも先生は偉大だと言い続けるつもりです。




昨夜、机の上に算数の宿題のプリントが置いてありました。

裏にはまた娘の考えた問題が書いてあり。

そして表の一番下には「裏も見てください」と書いてありました。

なるほど、これなら忙しい先生も見落とさんね。


さて、先生は娘に何点くれるでしょうか？

ひそかに楽しみです。