他山の石とすべきこと

  • DIME
    2010年11月08日 23:57 visibility461

千葉ロッテマリーンズ、日本一おめでとうございます。


昨年は非常に失礼なことを書いてしまったので、今年このような結果が出たことは非常にうれしく思います。


短絡的な視野狭窄に陥らず、痛みを恐れなかった球団改革と、何よりも心ある「良貨」のファンの勝利だと思います。


 


さて、そのマリーンズが日本一となったことで、またもや「日本一の格」論争が巻き起こりそうです、たぶん巻き起こっているのではないかと思います。


これに関しては散々いっている通り、「日本のプロ野球においてはここ60年間、『日本一のチーム』と明確に言えるチームは存在していない」のが実態です。


ここ60年、両リーグの優勝チームが争っていた時代では2チーム、現状では6チームの「日本一である蓋然性が高いチームの中でさいころ投げをして「日本一」という名称を与えている」、だけです。


 


もちろん、この場合「日本一」の定義は「長期戦において最も優れた勝率を残したチーム」であるのはいうまでもありません。


もし仮に、「日本一」の定義が「長期戦によって優れた勝率を残したチームによって短期戦で優劣を決定する」であったとすれば、これまで60年間も日本一のチームはいたといえます。


私個人はその定義自体はあまり好みではないのですが、それが日本一だと定義される事が間違っているとは思いません。短期戦での運や勢いも実力のうちというのも間違ってないでしょ。


ただ、そう考えればわかると思うのですが、クライマックス・シリーズがある前と、無かった時代との日本シリーズにおける「日本一」の価値というのは非常に瑣末な差でしかないのです。根本的には同じです。


結局、私からすれば、現在のCS制度に対する批判というのは「昔の制度への慣れと礼賛」でしかありません。


 


日本はほんとわかってない。


ところが、アメリカでは、こういう本質的な部分が良くわかっているなと、MLB選手会の下記のニュースを見てもわかります。


 


 


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2012年からプレーオフの規模が拡大する可能性が出てきた(10月26日付ESPN)。


選手会のマイケル・ウィーナー新会長によると、選手会はワイルドカード・チームを増やすことに前向きで、地区シリーズを現在の5試合から7試合にする可能性もあるという。


バド・セリグ・コミッショナーは2012年以降のポストシーズンについて話し合うことになっている選手会との交渉で、プレーオフに進出するチー ム数を現在の8チームから増やすことを提案するつもりのようで「現在のMLBは、ほかのスポーツと比べるとプレーオフが少ない」と述べている。アメリカ ン・フットボールのNFLは32チーム中12チームが、バスケットボールのNBAとアイスホッケーのNHLは30チーム中16チームがプレーオフに進む。


しかし、すでにレギュラーシーズンが長過ぎるといわれており、今年もワールドシリーズは最長で11月5日まで行われるため、選手のなかにはポス トシーズンの拡大に反対する声もあり、同時にレギュラーシーズンの試合数を減らす案が出ている。ジャイアンツのリリーフ投手ジェレミー・アフェルトは「投 手の立場でいうと、投球数が増えるし、野手のなかには毎試合に出場する選手もいて、ケガをする頻度も高くなる。もしポストシーズンの規模を大きくするなら ば、それによって生じる影響についても考えてもらいたい」と述べた。


(情報提供:USA通信)


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このニュースが出るまで、なぜ他スポーツのプレーオフ比率を引き合いにださなかったのかと反省しました。


完全に視点が違いますよね、「チャンピオン」という呼称に対する正当性とかそういうセンスの無いギャグは全然出てこない。


そもそもUSAチャンピオンにすぎないのをワールドチャンピオンと僭称してるぐらいなんだからそんなもんなんでしょうけど(笑)


 


「あらかじめ決めておいたルールで、一番だったチームが一番」なんですよ。「各リーグの優勝チームが争って決めるのが一番」なんかじゃないですって。


繰り返しになりますが、それは「自分たちが慣れ親しんでルールで決めたのが一番」といってるに過ぎません。


しかし、ルールは可変です。野球そのものですら、ルールは変化しているし、スポーツとはそもそも不変のルールに則ってあるものではありません。


ここまで行くと、日本人の行き過ぎたルール観とか、そういう話題になってきてしまいそうなんですが。


 


 


選手会の発言なんで話をそちらに逸らしますが、日本でも、選手会は似たことを言いますね。


「これ以上選手の負担が増えるのは賛成できない」と言う主張。でもこれに関しても言い方がぜんぜん違う。ただ反対というのと、上記のような言い方をするのではね。


「プレーオフとかアジアシリーズとかを行うのは賛成、だが、選手負担があまりにも増えすぎるので、その場合には現行の144試合制から134試合制度にすることを提案する」とか条件付賛成方式にすれば、印象変わるのに、と思います、言ってることは同じでも。


先に反対といってるから印象悪いんですよ。具体案を提示する&賛成という表現になるような言い方をする、のは大事ですよね。



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まぁこういうことを書くと、「MLBの場合は出てくるのは地区で優勝したチームと厳しい救済措置を抜けてきたワイルドカードのチームだけだから、3位が出ててくるNPBとはわけが違う」とかいうのが(とくに老害に)出てくるんですが、それもまたおかしな話です。


リーグ全体の中で、勝率の高いチームから上の方(上位4チームではないので変な表現ですが)の球団で短期戦させているという本質は一緒ですよ〜。


「地区優勝」だの「プレーオフチャンピオン」だの言い訳の「主観的正当性」の差で、MLBのプレーオフは良くて、日本のプレーオフはダメというのは失笑モノです。たまにMLBコラムなんかでそういうのをみるとほんと日本人って欧米礼賛するの好きよねと思います。


日本でも地区制を導入して「優勝チーム」を増やすことで、正当性をもたらそうなんていう主張は何をかいわんや、です。


逆に言えば、礼賛すべきはそういう「正当性を信じ込ませるうまさ」だと思うのですけどね、言い訳上手というか、自己正当化上手というか。日本はほんとヘタ。


 


 


で、結局何が言いたいかというと、誰がどんなことを言おうと、今年の日本選手権者は千葉ロッテマリーンズって事。


ほんとうにおめでとうございます。

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