地域づくりと野球 2.「産業という側面でのプロ野球」


特別連載企画 「地域づくりと野球」 の今回は第2章です。
スポーツは金儲けの手段ではない!
と怒られる方もいらっしゃるかと思われますが、そこは一応「側面」という形で話していることをご了承ください。

みなさんは野球場に行かれると、何をされますか?

チケットを購入して、入り口で何らかの記念品貰って、

試合前にはイベントスペースでイベント見たり、

サインを貰うためにマジックやユニフォームのレプリカ用意したり、

通路にある売店でお土産やグッズなどを見て・買って、

弁当も購入したり、売り子からビールや飲み物を買って、

途中足りなくなったつまみ類などを補給して、

7回にはジェット風船なんか飛ばして
(横浜スタジアムは後ろに電車走ってるからNGでしたね)

買ってると喜びの酒、負けてると愚痴の酒、

そして遠くから来られた方は近隣の宿泊施設に泊まり、近場の人は公共交通機関などで帰宅する…。
(あくまで酒飲んでいることが前提ですからねw飲酒運転は絶対にいけません。飲みすぎもいけません)

そんなパターンが非常に多いのではないでしょうか。

























そう・・・これらに共通するのは「商売」つまり、何らかの「業」が絡んでいるんですね。




会場に入るときに貰ったうちわや配布物でもそう、
グッズやビールなども、ライセンス契約を受けた会社が作っていますし、
販売している人、警備している人など1試合に携わる様々なスタッフの給料だってあります。

つまり、野球というのは立派な産業のひとつであり、雇用が生まれているんです。
でも、少なくとも2004年まではそこに気が付いている人は球界の内外にあまりいませんでした。
2004年、オリックスと近鉄の合併と1リーグ制にゆれました。
皮肉にも日本国民が野茂の世界での活躍をテレビで見てから10年目に達したときに。


確かにあの季節以降、日本のプロ野球はエンターテイメント性に重きを置くようになりました。
過去の「(日経)北海道では31回以上足を運ぶファンが全体の24%」
http://baseballsns.jp/member/1599/diary/31139/
という記事をみてもわかるように、地方移転と共にファンサービスを強化した結果、
完全に地域に根付いた球団になったのは福岡ソフトバンクや東北楽天・千葉ロッテの例を見ても明らかでしょう。



ただ、前からこのSNSで書いていたように、讀賣以外のオーナーの政策立案能力の無さは
このまま現在の球界を斜陽化させていく元凶となりかねません。
(これは多くの会社が窓際的位置に球団を置いているため、たいした能力が無いといえるからかもしれませんが。)
本日23:59〜TBSにて戦力外特番放映
http://baseballsns.jp/member/1599/diary/30946/
もっとプロ野球というスポーツを産業としての側面を捉え、成長をさせていくことも
今後の日本を左右させるひとつの要因になるのではないでしょうか。





昨年、竹中平蔵さんの講演を聞いた際、こんなことをおっしゃっておりました。

年間1%の経済成長が10年間続くと法人税収入が上がり、消費税17%分になると。
つまり産業の活性化や生産性の向上が進むことによって、無駄な消費税を上げずにすむならば明らかにこうしたほうがいい
と思いませんか?

確かに1%の成長というのは産業界全体での底上げが重要なのですが、生産性が明らかに低い(これは税金対策の側面があったからですが)野球の生産性を向上させることは重要なものではないでしょうか











■地方の存在
近年「格差」という言葉がはびこっています。
でも、この格差が出来たのは小泉政権のせいだと言われていますが、大きな間違いです。

その前のバブル経済崩壊前後まで公共事業(いわゆる土木工事)といった生産性の低い事業をいつまでも続け、
産業・商業育成や戦略などの「ソフト」の部分をまったくやってこなかったことが大きな原因でしょう。
(財源はあったりしたのですが、本当に欲しいところに無い、
予算や権力を維持するべく足の引っ張り合いを地方自身がやってきたんですよね。
そして、宮崎県庁の裏金のように資金で数回しか使わない野球チームのユニフォームや
スピード違反を逃れるためのレーダー探知機購入など、あるところにはあるはずなのに、
本当に重要なところにはお金なんか流れないような仕組みになっているんですよ。)









ただ、暗い話ばかりではないと自分は考えています。
むしろある程度のインフラが出来つつあるのですから、
それを活用した産業育成をする必要があるわけで。
事実、韓国は女性ゴルファーの台頭によるゴルフブームが加熱し、
各地から各県に出来た九州の空港めがけて直行便でとび、ゴルフをしない母子は市内観光へ、
ゴルフをする男性陣が日中コースに出るというツアーパターンが組まれているのは
宮崎県の東国原知事が韓国へ直接赴き、航空会社に陳情していることや
自分も熊本城へ観光に行った際、何台もの観光バスからアジア系の女性人+子供たちが
大量に降りてきたことなどを見れば、確実に需要が増えているのでしょう。







熊本や九州、そして北海道などは「夏はゴルフ(九州は冬も)」
「北海道なら冬は雪を見に、そしてスキーも」とグローバルな観光コンテンツ産業を育成していくことが大事なのだと思います。
つまり地方自身のポテンシャルが結構あるはずなのに、
何らかの理由で活かしきれていない・・・これは政治的作用が大きいのでしょうが、
自分たちで努力するとか、何とかしたいと思う人たちを育ててあげることが重要なんだと思います。



そこで、私はこの連載企画のなかでプロ野球というものを立派な産業として育て上げるために
どうするかということをテーマにしていきたいと思います。









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