問題点はどこなのか。
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DIME
2010年10月24日 18:44 visibility246
ご無沙汰しております。
本来なら1コンテンツごとに日記を書くところなのですが、時間がないので簡単にいきます。
またデータ計算する暇がないので予測として書いてる部分もあります。
間違っていたらご容赦ください。
まず、今年についてなんですが、あんまり憤ったりもしておりません。勝てないシーズンもありますよ、野球ですから。
オフシーズンが短くなるシーズンがずっと続いておりましたし、そろそろ戦力的に過渡期に入るところですしね。
個人的には今年ぐらいがピークでここから過渡期に入ると4〜5年前は思っていたのですが、チームのサイクルが早くなっている気がします。
ほかの感想としては、私は、「監督の能力に勝敗はほとんど左右されない」というのが基本的な考え方なのですが、それを差し引いても今年は監督で負けている気がしてなりません。
世間一般で言うところと若干違ってくると思うのですが、「監督で負ける」のは局面局面での采配ミスでなくて、もっと長い目で見たときの起用方針とかだと考えています。その点において、今年はものすごい意味のわからないことが多かった。
チームの方向性が、「現有戦力でいかに最大の勝ち数を稼ぐか」ではなくて、「いかに理想的なチームに近づけていくか」だったように思えます。もっと悪し様に言えば「理想に近ければ、多少勝ち数が減ってもいい」ように見受けられました。
ひとつだけ言っておくとすれば、美学を勝利より優先するなんておろかにもほどがあります。
勝ち以外を求めるなとは言いませんが、勝利を横においても優先すべきことは何もないんです。目先の勝ちに優先するのは、将来の勝ちだけであり、結局勝利に優先するのは勝利だけ、例外といえるのは経営的判断ぐらいです。
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�1ゲーム差での3位
今年のシーズンは1位チームと1ゲーム差=後どこかで2勝していれば優勝していたことにあるという事を正確に認識しないといけません。
あと2勝さえしていれば、別に夏から秋口にかけて大失速しても優勝できていたっていうことです。
他チームから2勝していれば、中日にはこのまま大きく負け越していても優勝への障害ではないということです。
どこで稼ごうとも勝利の価値は同じです。
夏以降に強いチームを作るとか、敵のホーム球場で強いチームを作るとか、チーム強化に不必要な条件をくわえて、可能性を狭める必要はないです。
�今年は負けるべくして負けている。
上の1番と矛盾するようですが、今年はそもそも優勝チームの勝率が.560しかありません。
だいたい10シーズンに2度ほど訪れる、一番低めのシーズンなのですが、その出現ではたいていが「前年優勝チームは失速」しています。
つまり、今年は他球団が強くなったというよりも、巨人が弱くなったから負けたのです。
揺らぎの大きな野球においては、他チームと団子になる時点で優勝を逃したとしても不思議ではなくなる。
今年は競り負けたのではなく、単純に戦力不足。
競ってる時点で少なくとも巨人においては戦略的に既に負けです。
�得点不足か失点過多か
悩ましい課題です。一番楽な答えをいえば両方が半分ずつ悪かったと言いたいところなのですが。
まず個人的な印象としては、得点不足のほうが今年は問題が大きかった=野手陣こそ補強が必要と考えているのですが、ただ数字で見る限りではそうともいえません。
計算が面倒なので平均との単純比較で失礼しますが、今年の711得点は、リーグ平均に対して114%、去年が115%、一昨年が110%ぐらいなのでこの数字で見る限りではそう変化がないように見えます。
ただ、RCWINとか見ていくと、今年と去年じゃ悪化してるんですよね。しばらく数値に触れてなかったのでこのズレがどこからもたらされているのかピンと来ないんですけど。
ただ、ひとついえることは、RCやXR(の平均との比較系数値)で、大きなプラスを生み出している選手の絶対数が減っています。
2007年にBIG6って表現をしたと思いますが、あれからメンバーは大きく変わっているものの、だいたい6名確保できていたはずです、傑出度はだんだん下がってきていたはずですが。それが今年は4名まで減った。
今年の攻撃側に関する問題点の原因はたぶんこの「人数不足=特定の野手への偏り」に収斂していくのではないかと予測しています。
特定の球団に負けが多かったのも、チーム全体の得点生産能力に貢献する特定選手偏りの結果として、その選手を押さえ込まれるととたんに打つ手がなくなったことによるもの。
同様に、特定の時期に負けが続いたのも、特定選手の好不調の波に全体が引っ張られたことによるもの。
次に失点の方ですが、去年、一昨年と比べて明らかに悪化しています。
ただ、こちらは原因が先発投手陣だとはっきりしているので、対処は容易だと思います。
チーム全体でのQS数が12球団最低ですので、今年は本当に先発が悪かったといえます。
ただし、これを招いている原因は、投手陣そのものよりも、起用方針などにあると考えています。
このあたりは後述します。
�投手起用の間違い
クルーンのことではありません(笑)
1点目に、先発と中継ぎの重要性に関する認識のおかしさ、2点目に先発の起用方針のおかしさです。
まず、先発投手に対する認識です。先ほど12球団最低のQS数は巨人であるといいましたが(こちらを参照させていただいております)
次に少ないのは、ソフトバンクです、ご存知のとおりパ・リーグで優勝しています。
上記リンク先を見ていただければわかると思うのですが、チームのQS数は、チーム防御率、ひいては勝敗と相関性が低いんです。
投手を先発と中継ぎ以降と分けた場合、投手陣の整備状況は各々○か×かの4つの傾向に分けられます。
一番は「先発○中継ぎ○」で四番が「先発×中継ぎ×」なのは言うまでもないのですが、考えなければいけないのは、二番目にくるのが「先発○中継ぎ×」なのか、「先発×中継ぎ○」なのかということ。
毎年同じようなことを強調していると思いますが、例年よりさらに悪化したこの先発陣でもそれでもリーグ平均より少ない失点数に収まったんです、これはソフトバンクも同様。
ここも忘れてはいけないポイントです。つまり弱い先発は強い中継ぎでカバーできる、今年もできた。
多くの論調はここを間違います。二番目にくるのは「先発×中継ぎ○」です。上記のリンク先を眺めていればその傾向が見て取れると思います。
先発の整備においては、「強い中継ぎの維持」というのは絶対の前提条件であり、中継ぎを弱体化させてまで先発を整備することは、「先発×中継ぎ○」→「先発○中継ぎ×」って事ですから、それはつまり自らチームを弱くすることなんです。
先発の強化においては、「中継ぎには手をつけない」が絶対です。
この点、今年は私もすこし日和見主義になってしまったなと反省しています。
その先発の対処なのですが、数でこなすって事が今年はまったくなされませんでした。
この点もここ数年ずっと指摘してきた部分なのですが、今年はむしろさらに悪化してしまった。ペナントレース全体で、先発をした投手の数があまりにも少なすぎます。
1年間ローテーションを守る投手に出てきてほしいという願望はわかりますが、それは1年間ローテーションを耐えさせれば良い投手になるという論理とはどう考えても結びつきません。
逆に、先発ってのはぽっと出が、ひょひょいと勝ち数を重ねてしまう程度のものなんですよ、去年のオビスポのように。今年だって他チームを見ればそういうのはあるでしょう。
2軍にこれはという投手があまりいなかったというのも一理ありますが、そういう投手が出てきてくれることを前提とした2軍ローテーションがそもそも組まれているようにも見えます。
たとえば、深田に関しては舎人さんは、深田側の問題として論考されていますが、私は起用されていないのは首脳陣側の起用方針の問題だと思います。
先発は可能性がゼロでなければとにかく試してみる、ダメだったとしてもせいぜい1つか2つの負けが増えることにしかなりません。
�怪我人の増加
今年の一番の問題点はここだと考えています。
松本哲也のはしょうがないかなぁとは思うんですが、内海や東野の怪我とかは問題があったように感じます。
ここでも、監督の美学が問題点としてあがってくるのですが、強い選手という偶像に踊らされすぎです。
開幕から好調を維持していた内海はなぜ一ヶ月もしないうちにローテから外れたのか、にもかかわらず一回飛ばしで帰ってきたのはなぜか、帰ってきたはいいがそれ以来だんだんと調子が落ちていって今年一年苦しんだのはなぜか。
強い投手を追い求めるあまり、無理にピークを開幕にあわさせ、無理に復帰を早めさせ、無理にローテからはずさなかった、結果ではないですか。
東野にしても、夏場に1軍を外れた後になって、しばらく前から背中に痛みがあったという話が報道されています。本末転倒もはなはだしいことです。
強い選手を求めることは、怪我による不調を選手が隠すことと表裏一体のようなものです。
この難しいバランスを維持できていたのは、球団トレーナー陣の優れた選手管理のおかげだと考えているのですが、今年はこのバランスが崩れました、「強い選手願望」にチーム方針が大きく振れ過ぎたのです。
その原因は普通に推定すれば、「強い選手願望」の発言権が強まったためということになると思います。
その選手が出場できるかどうか、怪我で休ませるべきかどうかについては、選手本人の強い気持ちや首脳陣の意向で決めるべきではありません、決めるべきは専門家の判断です。
この後小笠原とラミレスという試合出場率の高い主力選手の扱いという非常に難しい問題が横たわっている現在、このバランスが崩れたままだと来シーズン以降のどこかでそれが発生したときにチームは大きく迷走するでしょう。
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�翌シーズン以降への対策その1 投手コーチ陣の再整備
自らがプレイすることができないという条件、ますます進化がすすみ専門性が高まっているという状況
これから求められる首脳陣の姿は専門家集団による職能の分担と先進性の追及だと私は思います。
そこにおいて将の役割とは、自らが選択するのではなく、自らの選択を預けるに足る部下を定め、定めた後は自分で選択せず部下の選択に対して責任を負う事だと考えています。
その点において、今年の原監督は逆行してるように感じました。
原監督の専門分野を考えれば、少なくとも選手の肉体管理部門と投手部門に関しては専門家に委ね、自分の都合をいれるべきではありません、今年はそこに恣意が入っているように私には見えました。
そういう事情から、今年まずするべきは、投手部門のコーチの再整備です。
済し崩し的に原監督が投手起用を決めている可能性があると思いますので、そうならないよう命令系統のシステムを昨年度までの形に改める必要があるでしょう。
�翌シーズン以降への対策その2 野手の補強
先に書いたとおり、打てる野手の絶対数が不足しています。
中核を占める小笠原・ラミレスが経年劣化の不安を抱える年齢であることも考えると、その二人が打てなかったときに今年と同様苦しんでいるようでは困ります。
二人が打てないときにも得点生産能力が急低下せずにすむ対策が必要です。
打線の中核に据えられるような選手でなくてもかまいませんので、それでも平均よりは打てる打者、今年の巨人で言えば、坂本と同程度かちょっと劣る程度で十分ですのでその頭数を2・3枚追加しておかないといけません。
これはルーキーに期待するのは酷ですので、トレード・戦力外・FAでということになるでしょう。
またこの点において、エドガーは残しておくべきだと考えます。今年の数字は来日一年目の外国人選手としては最低限どころか十分評価に値するものだと思います、あの成績でリリースしては他球団から笑われますよ。
�翌シーズン以降への対策その3 先発起用方針の変更
現状、「とりあえず投げさせてみる」という部分での首脳陣の起用方針の改善が行われない限り、半端な補強は無意味だと思います。
この起用方針のままでは、補強するとすれば、エースクラスでなければ使いこなせないと思います。
急激な若返りが進んでいるチームの年齢構成からみてもこの起用方針はミスマッチです。
投手を補強することはやぶさかではありませんが、先発に関しては起用のハードルを大きく下げ、ローテーションを詰めるぐらいならば谷間にそのとき一番可能性のある投手をダメ元で起用する、ぐらいの方針の徹底が必須です。
逆に中継ぎに関しては、そのような低いハードルでの起用はチーム戦力の大きな低下を招きます。幸い今年も高いレベルでの中継ぎを維持できましたから、レベルの維持を第一に考え、主力クラスの中継ぎはこのまま中継ぎとして使い続ける必要があるでしょう。
補強の前に、戦略の見直しです。むしろ戦略さえ見直せば、若手がごろごろしているチーム状況ですから試さないといけない頭数を考えれば補強する余裕がないかもしれません。
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ではまた、落ち着きましたら。
- favorite17 chat6 visibility246
- 事務局に通報しました。
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