選手ははたしてお客様なのか?(その2)

  • たこ
    2008年03月27日 21:05 visibility26

 明けて2003年。昨年J1昇格を逃したことの責任をとって一度は退任しようと思っていたが、アルビサポーターの熱心な残留要請に答えて、
『今年、絶対にJ1に昇格します!』という強い気持ちで指揮を執ることになった当時の反町康治監督。
そのためには更なる補強が必要ということで、名古屋を戦力外になっていた元日本代表MF山口素弘を始めとして、ファビーニョや栗原圭介・上野優作など、いわば即戦力の選手を獲得。それまでのチームにいなかった絶対的な核である山口を中心としたチームとしてスタートした。

一方、サポーターの方も今年は絶対にJ1にいける!という確信をもっていたし、何よりも新潟全体が盛り上がっていてこの頃からホームのチケットを手に入れるのが難しくなっていた。そして、それまで固定の練習場を持っていなかったチームに専用グラウンドを作ろう!ということで後援会が中心となって建設資金集めが始まり、サポからも何千円単位の募金がたくさん集まった。すべては一流といわれるクラブ作りのために。選手も試合や練習で忙しい合間を縫って、サポーターの自主制作のCDにコーラスや歌手として参加し、一緒になって歌い、盛り上がっていた。

第一クールを終えて3位と出遅れた感じに見えたが、これまでの失速の原因だった夏場をどう乗り越えるかということに重点をおいて着実に勝ち点を重ね、鬼門の夏場を勝ち越したチームはついに広島を抜いて首位に。しかし、秋になってなかなか勝ちを拾えなくなってきたことで、終盤は新潟・広島・川崎Fの三つ巴に。43節で広島が一足早くJ1昇格を決めた一方で、新潟は苦手の福岡に破れ、残りの一席を
最終節で川崎を争うことになった。勝点差は1。引き分けでは川崎が勝つと昇格は消滅。つまり、絶対
勝つしかない!最終節1週間前、この時点ですでに入場券は完売。選手もサポーターも「11・23」での勝利に向かって走っていた。                             (つづく)

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