昨日は確かに落ち込んだ

うう


　うあううあう

　頭がいてえ。


　昨日の記憶をたどってみる。

　鍋をする約束を仲間としておった。

　じゃが、5人中3人が風邪やら腹痛でダウン。

　無理やりひとり誘って、3人で鍋。


　でも


　鍋に行く前に

　俺を振った女の子が男と歩いていたんだ

　しかもその男は俺の知り合いだったんだ

　そんな光景を見てしまったんだ



　白菜が煮えてないうちから、俺は下町のナポレオンと戯れて

　肉の色が変わるころには、果実酒が俺の相棒になった


　もう気にしないことに決めたんだ

　新しい道を歩むと決めたんだ


　でも体が言うことをきいてくれないんだ。


　
　頭痛と腹痛が目覚まし代わりになって

　未読メールと着信履歴が携帯に詰め込まれていた


　こういうとき友達が

　なんてことないことで、携帯を震わせて

　久し振りに声を聞かせてくれる


　
　意気地なしで、煮え切らなくて、優柔不断で、すぐ調子に乗って、すぐ落ち込む

　こんな俺のために

　ああ


　落ち込んだ

　昨日は確かに落ち込んだ。


　いつか

　昨日の自分を笑い話にしてやるんだ。

　いつか

　明日の自分を誉めてやるんだ。