あたらしく始まる4年間

  • soultrans
    2006年07月07日 02:02 visibility36

2006年ワールドカップもあと2試合で終わる。残った4チームがのこりそれぞれ1試合を、優勝と3位をかけて争う事になっている。

で。。
出場国32カ国のうち、28カ国は、当然ながら、次の代表の構築へ向けて、動き出している。ワールドカップという最も大きな大会に臨んだ(だけでもすごい事なんだけど)敗退組の28カ国の中には、思うように結果を出せなかった国、思った以上の力を世界に示す事が出来た国(今回に関しては、ほとんど順当な勝ち上がりといえたので、あんまりそう感じている国はないかもしれないが)、その結果によって既に、それぞれの4年後は始まっている。
監督を解任したり、契約によって勇退が決まっていたり、引き続き指揮を任せたり。また、選手も同様に次のステップを踏み出している。代表の引退、選手としての引退を発表する選手がいたり、ワールドカップの結果によって新たなクラブチームへ移籍を果たしたものがいたり、ワールドカップで活躍したあらゆる人間の去就が、やがて始まる新しいシーズンの開幕に向けてあちらこちらで発表されている。
もちろん、すべての選手がワールドカップに出場できるわけではない。そのかわり、出場国は、ホスト国を除いて、それぞれの大陸予選を勝ち抜いた上での出場であるので、実際にはほぼ例外なく、サッカー協会を持っているあらゆる国や地域のサッカー選手は、そこへ向けて戦うことになる。たとえどんな結果だろうと、出場できる見込みが0%でも、次の4年後、2010年のワールドカップに向けて動き出している。
僕はやっぱり日本人なので、日本代表を例にしていえば、これまでの3回の出場の中で、成長を遂げたかどうか、それはいつも気になっている。1998年のフランスワールドカップでは、初出場にして、3戦全敗。総合成績で見ても、ブービーくらいの結果だった。得点はわずかに1。失点は4だったかな?それから4年後。海外で活躍する選手も再び現れていた、2002年の日韓ワールドカップでは、ベスト16に名乗りを上げた。つまり、2回目にして予選突破を成し遂げたのである。ホスト国の義務ともいえる予選突破を果たした事は、大きな成果を生んだ(はず)。日本人選手の海外移籍ラッシュを実現し、Jリーグもいくつかの地域密着型モデルを作り上げたクラブチームを中心に、盛り上がりを見せた。正直にいうと、僕自身、Jリーグをそんなに見ないが、この日韓ワールドカップブームは4年ともたないだろうと思っていた。ところが、もちろん経営の厳しいクラブチームもあるが、全体としてあんまり下火化していない。これはこれで、長い目で見れば、大きな成果だったんじゃないかなと思う。
そして、今年(というか先月)。結果は、終わってみれば、得点2、失点7のグループ最下位、勝ち点は1分け2敗でわずかに1。当然のように、前回はホスト国待遇(ドローが)という事もあり、組み合わせが良かったのもあるのだが、他国でワールドカップをやれば、フランス大会よりもいい結果だった、とはあまりいえない結果だ。結果として、引き分けにできたものの、PKを取られた試合が、川口のセーブにより救われた引き分けであり、うまくやれば、オーストラリアに勝てたかもしれない、という以前に、やはり今大会も3敗という結果に終わっていた可能性も少なくなかった。
日本代表のことは、多分また改めて書くと思うので、このぐらいにして、期待や気合いを込めて臨んだ32カ国も、試合がすすめばすすむほど、敗退していき、この大会を最終日まで迎える事はなかった。今大会はこれで終わるが、けれどサポーターの応援や忠誠心、ナショナルチームのレベル向上、タイトルへ向けての挑戦は、これからもずっと続く。それぞれの国では、各大陸のカップ戦が繰り広げられ、それ以外にも、次のワールドカップ予選へ向けた、さまざまな親善試合が組まれていくだろう。次のワールドカップでは優勝を狙いたい。とこころから言える国は、数えるほどしかいなくて、実際のほとんどの国は、まずワールドカップに出場することが重要な目標、それを達成出来たら、ベスト16、予選突破が現実的な目標となる。もっと謙虚に言えば、得点や、勝ち点の獲得というところまでいくかもしれない。そして、ほとんどの国が、連続出場をすることが難しい。新興勢力と90年代初頭に言われたアフリカ大陸は、この数回にわたって、初出場国が入れ替わっているという展開。逆にヨーロッパも、連続で出場している国が多く感じられるが、毎回どこかの国が、落ちている。ちなみに今大会では、前回大会3位だった、トルコすら、入らなかった。
そうした予選敗退国は、ワールドカップを脇目に見つつ、新たなシーズン、そして次なるワールドカップ予選を戦う準備を始めている。優勝候補だった国だろうと、ホスト国だろうと、敗退してしまえば、次のワールドカップを目指してやるしかない。監督が変わっても、選手の面々は、また新しく始まる4年間で、レベルを上げていく。
そして、4年後に、またワールドカップが始まっている。
既に終わった国々の代表は、もう次のワールドカップでどういった結果を求めればいいかということを考えなければいけない。
それは相当大変なことで、またいろいろとある4年間を、そうしたモチベーションを途切れさせる事なく、過ごしていかなければならない。たとえオーストラリアであっても、トリニダード・トバゴであっても、ほぼ同じ時間を費やした後に、またその大会がやって来るのである。
ワールドカップの結果はそのときにつきまとうものだとは思うが、僕はむしろ、その間の成長過程となる4年間の間に、どのようにナショナルチームを作り上げるか、という点が最も重要だと思う。
すべての国が、次の4年後をまた見据えるのは、来週の月曜日から。そのときから、タイトルホルダーを含めた、あたらしい戦いが始まる。

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