天才だった、伊野商・渡辺智男。清原を手玉に取った男[e734]

  • TTO
    2012年12月16日 11:34 visibility21381

1985年

この年、甲子園ではちょうど桑田、清原のPL学園が一時代を築き、阪神タイガースが真弓、バース、掛布、岡田を擁する強力打線で日本一に輝いた関西の年でした。

そんな中、関西勢の甲子園完全制覇を阻んだのが、高知・伊野商のエースだった渡辺智男(元西武ライオンズ)です。
この年の選抜準決勝でPL学園と対戦した伊野商は3-1と当時最強を誇ったKKコンビを一蹴。
渡辺は4番・清原を3三振、一四球と完璧に封じ込めました。決勝でも帝京を完封。選抜日本一に輝いています。

この渡辺智男について。
最近、昔の選手の映像がユーチューブにアップされだしています。
中京の野中徹博、池田の水野雄仁、東亜学園の川島謙などなど。。
オールドファンにとっては正に目白押しです。(アップしてくれた方、ありがとうございます)

その中でも渡辺智男はずば抜けていると思う。
これほど投球動作の基本がしっかり作られている投手が、当時いたのですね。
桑田真澄と同期ですが、僕は桑田より一段上の印象を受けました。
今出てきていたら、松井裕樹より評価が高かったかも[e733]
身体能力が高くて肩が強い分、松井より素材は上ですね。

これほどの投手が何故プロで大成しなかったか。
僕は渡辺智男自体、殆ど見た事が無いので本当のところはまったく分かりません。

肘に爆弾を抱えていたのも有ったようですし。。

それでもプロ入りから3年連続二桁勝利。素材はバケモノ級だったと思います。




寸評:足を上げる時にヒールアップという、当時流行った動作と同時に両腕のラインを平行にするようにして上体の力を抜いています。
これによってジャンプしたかのように一旦身体が宙に浮く感じになる。これをリリース位置まで持って行って肩甲骨を中心に一気に下方に急落下させます。これが強烈なリリースとストレートの秘密です。
フィニッシュで前足が突っ立っているのを、手投げと表現する方がいますが、これは前足着地の時に前足の重心移動にブレーキをかける事によって地面から反発が反ってきます。これに急落下したエネルギーがぶつかる事によって押し出されるように肩甲骨が加速し、強烈なリリースが可能になるのです。
ただ、高校時代の映像ではスリークォーターのような動き方で上から投げているので、時々バランスを崩してコントロールを乱す事が有ったようです。
だからいつからかスリークォーターに転向したようですね。詳しくは知りませんが

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