勝てない理由は、点が取れない理由をわかってないから

  • DIME
    2012年04月23日 10:47 visibility940
最近、この手の記事をますます良く見かけうえに
首脳陣が同じような考え違いをしているように見受けられるのでまた似たようなことを書きますが。

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巨人 極端な4回以降の得点力のなさ 得点パターンの少なさが影響
セ・リーグ  巨人2-3ヤクルト (4月22日  神宮)

 勝てない…。原巨人がついに借金7だ。巨人は22日、ヤクルトを相手に1点差で惜敗。同一カード3連敗を喫した。 
 開幕から20試合。貧打にあえぐ打線は試合の中盤から終盤にかけて、著しく得点力が減少する傾向が目立っている。
 なぜ中盤以降に得点力が落ちるのか。20試合を終え、イニング別の得点を3イニングごとに区切ると、22―12―10。極端に1~3回の序盤に偏り、4回以降9回までの22得点はリーグ最少だ。
 特に負け試合に限れば11―1―3と顕著で、6、7、8回では1点も取っていない。昨季首位打者の長野が「僕のせいです。余裕がなかったです」と責任を背負えば、岡崎ヘッドコーチは「普通なら見逃せる球だけど、焦りというか…」と振り返った。
 「余裕のなさ」「焦り」。背景には昨季から導入された統一球の存在がある。長打が望みにくいため、1点のビハインドが中盤以降に重くのしかかる。
 機動力のない布陣だけに、得点パターンも少ない。足や小技で1点をもぎ取る「つなぎの野球」にたける他球団に比べ、影響は甚大。自慢だったはずの重量打線は、回を追うごとに追い詰められる。5回以降の逆転勝ちは1度もない。 【試合結果】
[ 2012年4月23日 07:05 ]
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得点がとれていないのは事実だが、「なぜ中盤以降に得点力が落ちるのか」に対する回答部分は明らかに間違っている。
得点が落ちている部分だけデータを提示しているので、まるでデータに基づく理由であるかのように誤解を招く。

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今年の現時点でのスタッツ








点がとれている阪神・中日と比較して、巨人が劣っているところは明らかに長打率である。
もちろん出塁率も劣っているのだが、これに関してはもともと巨人はセ・リーグの中でも出塁率(正確に言えばIsoD)が劣っていたことを考えると得点低下の理由としては弱いだろう。

今の巨人は小技だ何だいう前に、そもそもの打線の得点創出能力を高めなければいけない。その時点で小技でひっくり返せないぐらいのディスアドバンテージを負ってしまっているから負けているに過ぎない。



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そもそも、昨年の得点力低下は何が原因だったのか。
昨年のチームスタッツ
一昨年のチームスタッツ
を比較すればわかるが、長打率による「優位性を失っている」のが原因だ。長打率が「下がっている」のが原因ではない。
道作さんが常々言っているとおり野球は「ゼロサムゲーム」であるのだから、たとえ長打率が下がったとしても、他も下がっている、つまり相対的に差がなければ本質的には問題は低い。
巨人の得点低下の問題は、「長打率が下がっている」ことではなくて、「長打率が他球団と比べて極端に下がっている」ことだ。
これまでのパークファクターの数値を見ればわかるとおり、東京ドームは神宮や横浜スタジアムと比較すればリーグで極端に打者有利の球場ではないので、そこが原因とも考えづらい。となるとやはり選手側に原因があると考えるべきだろう。
その原因が何なのかについては技術的な問題になるだろうから素人が論評するのは差し控えるが、確実に言えることは「他球団にできていることが巨人だけできていない」という事である。
どれがそうなのかは知らないが、戦略的にどこかでミスしている。

そして、全体的に長打率が下がってるとしても、長打の相対的重要性が低下しているわけではない。
現状でも長打がいかに得点に結びついているかは明確。
この状況でいかに長打率を復活させるかが取り組むべき課題であるのに、中途半端に長打を捨てるような対策を取ろうとするから泥沼にはまってしまっている。
これに限ってはどの選手を起用するかという起用方針の問題であり首脳陣の問題。

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今の首脳陣はどうも、色眼鏡で見てしまっている気がしてなりません。

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